奈良県桜井市にある鳥見山周辺の古墳を、久しぶりに探訪してきました。「鳥見山」は、奈良県桜井市外山(とび)にある山(標高245メートル)です
「鳥見山周辺の古墳探訪」を、数回に分けて紹介したいと思います。
前回は、「秋殿南古墳」と「舞谷2号墓」でした。
今回は、「鳥見山」の西側にある「艸墓古墳(くさはかこふん )」を紹介したいと思います。
桜井市谷の住宅街の中にある「艸墓古墳」は、住宅地の中にあり安陪文殊院のすぐ近くにあります。
墳形は、方墳(南北28m、東西22m、高さ8m)で東南に開口しています。
埋葬施設は、花崗岩を用いた両袖式横穴式(全長13.2m)で、玄室部は長さ4.4m、幅2.7m、高さ2m。羨道部は長さ8.8m、玄門幅1.9m、高さ約1.5mで、玄室の側壁と天井石の間隙に漆喰が残っています。石棺は、竜山石製の刳抜式家型石棺で6個の縄掛突起を持っています。出土遺物は不明ですが、築造時期は石室や石棺の様式から7世紀前半と思われます。石棺に対して石室が小さいことから、石棺を据えたのち石室および墳丘が構築されたと推測されます。 周辺の遺跡では、大型建物跡も検出されており古代氏族の阿倍氏との関係性が指摘されています。
それにしても、住宅地の中にありこれだけ立派な石棺が見られる古墳は、大変貴重だと思いました!