Jerry「ウゥー、ワン」
珍しい。ジェリーの威嚇の声が聞こえる。さっきまで寝ていたはずなのに。
Miho「ジェリー、なんで吠えるの」
見ると、Mihoちゃんに向かってまず吠えることがないジェリーが威嚇している。
源太郎「珍しいなぁ、何怒っているのジェリー」
Jerry「ウゥー」
源太郎「寝ぼけてんのか」
Miho「あっ、ラウラが起こしたんだぁ」
すーっと、ラウラが逃げていくお尻が見えた。
源太郎「アッハッハ、お前が起こしたんだと思ったんだな。ジェリー!! ラウラが犯人だよ」
やっと、理解したようでジェリーは威嚇をやめた。
本当に、ラウラには困ったものだ。
何日も「煮干し」をもらえていない腹いせをこんなことで気晴らししているようだ。
ラウラは出窓から外を眺めていた。
表に出て見ると、あの黒猫がいた。
そう、ラウラを誑かしに来たあの猫だ。
そう、ラウラを誘い出して密会したあの黒猫だ。
今日はしっかり猫相を写真におさめたんで、この次きたら現行犯として逮捕してやる。
まぁ、うちのラウラを誑かすぐらい勇気のある猫なので一応「モンタギュー家のロメオ」と名付けることにする。
源太郎「いいか、ロメオ。我が家に近づくことを禁止する。いいな!!」
すると、いそいそと生垣の茂みに消えていった。
Mihoちゃんは楽譜を書いていたが、いよいよピアノの練習が始まり二人は「やれやれ」と寝始めた。
その練習の始まりは「ラジオ体操第一」、なんでやねん。
そして、準備体操が終わったのだろう。「ラ・ボエーム」の演奏を始めた。
さて、ジェリーと散歩に行ってくるか。