泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

山中にある巨大な横穴式石室を持つ「越塚古墳」

2020年03月02日 08時57分46秒 | 歴史

奈良県桜井市粟原字越にある「越塚古墳」は、粟原川に向かって西北に伸びる尾根上にある県史跡の古墳です。桜井市の地域では「赤坂天王山古墳」(2019年6月6日、崇峻(すしゅん)天皇陵の可能性が指摘されている「赤坂天王山古墳」で紹介させていただきました。)・「ムネサカ古墳」と並ぶ巨大な横穴式石室を持つ古墳で、下り尾集落の東端に位置しています。以前紹介した、「ムネサカ古墳」とは粟原川を挟んで、反対の山中にある古墳です。

今回は、山中にある巨大な横穴式石室を持つ「越塚古墳」を紹介したいと思います。

「越塚古墳」の墳丘は、直径約40m・高さ約6mの2段築成の円墳です。石室は全長約15.4mで棺を納めた玄室は長さ約5.2m、幅約2.5m、高さ約3.8mで、奥壁や前壁を垂直に積み側壁も比較的もち送りが少なくい長方形の箱型が特徴です。玄室内には、組合式石棺の底石と側石の一部が残っています。 羨道部(通路部)は、長さ約10.2m、幅約1.7m、高さ約1.9mで、南西方向に開口部があります。正式な調査が行われていない為、出土品等は知られていませんが、石室の様式からみて6世紀末の古墳と思われます。付近で産出する花崗岩の自然石を巧みに使った石室で、堂々とした風格が漂う古墳といった感じです。石材が花崗岩の自然石に近く、また積み方等から、「赤坂天王山古墳」と同時期かやや新しい6世紀末葉頃の築造かと考えられます。粟原谷を見下す丘陵中腹部に位置しており、「粟原寺」造営(2016年12月16日、「粟原寺・白山神社・十二柱神社・宗像神社・桜井茶臼山古墳」で紹介させていただきました)に関連した人々につながる豪族たちの奥津城であろうと考えられています。

それにしても、「ムネサカ古墳」と同様に山中にこのような巨大な横穴式石室を持つ古墳がつくられたのでしょうかね~・・・

                    

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