奈良県の飛鳥地域を散策していると、「これは一体何?」・「どうして、この様な物がここに?」というようなものを見受けられます。前回は、明日香村にあるユニークな「道標」を紹介しました。
今回は、飛鳥の「不思議発見!(その5・6)」(3)を紹介したいと思います。
〇「これは、一体何?」
その5 その6
(その5)
「この大きな石は何?」
これは、奈良県橿原市白橿町にある「益田岩船(ますだのいわふね)」という石造物です。奈良県の飛鳥地域には、数々の謎の石造物が点在しています。なかでも、明日香村にほど近い橿原市の山中にある益田岩船は、その巨大さや奇妙な造型性などから、古代の石造物のなかでももっとも謎めいた存在であるといえます。
岩船山頂上付近の斜面にある益田岩船は、東西約11メートル、南北約8メートル、高さ約4.7メートル(北側)の台形状の硬質の花崗岩で、東西の側面はほぼ垂直に切り立っています。上部から側面にかけて、幅1.6メートルの溝が東西に掘られています。この溝に1辺1.6メートル深さ1.3メートルの方形の穴が、1.4メートルの間隔を開けて二つくり抜かれています。岩の重さは、約800tなど諸説あります。岩は、最初から今の場所にあったと考えられています。また、下部には深さ10センチほどの格子状の溝が彫られていますが、これは表面を平らにするための加工法が途中までされたものと考えられています。
「益田岩船は、いったいどのような目的にもとに造られたのでしょうか?」
現在有力視されている説は、南東500mほどの場所にある「牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん)」は、岩船の穴の形状がこれと似ているため、同じように古墳として造られたのではないかと言われています。完成時には、現在の北壁面を下に横転させ古墳石室とする予定でしたが、建造途中でひび割れが判明し放棄したのではないかとの説等があります。ロマン溢れる、古代の石造物ですね!
(その6)
「丘に咲く春の花々がある所は?」
これは、明日香村平田にある「アントクの丘」と呼ばれている円丘です。奈良県遺跡地図によると、古墳とされています。「アントクの丘」の南北には、壁画古墳として有名な高松塚古墳やキトラ古墳があります。
「アントクの丘」は、藤原京の中軸線を南に延長した所にあります。この線上には、菖蒲池古墳・天武持統陵・中尾山古墳・文武天皇陵・キトラ古墳があり、ここ「アントクの丘」もその線上に沿っています。この古墳の被葬者は、高貴なお方でひょうとしたら第3の壁画古墳がここに眠っているかもしれませんね・・・
冬場に行った時は、古墳かなと思うような風景でしたが、春に再度行った時は、春の花々が咲き花丘の景色でした。季節によって見え方が違う、ロマンいっぱいの「アントクの丘」ですね!
今回は、ロマン溢れる「古代の不思議なもの」を紹介しました!