年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

書状集箱

2007-02-09 | フォトエッセイ&短歌
 「バぁバ、お孫さんに葉書ですか?イイッスネ。メールに抵抗して手書きの葉書なんぞは。子供たちのトラブルや事件にはメール文化の責任も大きいし」。それにしても文化財並の丸型ポストあったんですね。マダアゲソメシマエガミノ……初恋の胸をときめかせて「ラブレター」を祈る思いで投函していたポストといえばこの丸型ポスト。想いは深いが、いつの間にか無粋な角形になってしまった。

 日本にポストが誕生したのは郵便制度が始まった1871(明治4)年で木製「書状集箱」(集信箱)で「書状を出す人の心得」・「各地時間賃銭表」が付けらていたとか。その30年後に「街角で目立ち動かせない事、通行のじゃまにならない事」という2つの条件をクリアーして赤色丸型ポストが定着した。戦時体制下で鉄製ポストは徴用されコンクリートの代用品も出現した。玉砕戦硫黄島の武器弾薬にもなったのか、これじゃ弾薬も尽き果てるわ。涙ぐましい限りだ。
戦後、再び鉄製ポストの使用が始まり、正式名称も「郵便差出箱」となり、順次複数の投函口を持つ箱形に変えられて来た。今後、郵政民営化によって激変する事になるだろう。

  
<潮風に打たれて「郵便差出箱1号」は60年の風雪に耐えたのか、表面はかなり疲労気味である。遠く逗子の潮騒がさざめいている>