泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

飛鳥の「不思議発見!(その5・6)」(3)

2021年06月26日 20時39分48秒 | 散歩

奈良県の飛鳥地域を散策していると、「これは一体何?」・「どうして、この様な物がここに?」というようなものを見受けられます。前回は、明日香村にあるユニークな「道標」を紹介しました。

今回は、飛鳥の「不思議発見!(その5・6)」(3)を紹介したいと思います。

〇「これは、一体何?」      

          その5                     その6

           

(その5)

「この大きな石は何?」

これは、奈良県橿原市白橿町にある「益田岩船(ますだのいわふね)」という石造物です。奈良県の飛鳥地域には、数々の謎の石造物が点在しています。なかでも、明日香村にほど近い橿原市の山中にある益田岩船は、その巨大さや奇妙な造型性などから、古代の石造物のなかでももっとも謎めいた存在であるといえます。

岩船山頂上付近の斜面にある益田岩船は、東西約11メートル、南北約8メートル、高さ約4.7メートル(北側)の台形状の硬質の花崗岩で、東西の側面はほぼ垂直に切り立っています。上部から側面にかけて、幅1.6メートルの溝が東西に掘られています。この溝に1辺1.6メートル深さ1.3メートルの方形の穴が、1.4メートルの間隔を開けて二つくり抜かれています。岩の重さは、約800tなど諸説あります。岩は、最初から今の場所にあったと考えられています。また、下部には深さ10センチほどの格子状の溝が彫られていますが、これは表面を平らにするための加工法が途中までされたものと考えられています。

「益田岩船は、いったいどのような目的にもとに造られたのでしょうか?」

現在有力視されている説は、南東500mほどの場所にある「牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん)」は、岩船の穴の形状がこれと似ているため、同じように古墳として造られたのではないかと言われています。完成時には、現在の北壁面を下に横転させ古墳石室とする予定でしたが、建造途中でひび割れが判明し放棄したのではないかとの説等があります。ロマン溢れる、古代の石造物ですね!

     

(その6)

「丘に咲く春の花々がある所は?」

これは、明日香村平田にある「アントクの丘」と呼ばれている円丘です。奈良県遺跡地図によると、古墳とされています。「アントクの丘」の南北には、壁画古墳として有名な高松塚古墳やキトラ古墳があります。

「アントクの丘」は、藤原京中軸線を南に延長した所にあります。この線上には、菖蒲池古墳・天武持統陵・中尾山古墳・文武天皇陵・キトラ古墳があり、ここ「アントクの丘」もその線上に沿っています。この古墳の被葬者は、高貴なお方でひょうとしたら第3の壁画古墳がここに眠っているかもしれませんね・・・

冬場に行った時は、古墳かなと思うような風景でしたが、春に再度行った時は、春の花々が咲き花丘の景色でした。季節によって見え方が違う、ロマンいっぱいの「アントクの丘」ですね!

今回は、ロマン溢れる「古代の不思議なもの」を紹介しました!

     


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飛鳥の「不思議発見!(その3・4)」(2)

2021年06月22日 21時45分53秒 | 散歩

奈良県の飛鳥地域を散策していると、「これは一体何?」・「どうして、この様な物がここに?」というようなものが見受けられます。前回は、「厩戸皇子(聖徳太子)」に関わる石造物を紹介しました。

今回は、飛鳥の「不思議発見!(その3・4)」(2)を紹介したいと思います。

〇「これは、一体何?」      

          その3                        その4

                                        

(その3)

「この仏像の下に何かが?」

これは、明日香村大字越にある「常夜灯型道標」です。1858年、服部甚兵衛建立とあります。この石碑は、文字が深く切れの良さや笠石に入れた四面に彫られた仏像の彫りの深さ等から「丹波佐吉」の作であると言われています。どうして、越の集落のなかにあるかというと、越は飛鳥の都への通り道であり「越峠」といわれている所にありました。江戸時代には、金剛山の方から岡寺・伊勢方面への街道となった所で、集落の中程にこのような立派な道標が建てられたようです。「明日香村の大字に伝わるはなし」より

近鉄飛鳥駅から徒歩約5分位の所にあり、すぐ近くに飛鳥時代の古墳である「岩屋山古墳」があります。村内には、数多くの道標がありますが、このような見応えのある道標は、一見の価値があると思います。

        

(その4)

「草むらの中に何かが?」

これは、明日香村大字小原にある「地蔵型道標」で地元では「紋ヶ鼻のお地蔵さん」と呼ばれています。藤原鎌足の誕生地とされる所にある「大原神社」の近くの道路の約2メートル下の北西の斜面にあります。現在の道路側からは、まったく見えない所にあります。この「紋ヶ鼻のお地蔵さん」がある場所は、かって明日香村の小原から東山・八釣への通りは初瀬(長谷寺)から岡寺への巡礼道にあたり、道しるべとしての「地蔵型道標」です。よく見ると、石仏の両手が方向を指しています。(左手おか寺・右手はせ寺)

「明日香村の大字に伝わるはなし」より

村内には多くの道標がありますが、この「紋ヶ鼻のお地蔵さん」は見つけることがとても難しい道標でした。見つけることができた時は、とても嬉しかったです。見つけた時は、道しるべの道標というよは、柔和なお姿の仏様の姿につい手を合わせました。個人的には、村内一番の「地蔵型道標」だと思います。

今回は、村内にあるユニークな「道標」の紹介をさせていただきました。

      

 

 

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飛鳥の「不思議発見!(その1・2)」(1)

2021年06月16日 15時07分21秒 | 散歩

奈良県の飛鳥地域を散策していると、「これは一体何?」・「どうして、この様な物がここに?」というようなものが見受けられます。とても不思議に思い、そのいくつかを数回に分けて紹介したいと思います。

今回は、飛鳥の「不思議発見!(その1・2)」(1)を紹介したいと思います。

〇「この石は、一体何?」      

         その1                   その2

                 

(その1)

「このお地蔵さんの、右下をよくご覧ください!」

お地蔵さんの右下をよく見ると、小さな馬が彫ってあります。どうして、お地蔵さんに馬が彫ってあるのでしょうか?

このお地蔵さんは、奈良県明日香村橘にある「橘寺」の裏の仏頭山の入り口にあります。「橘寺」は、寺伝によると飛鳥時代に推古天皇の命により厩戸皇子(聖徳太子)が創建された寺院であり、生誕の地でもあると伝えられています。

明日香村大字橘に伝わる昔話によると、厩戸皇子(聖徳太子)がわずか6~7歳のころ、「黒の駒」(地元では黒駒ではなく黒の駒と呼んでいます)を彫ったと伝えられています。厩戸皇子(聖徳太子)は、推古天皇の頃、甲斐の国からの「黒の駒」が献上されて愛馬として大切にされていました。後に、飛鳥と斑鳩を「黒の駒」に乗って通われました。この馬を後世に永く伝えるために残されたのが、仏頭山入り口にある「黒の駒」であると言われています。仏像と一緒に彫られていて、現在は地元では災難や厄除けのお守りとして大切にされているそうです。(「明日香村の大字に伝わるはなし」より)

       

(その2)

「この石、自然の物ではなく、なんとなく加工されたようにも見えませんか?」

この石造物は、奈良県明日香村立部にある「定林寺」跡にあります。「定林寺」は寺伝によると、厩戸皇子(聖徳太子)建立の四十六ヶ寺(または七ヶ寺)の一つとされています。発掘調査によると、飛鳥時代の創建で塔跡をはじめ基壇、礎石等の遺構が残ります。現在は、国の史跡として保存されています。

明日香村大字立部に伝わる昔話によると、この石は地元では「乳母石(うばいし)」と呼ばれています。

厩戸皇子(聖徳太子)が、3歳の頃まで戯れた遊び道具と言われています。また、厩戸皇子(聖徳太子)がこの寺で仏法を広められた時に、愛馬の「黒の駒」を繋いだ石とも言われています。(「明日香村の大字に伝わるはなし」より)

「明日香村の大字に伝わるはなし」は、明日香村文化協会発足40周年記念事業として、明日香村の39の大字に伝わるはなしを聞き取り調査されたものを収録されたものです。

今回の、飛鳥の「不思議発見!」は、二つの石造物に関係した地元に伝わる厩戸皇子(聖徳太子)のはなしとして、紹介させていただきました!

      

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飛鳥 「初夏の彩・2021」

2021年06月13日 21時44分20秒 | 散歩

奈良県明日香村も、今あちらこちらで田植えが行われています。

この時期は、初夏の彩として色々な花々が見受けられます。特に、水田の傍に咲く紫陽花がとても綺麗です。

今回は、飛鳥「初夏の彩・2021」を紹介したいと思います。

初夏の飛鳥は、田んぼに水がはった棚田の景色は、この時期しか見れない風景です。

特に、奥飛鳥と呼ばれている稲渕の棚田や細川谷の棚田の景色が大好きです。

飛鳥の田園風景を見ながらの散策は、何か懐かしく感じられ散策していると、とても心が落ち着きます。

また、この時期に咲く紫陽花がとても綺麗です。特に、田んぼの傍に咲く紫陽花の景色は何とも言えない懐かしい風景です。まさに、日本の原風景です。

明日香村では特に、紫陽花の名所はありませんが「県立万葉文化館」の北側にある紫陽花がとても綺麗です。また、この時期になると夕焼けが一段と綺麗です!

 

                         

 

 

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大和からの花便り「アジサイ寺・久米寺」

2021年06月10日 21時08分10秒 | 散歩

奈良県明日香村から車で約10分位の所にある、橿原市久米町の「久米寺」が大和地域では「アジサイ寺」として知られています。

今回は、大和からの花便り「アジサイ寺・久米寺」を紹介したいと思います。

「久米寺」は、推古天皇の勅願により「聖徳太子」の弟にあたる「来目皇子」が眼病全快を感謝して建立したと伝わります。また一方では、飛行中に娘に見とれて墜落した「久米仙人」によって創建されたという伝説もあるようです。 本尊薬師如来は、眼病に効くとされています。京都仁和寺から移築された多宝塔(重要文化財)は、桃山様式を残しています。かつては大寺院だったということが、残された大きな礎石や瓦からも伺い知ることができます。

本堂の西側には広々とした「アジサイ園」があり、約40種・約3,500株が植えられています。

特に、「多宝塔」に映えるアジサイが、とても綺麗でした!

                   

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