泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

飛鳥の「稲渕」散策

2014年08月28日 20時26分54秒 | 散歩

明日香村の稲渕集落の入り口には、「男綱」と呼ばれる勧請縄が川の上に張られています。これは、五穀豊穣の願いや、疫病などの侵入を防ぐとされています。

「男綱」の南約100mには万葉集にも詠われた、飛び石の形をした「石橋」が2か所復元されています。

稲渕集落の中を歩いて行くと、「竜福寺」があり、境内には「竹野王石塔」と呼ばれる、凝灰岩製の塔があります。風化か激しく判読が難しいのですが、奈良時代(751年)に竹野王が建立したことが記されています。

また、「竜福寺」の南約300mの明神塚には、「南渕請安」の墓があります。1662年建立の「南渕先生之墓」石碑を見ることができます。「南渕請安」は遣隋使とともに学問僧として隋に渡り、帰国後は、「乙巳の変(大化の改新)」の中心人物である、中大兄皇子や中臣鎌足に影響を与えた先生でもあります。

稲渕といいますと、歴史はもちろんのことですが、「棚田」がとても素晴らしい所です。秋には彼岸花が咲き、色々な「案山子」を見ることができます。

今年のテーマは、「童謡」だそうです。すでに、大きな「金太郎」の案山子が飾ってありました。

今回は、青い空と雲に映える「棚田」と、集落にある歴史的な跡を撮ってきました。

「奥飛鳥」と呼ばれるように、風景や家屋がとても懐かしく感じられ、「日本の心の故郷」と呼ばれる、素敵なところです!

                             

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本薬師寺跡の「ホテイアオイ」

2014年08月25日 20時53分46秒 | 散歩

奈良県橿原市にある、本薬師寺跡(国特別史跡)周辺の水田に、約14,000株の「ホテイアオイ」が植えつけられ、今咲き始めたところです。

このお寺は、680年に天武天皇が皇后(のちの持統天皇)の病気治療のために発願したことに始まります。天武天皇亡き後、造営は持統・文武天王の代も続き、698年に完成したといわれています。710年には、都が平城京に移り、このお寺も移りました。平城京の「薬師寺」に対して、こちらを「本薬師寺」とよんでいます。

「本薬師寺」跡には、金堂・東塔・西塔の基壇と立派な礎石が残されており、現在、国の特別史跡に指定されています。

今回は、地元の小学生等によって植えられた「ホテイアオイ」を撮ってきました。

スミレ色の花の「ホテイアオイ」は、大和三山の畝傍山や香久山の景観に溶け込んでいました。周辺の家屋も風情があり、のんびりと散策することができました!

                            

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

飛鳥の「細川」散策

2014年08月21日 15時35分19秒 | 散歩

飛鳥時代の権力者である、蘇我馬子の桃原(ももはら)墓と言われている「石舞台古墳」(特別史跡)の、南東約400メートルの冬野川の対岸に、今、話題の「都塚」古墳があります。細川の集落の入り口に位置します。

細川の集落は、山と山との谷間にある集落で、その中に冬野川が流れています。

ここには、「細川谷古墳群」があります。この古墳群は、6世紀後半から7世紀前半にかけて築造された約200基の円墳からなる群集墳で、詳細な調査は行われていないようです。蘇我氏一族の古墳群ではないかと言われています。「都塚」古墳もそのひとつで、蘇我稲目の墓ではないかと言われています。

今回は、棚田が見事な谷間にある「細川」の集落を撮ってきました。

「細川」の集落には、「乙巳(いっし)の変」で蘇我入鹿の首が中臣鎌足を追ってきて、鎌足がもうここには来ないだろうと言った場所(もうこの森)や、鎌足が座ったとされる謎の石があったりします。また、みごとな棚田があり、特に5月に田に水を入れた時の夕焼けの風景は、古代にタイムスリップしたような感覚に陥る素晴らしい景色です!

                         

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

飛鳥の「都塚(みやこづか)古墳」

2014年08月16日 17時29分42秒 | 歴史

奈良県明日香村の「都塚古墳」(6世紀後半)が、石を階段状に積み上げた国内では類例のない大型方墳とみられることがわかり、8月16日現地説明会が行われました。「都塚古墳」は、蘇我馬子の墓と言われている「石舞台古墳」の南東約400メートルに位置し、1967年の関西大の調査で方墳か円墳の可能性があると指摘されていたようです。横穴式石室(全長約12メートル)に凝灰岩をくりぬいた家形石棺が納められています。すでに、盗掘されていたようです。石棺内には人骨は確認されていませんが、木棺も安置されていた痕跡がみつかったようです。副葬品には、土師器(はじき)や須恵器(すえき)、鉄鏃(てつぞく)などの鉄製品があったようです。

今回の調査では、墳丘部から拳大から人頭大の川原石を積み上げた階段状遺構が出土し、東西約41メートル、南北約42メートルの方墳と判明しました。2段目以上は、高さ30~60センチ、幅約1メートルの平坦部を計5段以上、階段状に石と土を盛り重ねた構造(高さ4、5メートル以上)とみられています。ピラミッドのような特異な構造や天皇陵にも迫る規模から、多くの渡来人を配下に置き、天皇の外戚(がいせき)となって台頭した当時の権力者、蘇我稲目ら、蘇我一族の有力者の墓との見方が出ています。

今回は、細川谷の入り口にあたる明日香村の「都塚古墳」を撮ってきました。

石室にある、家形石棺のふたの内側には、かすかに朱色が施されているのが見ることができました。

それにしても、「飛鳥」は「古代の中心地」であることを、実感できる素敵な場所ですね!

                  

 

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本古代史最大の謎「邪馬台国と卑弥呼」

2014年08月12日 17時29分54秒 | 歴史

日本古代史最大の謎である「邪馬台国」と、その国の女王「卑弥呼」!

江戸時代から続く日本史最大のミステリー「邪馬台国」論争。距離にこだわった「九州説」と、方角にこだわった「畿内説」。

2世紀後半から3世紀後半くらいまでの間で、「邪馬台国」を治めたとされる女王「卑弥呼」、その正体とは?

とても、興味をそそられるテーマです。

今回は、先ほどテレビで放映された歴史秘話とヒストリア「女王卑弥呼はどこからから来た」の舞台である、福岡県糸島市にある「平原遺跡」と、「邪馬台国」の有力候補として有名な「纏向(まきむく)遺跡」を撮ってきました。

 

〇「伊都国」(平原遺跡等)・・・福岡県糸島市

古代国家「伊都国」。それは、「魏志倭人伝」に「代々王あり」と記述され、強力な力を持っていたと言われています。

現在の福岡県糸島市と考えられ、多くの遺跡が今に残されています。「伊都国」の王墓と考えられる1号墓を中心とした墳墓遺跡は、1965年に発見されました。副葬品は銅鏡40枚、鉄刀1本、ガラス製勾玉やメノウ製管玉などの玉類が多数出土しました。特に銅鏡は、直径46.5センチの内行花文鏡(日本製)が5枚あり、日本最大の物です。

そして、注目すべき副葬品としては、武器はほとんどなく、ネックレスやブレスレットなどのアクセサリーが多いことから、この墓に葬られた人物は女性、すなわち「女王」ではないかと考えられています。しかも、あの「卑弥呼」と関係ある人物ではないかと言うのです。近くにある「伊都国歴史博物館」で、ボランティアガイドの方に詳しく説明していただき、大変興味を持ちました。「平原遺跡」周辺には、多くの古墳や、九州西北部に多く分布する「支石墓」などを見ることができました。

             

〇「纏向(まきむく)遺跡」・・・奈良県桜井市

奈良県桜井市にある「纏向遺跡」は、弥生時代末期から古墳時代前期にかけての大集落遺跡です。「邪馬台国」の有力候補地とされている所です。この遺跡の中に、3世紀最大の前方後円墳である「箸(はし)墓」があります。全長約280メートル、高さ約29メートル、後円部の直径は約155メートルある大変優美な形をした古墳です。この古墳が建造されたのは3世紀半ばとされており、「卑弥呼」がいた時期と重なります。「卑弥呼」の墓は、「魏志倭人伝」のなかでは、「径百余歩」と記されています。

大変興味深いのは、当時の「魏(ぎ)」の国の1歩は約4尺7寸7分とされ、現在のメートルに換算すると約150メートルとなります。箸墓の後円部の直径は、約155メートルです。

はたして、ここに眠るのは「邪馬台国」の女王「卑弥呼」なのでしょうか。

「纏向遺跡」には、多くの古墳があります。遺跡から発掘された遺物は、近くにある「桜井市立埋蔵文化財センター」で見ることができます。

それにしても、現地に行き実物を目にすると、歴史がいっそう興味深く感じられます! 

             

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする