経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

経営を日常に

2010年12月15日 | Weblog
「消費者中心主義」とともに、
これもかねがねからの思い。「経営を日常性で考えること」。

私の気持ちをぶっつけていうと、難しく専門的、
次々横文字用語が流行語のように氾濫、
それを経営者が必死に追っかけをやる、といった風潮に、
強い疑問、不信感を覚えていた。

これは「日常の経営から遊離している」。
だから「経営を日常に取り戻そう」、と。

日常の中の生活をしているとき、
投資対コスト、費やした時間に対していくらの見返りが
あった、なかった、といったことを強く意識することはない。
健康な子供が健康のことや老後のことを、
強く意識することはないことと同じである。

それにもう一つ。
消費の中心は、日常生活にある。
その日常生活の中の消費者が生活するものの
生産、販売を担っているのが、製造、販売する企業である。

それらのいわば経営社会が、こんなにも日常社会から
離れたものであっていいものか。

否、良い悪いではなく、その乖離こそ、
「作ったもの、仕入れた物が売れない」理由ではないか。

経営を日常生活に取り戻そう。
経営を日常生活の方から、見てみよう。
そう考えたのである。


そうしたことで、以来、徐々に、いつの間にか、
私から生産性対コストといった意味での、
仕事の効率、時間概念、採算性という概念が失せてきた。

1つの仕事を、1時間で仕上げる、1週間掛けよう、
といった計画性はまったくうせ、誤解される表現だが、
気が向けば、いくらでも続けたい思いに駆られ、
事実そうしたことがしばしばある。

しかし現実には相手先から締め切りを指定されるから、
それが限度になるのだが。

自分はおもしろくあれば、夢中で、相手企業、経営者の
先にいる消費者なりの喜ぶ姿、顔が、
私の頭を占めてしまうのである。