奈良県にある「飛鳥・藤原の宮都」が、2024年9月9日(月曜日)に、国の文化審議会世界文化遺産部会において、世界文化遺産への国内推薦候補として選定されました。
今後、政府は9月末までに暫定版の推薦書をユネスコに提出し、ユネスコの諮問機関による事前審査を経て、早ければ2年後の2026年に世界遺産委員会で登録されるかどうかが決まります。
選定理由について、東アジアの古代国家形成期において、中央集権体制が誕生し成立した過程について、宮都の変遷から示すことができる唯一無二の資産だとして、顕著な普遍的な価値が認められるとしています。
「飛鳥・藤原の宮都」は、奈良県明日香村と橿原市、桜井市の6世紀末から8世紀初めにかけての飛鳥時代の文化財からなります。
明日香村の飛鳥宮跡や、極彩色の壁画が見つかった高松塚古墳や橿原市の藤原宮跡など22の文化財が構成資産として盛り込まれています。
今回は、桜井市(山田寺)・橿原市(菖蒲池古墳)にある構成資産を紹介したいと思います。
明日香村の飛鳥宮跡や、極彩色の壁画が見つかった高松塚古墳や橿原市の藤原宮跡など22の文化財が構成資産として盛り込まれています。
今回は、桜井市(山田寺)・橿原市(菖蒲池古墳)にある構成資産を紹介したいと思います。
〇山田寺(桜井市山田 )
641年、有力氏族である蘇我倉山田石川麻呂の発願による寺院です。
金堂、回廊の建立後、石川麻呂の失脚により造営は一時中断しますが、673年頃に再開され、塔や金堂が完成しました。
1982年には、倒壊した東面回廊がそのままの姿で発掘され、当時の建築様式を知る上で重要な資料となっています。
金堂、回廊の建立後、石川麻呂の失脚により造営は一時中断しますが、673年頃に再開され、塔や金堂が完成しました。
1982年には、倒壊した東面回廊がそのままの姿で発掘され、当時の建築様式を知る上で重要な資料となっています。
飛鳥資料館において、東面回廊や 出土遺物を見ることができます。
〇菖蒲池古墳(橿原市菖蒲町)
橿原市の南東部、明日香村との境界線付近に位置しています。横穴式石室を埋葬施設としており、石室部分が国の史跡に指定されています。
墳丘の形状は一辺約30メートル、二段築盛の方墳です。
墳丘の形状は一辺約30メートル、二段築盛の方墳です。
玄室内には2基の家形石棺が、石室主軸にあわせて縦一列に安置されています。2基の石棺は屋根部分の形状が極めて特徴的で、いずれも天井部分が棟飾り風に仕上げられています。石棺の内側には漆が塗られています。このような石棺は他に例がありません。
玄室内は柵越しではありますが、現地で見ることが可能です。