泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

明日香村を代表する古墳「石舞台古墳」(前)

2022年03月23日 09時24分36秒 | 歴史
奈良県明日香村島庄にある「石舞台古墳」(国の特別史跡)は、日本最大級の横穴式石室を持つ古墳です。 また、明日香村観光の人気スポットでもあります。2回に分けて、紹介したいと思います。
今回は、明日香村を代表する古墳「石舞台古墳」(前)です。
〇古墳名は、石の上で狐が躍ったとの伝承や、江戸時代には「石太屋」と呼ばれておりそれが転訛して「石舞台」と呼ばれているのではないかとも言われています。
封土(盛土)の上部が剥がされているため、2段積の方墳とも上円下方墳とも推測されています。(ブログでは、2段積の方墳のイメージで紹介しています)
築造は、7世紀初め頃と推定されています。墳丘は1辺約50mの方墳で、墳丘の周りに幅5.9~8.4メートルの空堀がめぐり、幅約7メートルの外堤が設けられています。外堤を復元すれば一辺約80メートルです。
埋葬施設は両袖式の横穴式石室で、西南方向に開口しています。花崗岩で作られた石組みです。玄室は、長さ約7.7メートル、幅約3.5メートル、高さ約4.7メートル、羨道は長さ約11、7メートル、幅2.6メートル高さ2.4メートルの規模を有し、全長約19.4メートルです
     

石室は、約30の石が積まれその総重量は2,300トンに達すると推定されています古墳最大の巨岩である天井石は、南側が約77t、北側約64tもあるといわれています。石は、古墳から約3キロメートルの多武峰のふもとから運ばれたようです。石切り場が、現在でも残っており見ることができます。
     
 

〇石室内部には排水溝が設けられており左右の溝幅約30cm・深さ約20cm・奥幅約45cm・深さ約20cmとなっています。更に、羨道中央に設けられた幅約60cm・深さ約20cmの排水溝へ流れ、最終的には堀へ流れる仕組みとなっています。
次回は、「石舞台古墳」後編と「島庄遺跡」について紹介したいと思います。
  

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雲海のように梅花がほころぶ「賀名生(あのう)梅林・2022」

2022年03月20日 20時03分30秒 | 散歩
奈良県五條市西吉野町にある「賀名生(あのう)梅林」は、ここ数日の暖かさでいっきに梅花が開き丁度見頃でした。(2022年3月16日)
今回は、雲海のように梅花がほころぶ「賀名生(あのう)梅林・2022」について紹介したいと思います。
明日香村から車で約1時間程にある「賀名生(あのう)梅林」は、毎年訪れています。今年も、純白や淡い紅色の2万本もの梅花が咲き、雲海のような幻想的な風景が広がっていました。
「賀名生(あのう)」という地名は、南朝時代に付いた由緒あるものです。
この場所は、1348年「後村上天皇」が吉野より難を逃れ、ここにお入りになられました。さらにこの邸宅は、「後亀山天皇」の皇居と伝えられているようです。今なお当時の面影をとどめる屋敷は、全国でも最古に属する民家で重要文化財に指定されています。
雲海のように梅花がほころび、ほのかな香りが山々を伝うように漂ってくる「賀名生(あのう)梅林」は、まるで「桃源郷」のようでした!
          
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飛鳥地域の「河津桜景色・2022」

2022年03月16日 18時16分14秒 | 散歩
奈良県の飛鳥地域にも、ようやく春の訪れが感じられるこの頃です。
飛鳥地域には、あまり「河津桜」は見かけませんが数か所で見ることができます。
今回は、飛鳥地域の「河津桜景色・2022」を紹介したいと思います。
〇明日香村で「河津桜」を見ることができる場所は、立部という所です。丘陵上に「河津桜」が植えてあります。とても景色が良いところで、遠くに畝傍山・二上山や葛城山が見えます。また、ここから復元された「斉明天皇」の陵とされる「牽牛子塚(けんごしづか)古墳」(国史跡)も見えます。
      
〇二ヶ所目は、祝戸地区にある数本の「河津桜」です。周りには、菜の花が植えてありとても綺麗でした。地元の方が、いつも手入れしてあります。
    
〇三ヶ所目は、明日香村のお隣の橿原市の飛鳥川沿いです。丁度、満開で多くの方が花見に来られていました。ここ数日の暖かさで、今年はいっきに咲き、今ちょうど見頃となっています!
      

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飛鳥に「梅花の香り・2022」

2022年03月10日 17時40分47秒 | 散歩
私が住む奈良県明日香村にも少しずつですが、春の訪れが感じられるようになってきました。
今回は、飛鳥に「梅花の香り・2022」を紹介したいと思います。
朝方は、霜がおりて寒いのですがお昼頃には暖かくなり、冬枯れの景色から少しずつですが春の花々が見られ、春の訪れを感じられるようになりました。散策していると、あちらこちらから梅の花の香りが漂ってきます。
飛鳥にも、ようやく春がやってきたようです!
              
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甦った八角墳「牽牛子塚(けんごしづか)古墳」

2022年03月05日 20時21分52秒 | 歴史
奈良県明日香村越にある、斉明天皇の陵とされる「牽牛子塚(けんごしづか)古墳」(国史跡)の復元整備が終わり、3月6日より一般に公開されます。
3月5日には、オープニングセレモニー終了後、村民対象に公開されました。完成を楽しみにしていましたので、早速見学に行ってきました。古代衣装を身につけられた村長さん自ら、説明していただきました。
今回は、甦った八角墳「牽牛子塚(けんごしづか)古墳」を紹介します。
「牽牛子塚古墳」は、近鉄飛鳥駅から西に800メートルほど離れた丘の上にある7世紀後半の古墳(対辺長約22メートル、高さ約5メートル)です。飛鳥時代の大王墓に採用されている八角墳です。石室内には二つの墓室が設けられています。斉明天皇と娘の間人皇女(はしひとのひめみこ)が合葬された陵の可能性が高いとされています。また、「牽牛子塚古墳」すぐ脇には、「大田皇女(おおたの ひめみこ)」が葬られていると考えられている「越塚御門古墳」が設けられています。
日本書紀には、667年に「斉明天皇と間人皇女を合葬した陵の前に、大田皇女を埋葬した」という記述があります。
整備を終えた墳丘には、約2500枚の凝灰岩(石川県小松市の滝ケ原石の切り石)を張り巡らせてあります。3段構成の八角墳であることもはっきりと分かります。
古墳は、県などが世界遺産登録をめざす「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成資産の一つです。その価値を伝えようと、発掘調査の成果に基づいて、2018年1月から整備工事を進めていました。ようやく、2022年3月に完成しました。発掘調査等に基づいて、忠実に築造当時の姿が再現されました。
約1400年前の八角形の古墳(八角墳)の築造当時の姿が、甦りました!
石室も間近で見ることができます。大王墓クラスの大型八角墳の完全復元は、全国初です。
ところで、飛鳥観光協会ではボランティアガイドによる史跡「牽牛子塚古墳」・「越塚御門古墳」前で案内(無料)があります。3月中の土・日・祝の午前9時~16時30分の間です。また、4月・5月中の平日には近鉄飛鳥駅前にある「飛鳥びとの館」発のガイドツアー(有料)も計画されています。
コースは、「飛鳥びとの館」発ー岩屋山古墳ー牽牛子塚古墳・越塚御門古墳ー「飛鳥びとの館」着で、約1時間40分のツアーです。
このツアーは、有料(500円)で事前申し込み制になっています。詳しいことは、飛鳥観光協会に問い合わせされて下さい。
これから、史跡「牽牛子塚古墳」・「越塚御門古墳」は、石舞台古墳・高松塚・キトラ古墳等と共に、明日香村の観光スポットとして、多くの方に見ていただけたらと思っています!
                   






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