経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

「スル」が欠けると。

2008年11月09日 | Weblog
この世、何一つ同じものはない。
それを束ね同一化するから、問題が少なく見える。
そこには問題を少なく、かつ小さくすることを、
「是」とする輩の誤った保身性、恣意性が
経営風土の絶対を占めていることは明らかだ。

問題は矮小化、過小化するのではなく、
あからさまにした上で対処し、
無くすように動くべきだ。

念押しするがそれは、解く、
すなわち解決すること、減じるという意味であり
問題自体を少なくする、過小化するために
無視したり、隠したりすることではけしてない

だから捨てたり、消したりするのではなく
似通ったものを重ねる。
重ねると高さになる。
その高さの高い分だけこの周辺の問題が、
大きいことが理解できるからである。(見える化)。

それから、おもむろにそれらを眺め、
眺め、考え、考え、思い、思い浮かぶことを書きき出し、

また眺め、眺め、考え、考え、思い、思い、
そしてそれらの中に潜む、本質的な問題をえぐり出す。

この本質を抉り出すこと。
これ無しに、正解は得られない。
正解がないと対応はできない。
解は夥しく存在する。
だから逆にその中から正解を見つけることは
大変なようだが、やればびっくりするぐらい楽。
すーっと本質的な問題が浮かんでくる。

逆に難しいのは、最初から正解を絞り込み
効率的に、あるいは直感的に、見つけようという
小賢しい、姿勢にあるといってよい。

実例で補足したい。これも何回か触れている。
大分県のN町のKという温泉旅館で
従業員の遅刻が多発、常態化していた。

それまでの対策は、「遅刻撲滅月間」。
初めてその会社に行ったとき、
社員休憩室に貼ってあったこれを見て笑った。

それをMMAPでえぐり出したら、
「問題の本質は、職場がおもしろくない」
ということがわかった。それで、

「みんなが楽しくてしょうがない職場、
    お客様が楽しく、嬉しくなる接遇づくり」

といった経営理念を創り、さらに初年度のスローガンに、

「会社に早く行きたくて、
  朝早く目が覚めてしまう職場をみんなでつくろう」

とし、皆でそのための具体案を出して、
金のかからぬすぐ出来ることから実践していった。

実は、経営者が上のスローガンを
朝礼で掲げた数日後から、遅刻は皆無になった。

理由を考えても改善される訳はない。
そんな遠回りより、出来ることを即実践する。
わかりが早いし、そうした流れこそが、
遅刻を少なくし、効果が期待できる。

対策とは、
1に、問題を出来るだけ多く掴むこと。
2に、本質に対する「策」であること。
3に、答えを知ることではなく、
また理由を掴むことが目的ではなく、
この場合、「遅刻のない職場にする」ということ。
この3点を押さえて「する」(動詞」、つまり
行動すれば、改善という効果が結果として、出る。

だから、この3点と「する」が欠けていては
革新も改善もならないし、やったいることは
無駄になる。

こうした企業を、「問題在り」と、私はみる。

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