泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

飛鳥時代の本格的な高床式建造物跡が発見された 「飛鳥寺西方遺跡現地説明会」

2017年02月26日 17時10分56秒 | 歴史

奈良県高市郡明日香村において、2月26日(日)の午前10時から午後3時まで、「飛鳥寺西方遺跡現地説明会」が開催されました。

この場所は、645年の「乙巳の変」の中心人物である中大兄皇子と中臣鎌足が蹴鞠をした広場「槻の木の広場(飛鳥寺西方遺跡)」としても有名な場所です。

今回は、飛鳥時代の本格的な高床式建造物跡が発見された「飛鳥寺西方遺跡現地説明会」の様子を紹介したいと思います。 

飛鳥寺西方地域は、「槻樹(つきのき)の広場」の候補地のひとつであると考えられます。「槻樹の広場」とは、大きな槻樹(いまのケヤキ)の下に大勢の人数が集まることができる広場であったと考えられています。「槻樹の広場」は、壬申の乱の時には軍営が置かれたり、辺境の人々を招いては饗宴を催したりと今でいえば多目的広場として活用されていました。このほかにも、大化の改新前夜には、中大兄皇子と中臣鎌足が蹴鞠を通して出会ったのも、この「槻樹の広場」であったと考えられています。

「飛鳥寺西方遺跡」の調査は今回で9年目の調査となりますが、今回の調査の結果、飛鳥時代の建物跡1棟と石組溝2条・石列の一部等がみつかりました。
当日は、天候が良く現地には多くの方が訪れていました。1時間おきに担当者による調査説明が行われ、この遺跡が壬申の乱や大化の改新の舞台であると聞き、興味は尽きないようでした。

「飛鳥寺西方遺跡」の調査成果については、3月18日の土曜日に午後1時から15時まで、明日香村中央公民館でおこなう「明日香村発掘調査報告会」でも報告される予定です。

来年は10年目の調査で、最後の「飛鳥寺西方遺跡」の発掘調査がおこなわれる予定だそうです。「槻樹」の跡が見つかる等、新たな発見があるかもしれませんね。楽しみです!

                                           

 

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聖徳太子建立46ヶ寺の一つという伝承を持つ 「定林寺」跡

2017年02月21日 17時57分14秒 | 歴史

奈良県明日香村大字立部(たちべ)に存在する「定林寺」跡は、法隆寺式伽藍(がらん)配置の飛鳥時代の寺院址です。

今回は、「聖徳太子」建立46ヶ寺の一つという伝承を持つ「定林寺」跡について、紹介したいと思います。

寺伝によると「聖徳太子」建立46の一寺とされていますが、その創建や沿革についてはよく解っていないようです。一説には、渡来系氏族の氏寺の「立部寺」との説もあるようです。

寺跡は、明日香小学校から100mほどの南の立部集落のはずれに位置しています。 石碑の所から奥の進むと道の途中で、右手に春日神社という小さな社があります。この神社はもともと定林寺跡に鎮座していましたが、寺址が国の史跡に指定されたため、この場所に移転をされたとのことだそうです。

1953年(昭和28)に塔址の発掘が行われ、心礎が地表下約2メートルよりみいだされた。金堂址は削平(さくへい)されて不明、講堂址は基壇の一部を残し、回廊址は塔の東および西回廊の一部が調査されました。塔心礎上方から塑造(そぞう)菩薩(ぼさつ)像の頭・足部の残片、金銅環、鉄鋲(てつびょう)、土師器(はじき)、須恵器(すえき)の破片などが出土しました。発掘調査によって塔跡・土壇・礎石などの遺構が確認されています。昭和41年国史跡に指定されました。

ところで、 「定林寺」跡に不思議な「立石」を見ることができます。飛鳥には、謎の石と呼ばれるものが多くありますが、ここの石も不思議な形をしています。

この「立石」は、高さ約1m程で頭・首・肩等の加工の痕跡があり、人面相である可能性が高いとされているようです。あらゆる角度から見ましたが、頭・首・肩等の加工の痕跡はもちろん人面相も確認できませんでした。

ところが不思議なことに、肉眼ではわからなかったのですが、カメラで撮ったものを整理していると、なんと人の形にみえる姿が写っていました。

とても、不思議でした・・・

また、「高市村史」では、伝承として「聖徳太子」が三歳までの遊び道具であったとか、「聖徳太子」の馬を繋ぐものであったとかという伝承がありますが、実態は不明です。

「定林寺」跡は、飛鳥の観光スポットではありませんが、とても不思議な「立石」等に興味をそそられる場所ですよ!

                            

 

 

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飛鳥の 「岡えびす神社祭り」

2017年02月20日 16時07分30秒 | 散歩

奈良県明日香村岡の集落に鎮座する小さな神社「岡えびす神社」において、2月19日に「岡えびす神社祭り」が行われました。

今回は、飛鳥の「岡えびす神社祭り」の様子を紹介したいと思います。

創建・由緒など不詳ですが、社務所に「高市御縣坐鴨事代主神社 岡えびす神社」と掲げられています。
祭神は、「事代主命」ですが、「恵比寿神」(現代では商売繁盛、家内安全の神様)と同神とされています。
また、福徳を授ける神とされ、農村では、稲の豊作をもたらす田の神の性格をも兼ねているようです。

地元ならではの小さな「お祭り」で、くじ引きやぜんざい等の接待もあり、なんだか「ほっこり」とするような「お祭り」でした!

                

 

 

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飛鳥の民話 「朝風(あさかじ)地蔵と耳なおし地蔵尊」

2017年02月17日 16時46分03秒 | 歴史

奈良県明日香村の奥飛鳥と呼ばれている稲渕集落から、案山子ロードを歩いていくと「朝風峠」に着きます。

昔「朝風峠」は、西側の集落の平田の人は「稲渕峠」と呼んでいましたが、稲渕の人は「平田峠」と呼んでいたようです。

峠道は、現在の道より3m程高い位置にあって、北側と南側の尾根とで交差していたようです。

尾根筋の道は、栗原集落につながっており、途中に「朝風(あさかじ)地蔵」さんがあります。

今回は、昔に「朝風地蔵」さんと平田にある「みみなし」さんが喧嘩した話を紹介したいと思います。

地元の人の話では、昔に稲渕にある「朝風地蔵」さんと平田にある「みみなし」さんが喧嘩したそうです。「朝風地蔵」さんの肩を割られ鼻も削られたらしいが、「耳なおし地蔵」さんも耳を取られているらしいので、喧嘩両成敗とも言われているとのことだそうです。

また、古老よりの言い伝えとして「耳なおし地蔵」さんは、昔は耳があったが「朝風地蔵」さんとある日喧嘩して、「朝風地蔵」さんに両耳を切られなされた。切られてみれば音や声が聞こえない。「耳なおし地蔵」は大変難儀されたが、私は「仏」であるから音や声が聞こえなくても、人間やその他万物の心の中までわかるが、もし人間や動物で耳がないのは辛くて困るだろう。人間や動物で耳の悪い者や耳の病気で困っている者を治してやらねばならないと、万物の難儀を救ってくださっているとのことです。

どのようにして「耳なおし地蔵」さんにお願いをするかというと、先にお参りされてお供えされた「錐(きり)」がお堂の端にありますので、その「錐(きり)」で自分の悪い耳にあてて、治して下さいとお願いします。お参りされて治していただいたら、新しい「錐(きり)」に奉納と書き、住所や名前・年齢を書いてお供えをするそうです。

ところで、「朝風地蔵」さんの場所を探すのに苦労しました。山の奥にあり、途中道なき道を歩いて、ようやく3回目に見つけることが出来、感激しました。

「耳なおし地蔵」さんは、近鉄飛鳥駅の近くにありますのすぐに見つけることが出来ました。

飛鳥には、他にも多くの民話が残っています。民話をもとに、飛鳥を散策するのも楽しいものですね!

                 

 

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梅の香りに包まれる「大宰府」

2017年02月14日 20時02分24秒 | 散歩

福岡県太宰府市にある「太宰府天満宮」境内の梅の花は、御神木「飛梅」が丁度見頃です。

今回は、梅の香りに包まれる「大宰府」の様子を紹介したいと思います。

境内には、約200種、約6,000本の白梅・紅梅があり、日本有数の梅の名所となっています。境内の梅の花は、5分咲きくらいでしょうか。
今年の梅の開花は、2月中旬から3月上旬にかけてが見ごろと予想されています。これからは一重、八重をはじめ豊富な種類の梅が見事に咲き、境内は芳しい梅の香りに包まれます。今日も、多くの観光客の方が参拝されていました。

また、近くの「九州国立博物館」では、特別展「宗像・沖ノ島と大和朝廷」展があっており見てきました。九州・大和・韓国の古代からの関わりがとてもわかりやすく展示されていました。

梅の香りに包まれる、この時期の「大宰府」は、とても素敵ですよ!

                                       

 

 

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