年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

初日の入り

2007-01-02 | フォトエッセイ&短歌
「初日の出」に手を合わせて無病息災・多幸平穏を祈る。特段の信仰があるわけではないが、一年間の出発の気概として悪いものではない。それにもまして朝の静寂の刻々と変わるダークブルーの空を切り裂いて伸び上がってくる太陽は見事なものである。
しかし、歳と共に朝の目覚めが早くなると言われているが、幸か不幸か未だその兆候現れる事はなく、御来光などは夢のまた夢でおよそ間に合わない。そんなわけで「初日の入り」に標準を合わせる。
ウ~ン、戦術失敗か。カッターナイフで切り取ったような鋭い冬の日没にはならない。気温が高くもやもやの団子がゴロリと転がり落ちるような締まりのない日没だが、高層ビル建設の重機がこの町のこれからを鋭く予告しているようにも見える。自然と折り合って進める再開発、ふるさとを呼び覚ます暮らしやすい街、コンクリート砂漠にならないようなそんな環境づくりが問われている。
アレモコレモ良かった!そんな事が積み重なる1年であって欲しいものだ。


日没までには今しばらく時間があった。西陽が大田神奈川線の多摩川に架かる『ガス橋』の欄干を映す。東京都大田区下丸子と川崎市上平間を結ぶ橋長387.7mの新しい時代の鋼橋桁橋建設技術の先駆けとなった橋。名が『ガス橋』なのでロマンを感じるが、東京ガスが鶴見製造所でできた大量のガスを東京に供給するために作られた文字通りガス管専用の橋であった。1931年9月に「瓦斯人道橋」として開通、1936年ガス管が増設され直径67cmのガス管を左右に1本ずつ橋中に抱きかかえている。


大田区側から多摩川を挟んで川崎方面を見る。ガス管が存在感を示している。
*「かながわの橋100選」(平成3年1月発表)なんてものもあってその1橋だそうです。