これぐらいの規模になれば、鹿児島市に
支店を出すか本社を移す会社が多い。
だが、当社は支店すら持たないのである。
彼は2代目である。
10年ほど前から、3代目に継承。
会長としてのYさんの仕事は、
初代、2代目の自分が造った家を3代目に引き継ぐ仕事だ。
今、姦しい事業継承と微妙に、その重点の置き場が違う。
具体的には、これまでの家のリニューアルや建て直し、
それとそうした古いお客さんとの温故知新。
このご時世だが、当社は不況知らず、とみる。
理由は、決算書を見なくても、Yさんは語らずともわかる。
そのことを私自身が、施工主ちして経験、体感しているからだ。
この1ヶ月半の現場の職人さんたち、一人一人の仕事ぶり。
そして、その監督の仕事、采配ぶり。
何ごとにしろ、我が妻に相談、調整、それを素人にわかるように
手書き絵図を描き、それで丁寧に妻の意見を聞き、説明している。
新しい機器については、私まで呼び出されその使い方の説明会を行う。
一日仕事を終えたら、頭領やいかにも気が難しい職人さんたちが
下働きにまかせず、率先して徹底的に後片付けと掃除。
その日の仕事ででたゴミや廃材などは、その日分きちんと持ち帰る。
この話を飲み会で友人のKさんとに話したら、
彼も子供部屋を母親のためにバリヤフリーに改造してもらったことがあり、
ここまでやるのかと、感激より、驚き、カラオケ仲間に話した、という。
同感。わかる。
現に私も、Kさんに話し、ブログに書き、講演で3回も話している。
私は、仕事上、地元では名を伏せるが、
カラオケやゴルフ場で、話する人は固有名詞で話するだろう。
当社は、値引きをしない。値切られることも希有だという。
工事の途中に起きる様々な施工側の注文。
「これ、いまから直せるかな」。
「この鍵、ついでに直してくれないかな」。
といったものは、1つ返事でやってくれる。
(コストを)削るのではなく、価値を加える。
値引きではなく、お客の方に価値を付加する。
これが、「付加価値」である、と私は思う。
「私が金持ちだったら、もう一軒御社に作ってもらいたいなぁ」
最後の日、若い監督に真顔でいったら、真顔で嬉しそうな顔になった。
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