泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

飛鳥時代のよもやま話「もうこの森」

2021年08月23日 08時43分01秒 | 歴史

奈良県明日香村には、昔から伝わる話が色々と残っています。

今回は、飛鳥時代のよもやま話「もうこの森」を紹介したいと思います。

奈良県明日香村飛鳥にある「飛鳥寺」の境内を西に抜けたところに、「入鹿の首塚」と呼ばれている五輪塔があります。

645年の「乙巳の変」(大化の改新)のとき、飛鳥板蓋宮で皇極天皇の前で中大兄皇子らに暗殺された時の権力者である蘇我入鹿の首が飛鳥寺の前まで飛んできて、襲ってきた首を供養するためにそこに埋めたともいわれる塔です。

実は明日香村には、もう一カ所入鹿の首が飛んできたとの伝承の残る場所があります。 それが明日香村上(かむら)にある「茂古森(もうこのもり)」です。 石舞台古墳から冬野川に沿って東に向かうと、細川谷の奥に上(かむら)という集落があります。 そこに「気都和既(きつわき)神社」が鎮座しており、その境内一帯が、「茂古森」(もうこの森)と呼ばれています。

どうも、入鹿が暗殺されたとき入鹿の首は、その場には落ちずにどういうわけか中臣鎌足を追いかけました。たまらずに鎌足は逃げ出しました。明日香村の上(かむら)まで逃げた時に、もうここまではもう追ってこないだろうということで、石にこしかけ休みました。境内には、鎌足が腰かけたといわれている石があります。その場所を、「もう来ぬだろう」ということで「もうこの森」と呼ばれるようになりました。

「気都和既(きつわき)神社」は観光地ではありませんが、神社の周りにはお地蔵さん等がありとても静かな落ちつた静かな神社です。

その後、鎌足を逃した入鹿の首は、飛鳥寺の前で力ついたということです。他にも、入鹿の首伝説があるようです。「乙巳の変」は、約1350年程前の飛鳥時代の出来事ですが、現代まで「入鹿の首」伝説が残っている事が不思議に思います。 飛鳥時代のよもやま話「もうこの森」でした!

                  

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飛鳥の「夏の棚田の風景・2021」

2021年08月16日 14時38分09秒 | 散歩

「日本の原風景」が色濃く残っている奈良県明日香村.。その風景のひとつとして、棚田があります。

特に、奥飛鳥と呼ばれている稲渕地区の棚田は「日本の棚田百選」にもなっています。

今回は、飛鳥の「夏の棚田の風景・2021」を紹介したいと思います。

飛鳥の魅力の一つに、歴史的な景観は勿論ですが、古代から残る豊かな自然です。棚田に映る雲や山並みは何とも言えない懐かしい景色です。

今回紹介する棚田は、稲渕地区・坂田地区・細川地区です。緑のじゅうたんの棚田の風景は、とても綺麗でした。

特に「稲渕(いなぶち)」地区は、飛鳥川流域に点在する農地・森林などの景観が「奥飛鳥の文化的景観」の名称で文化財保護法に基づく「重要文化的景観」として選定されています。また、「日本の里百選」・「美しい日本のむら景観百選」にも選定されている素敵な場所です。

私のお気に入りの場所で、週に一度は散策しています。

この地区では、毎年9月中旬に行われている「案山子祭り」・「彼岸花祭り」があります。昨年は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、残念ながら開催は中止となりました。

今年は、どうなるのでしょうか・・・

すでに稲渕の棚田には、ジャンボ案山子(高さ6m)が展示してありました。今年は、二刀流で活躍している大谷翔平さんです。どういうわけか、チーム名は、asukaでした。

一刻も早くコロナ禍が落ち着き、多くの方に「日本の原風景」が色濃く残っている飛鳥の風景を、見ていただけたらと願っています! 

                                             

 

 

 

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飛鳥の「不思議発見!(その9・10)」(最終回)

2021年08月09日 15時06分46秒 | 散歩

奈良県の飛鳥地域を散策していると、「これは一体何?」・「どうして、この様な物がここに?」というようなものを見受けられます。飛鳥の「不思議発見!」も、いよいよ最終回となりました。

今回は、飛鳥の「不思議発見!(その9・10)」(最終回)を紹介したいと思います。

〇「この石は、一体何?」      

        その9                     その10

                          

(その9)

これは、奈良県明日香村越にある「牽牛子(けんごし)塚古墳」を飾る凝灰岩切石です。切石の重さは、約20㎏で約30cmの大きさです。実物の切石やこの古墳から出土したものは、明日香村埋蔵文化財展示室で見ることができます。

この古墳は、対辺約22mの八角墳で「斉明女帝」とその娘の「間人皇女」の陵墓であると言われています。。墳丘裾部には、凝灰岩切石が敷き詰められています。この石敷の直上からは大量の凝灰岩切石が出土しており、墳丘全体が凝灰岩切石で装飾されていたようです。墳丘斜面に凝灰岩切石を施した事例としては、明日香村にある「天武・持統陵」があります。古墳に使用されている石材は、約20キロの所にある大阪の二上山の石が使われているようです。

現在「牽牛子(けんごし)塚古墳」は、5か年計画で復元整備工事が行われていて、2022年3月の完成予定です。今回の整備工事では、墳丘全体を凝灰岩切石で装飾するように行われています。切石は、二上山の凝灰岩に酷似している石(石川県小松市の滝ケ原石)が採用されています。(明日香村の広報より)

整備途中の「牽牛子(けんごし)塚古墳」の墳丘を、遠くから撮ってきましたので紹介したいと思います。完成が待ち遠しく、大変楽しみにしています!

               

(その10)

これは、奈良県明日香村野口にある「天武・持統陵」の凝灰岩切石と思われるものです。この切石は、「牽牛子(けんごし)塚古墳」の凝灰岩切石より、やや大きいように見えます。古墳の北側から見ることができます。中に入ることができませんので、望遠レンズで撮ってみました。

墳丘全体が凝灰岩切石での装飾は、母である「斉明天皇」が眠っておられる「牽牛子(けんごし)塚古墳」を参考に築造されたのでしょうか・・・

この古墳は、飛鳥時代に築造された八角形墳で5段築造、東西約38メートル、南北約45メートルです。 宮内庁は、第40代天武天皇と、その皇后である持統天皇を合葬した「檜隈大内陵(ひのくまのおおうちのみささぎ)」に治定しています。

この古墳は、鎌倉時代に盗掘にあったようです。1235年に盗掘にあったと記す『阿不幾乃山陵記』によれば、全長約7.5mの横口式石槨の中には、金銅製の棺台の上に置かれた漆塗り木棺と、金銅製の外容器に銀製の骨蔵器があったといわれ、前者が天武天皇の棺、後者が持統天皇の火葬骨を納めたものと考えられています。「天武・持統陵」は、天皇が埋葬された古墳として、治定が信頼できる数少ない古代の陵墓であるとされています。

最終回は、明日香村にある貴重な「天皇陵の切石」を紹介しました!

飛鳥時代、これらの古墳は、まるでピラミッドのようにひかり輝いていたのでしょうね・・・

5回に分けて、飛鳥の「不思議発見!」を紹介しました。今回の色々な紹介では、「明日香村の大字に伝わるはなし」がとても参考になりました。(このはなしは、明日香村文化協会発足40周年記念事業として、明日香村の39の大字に伝わるはなしを聞き取り調査されたものを収録されたものです。)

また機会を見つけて、(続)飛鳥の「不思議発見!」を紹介したいと思います!

         

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飛鳥の「真神原の夏に咲く花・2021」

2021年08月03日 09時33分50秒 | 散歩

真神原(まかみがはら)」は、飛鳥の中央部にあった原野をさす古代地名で、奈良県高市郡明日香村の飛鳥寺を中心とした一帯を指しています。

《万葉集》に、「大口の 真神の原に 降る雪は いたくな降りそ 家もあらなくに」(舎人娘子)と、うたわれています。

古代では真神原というのは、「真神」すなわちオオカミのすむような原野と意識されていたと思われます。

今は、のどかな田園地帯となっています。夏は、数はすくないですが夏の花がところ所に咲いています。

今回は、飛鳥の「真神原の夏に咲く花・2021」を紹介したいと思います。

特に飛鳥寺近くにある蓮畑の蓮の花が綺麗です。これは、鑑賞用の蓮畑ではなく蓮根を採取するために育てられている蓮畑ですが、白やピンク色の可憐な花を見ることができます。「蓮の花」は、古来より日本において短歌や俳句で夏の季語として詠まれ、涼しさを呼ぶ夏の季節の代表的な水生植物として親しまれてきました。

他には、ヒマワリや夏コスモス等を見ることができます。

飛鳥寺から飛鳥宮殿跡まで、夏の青空の下のんびりと散策するととても気持ちがいいですよ!

                                 

コメント (2)
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