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ISLAND日記

点在する日々のつぶやき…

リアルクローズ

2013-02-06 16:50:57 | 
槇村さとるの漫画作品「Real Clothes(リアルクローズ)」集英社クィーンズコミックス 全13巻
タイトル「リアルクローズ」の意味は「現実性のある服=高級ではなく庶民に手が届き着回しがきく服のこと」だけど、話しの内容は『百貨店の婦人服売り場に勤める女性が仕事とそれに関わる人間関係を通して外見も内面も成長していく』というもの。
※ストーリーについての詳細は→ こちら

単純に面白く楽しめる漫画なんだけど、今回取り上げたのはその中に出てきた言葉を書き留めておきたかったから。
主人公がイベントTシャツに印刷する「ワード(言葉)」を探していた所、上司が提示した 西洋占星術における12星座(サイン)のキーワードに行き着く。

牡羊座 I am <私は存在する>
牡牛座 I have <私は持っている>
双子座 I think <私は考える>
蟹座  I feel <私は感じる>
獅子座 I express <私は表現する>
乙女座 I analyze <私は分析する>
天秤座 I weigh <私は量る>
蠍座  I desire <私は求める>
射手座 I explore <私は探検する>
山羊座 I use <私は使う>
水瓶座 I know <私は知っている>
魚座  I believe <私は信じる>


ネットで調べたら使われている単語はいくつか違うバージョン(例えば天秤座は<barance>)があるようだけど、いずれもホロスコープを説明する際に使われるものだそう。
「リアルクローズ」では『12星座を人の一生になぞらえていて、その星が持つ宿命は同じでも個人の運の使いようで分かれていく..』と紹介されていました。
人は生まれ、何かを手に入れ、それによって考え、感じ、自分を表現し、起こっていることを分析しながら、自分と周りとの重さのバランスを量り・・という風に意味付けていくと面白い。

占いや血液型の性格判断はあまり信じないというか当たってるとは思えないことが多いのだけど、大まかな部分でなんとなく(性格的に)そんな傾向がなきにしもあらず?と感じることがあるのは何故だろう?


●にょろり?
今年の冬は気温の変動が激しくてものすごく寒いかと思えば急にプラス気温になって雨が降ったりと”らしくない”気候になってます。
着雪にもあれっと思うものが見られたり・・これは少し前の写真なのですが。

そういえば今年は巳年だっけ、と思いました。。
柵に巻き付くにょろにょろ..
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キンダーブック

2013-01-23 16:00:35 | 
古い本が詰まったダンボール箱を整理していたら1番下にこれが入っていました。
「キンダーブック」
持ってきていたことをすっかり忘れていました・・良く残っていたものです。
あと「ジャングルブック」の巻のもあったはずで、これも好きで何度も読んだ記憶があるので無くて残念。

トップ写真の左上から時計回りに「むかしのおはなし」「うりこひめ」「おやゆびひめ」「なんきょくかんさつ」
(「うりこひめ」は同じ棟のお姉さんに譲って頂いた本です)

この「キンダーブック」は横浜戸塚区(現 栄区)の幼稚園に通っていた時に毎月園で貰っていました。
今は「保育絵本」というのかな?表紙の左上に《観察絵本》とあります。
発行は「フレーベル館」、」なんと現在まで続く保育絵本の老舗だそうです。
「キンダーブック」の創刊は昭和2(1927)年、それから現在まで中途休刊はあれど、今年で86年目になるんですね。すごい!

《観察絵本》とつけられた理由はこちら↓のサイトに詳しく書かれていました。
http://www.s-kids.net/s-kids/01/02.htm
そこから抜粋すると『観察は幼児の基本的な生活の行為であり、すべての保育はこの観察を基本になりたっている』という理由だそうです。なるほど。

裏に組と名前を書く欄があります。

私はきく組、もう1つゆり組もあったっけ。

「おやゆびひめ」はアンデルセンのお話し、それをリライトしているのは児童文学者と童画家として有名なお二人。
文・与田準一 え・武井武雄

魔法の麦の花から生まれたおやゆびひめ。


ネズミさんの家はちょっと日本的?丸い卓袱台が昭和だな~。

最後に王子さまがおやゆびひめに「マーヤ」という名前をつけて呼んでいました。

「むかしのおはなし」と「なんきょくかんさつ」は、表紙絵と中に入っているいくつかの話しの絵はそれぞれ違う人でした。

ほんの十数ページの中におさめられたお話し達だけど、どれも丁寧に描かれた挿絵と一緒に楽しく読んでいたのだろうなと思います、ずっととってあったんだものね。
今読み返しても面白く懐かしいです。


※サムネイル画像:クリックすると拡大します

☆フレーベル館の月刊保育絵本『 キンダーブック 』の情報サイト→ キンダーネット
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今年の10冊 (2012)

2012-12-28 23:27:53 | 
今年も後3日・・

恒例の『今年の10冊』です。
今年の読書記録の「凄く面白かった本(☆印)」と「面白かった本(○印)」の中から選んで読んだ順に並べてみました、再読物は入れていません。
2012年は ☆印個7個 ○印33個 ×印2個
ブログ内でレビューを書いた物にはタイトルにリンクを張りました。

 しあわせのパン 三島由起子 ポプラ文庫
 きれいな色とことば おーなり由子 新潮文庫
 静子の日常 井上荒野 中央公論社
 猫と妻と暮らす 小路幸也 徳間書店
 歌う石 O.R.メリング 作 井辻朱美 訳 講談社
 空ばかり見ていた 吉田篤弘 文芸春秋社
 ストラヴァンザ(全3巻) メアリ・ホフマン 作 乾由美子 訳 小学館
 みをつくし料理帖シリーズ 高田郁 時代小説(ハルキ)文庫
 十二国記シリーズ 小野不由美 講談社文庫
 かんさい絵ことば辞典 ニシワキタダシ/早川卓馬 ピエブックス

番外:和菓子のアン 坂木司 光文社
   真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ 大沼紀子 ポプラ文庫
   ちょんまげぷりん 荒木源 小学館文庫

今年最初の☆印は洞爺湖畔の月浦で撮影された映画「しあわせのパン」の小説版です。
本を読んですぐに映画を見てきたのですが、映画と小説が補完し合って1つの話になっているという珍しい本でした。[レビュー参照]

小路幸也さんの書くものはいくつかジャンルがあってそれぞれ色合いは違うのに、そのどれもがすっと入り込めて速く読めてしまう、どんどん読まずにはいられない・・たぶん語り口やリズム感が相性のいい作品群なのだと思います。
今年も随分読んでいます、ついこの間読んだ「ラプソディ・イン・ラブ」も良かった。
代表作とも言える「東京バンドワゴンシリーズ」は文庫が出れば必ず買っています。(先に図書館で単行本を読んでるんだけど)
同年代の作家さんなので(ていうか同学年だ)一般的音楽体験がたぶん殆ど同じ、本を読んでてもそれがなんとなく判るのが愉しい♪

「歌う石」はアイルランド(ケルト)の妖精譚、「ストラヴァンザ」は時空を超えた多次元世界の話です。
海外の児童文学のジャンルに入るものだけどもちろん大人が読んでも読み応え十分。
翻訳者との相性も良いのでしょうが、とてもわくわくする物語たちで、翻訳出版されていて図書館にある物は全部読んでしまい物足りなくて仕方がありません。

シリーズとして挙げてあるもは読んだ平均値で評価しています。
嵌ると一度に読みたくなって買ったり借りてきたりしちゃうんですよね。
「十二国記シリーズ」はアニメになってましたが、小説の方が断然面白い!
そのうちの2冊は前に読んでいたのですが、それも含めて今回刊行されているもの全部読みました(まだ続く)。
一部再読ということになるけど、10分の2なのでご勘弁。
そしてやっぱり山田章博氏のイラストで読みたいんだということを再確認したので、版権が移った新潮社からの順次発刊中の完全版を買おうかなぁと思っている所です。
新潮社十二国記公式サイト

番外の3点はスイーツ&ベーカリーもの。
ついつい手が伸びるのはやっぱり食べ物(&ちょっとした謎)系が好きだからかなぁ。。

さてあなたの(心に残った)今年の1冊、または作家さんは?

《過去記事はこちら》
2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年 2004年
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ぐりとぐらのいちねんかん

2012-12-17 23:47:16 | 
1週間後にクリスマス、2週間語は大晦日、そして1年が終わる。
しわすはせわしなくかけていく..
のねずみのぐりとぐらのいちねんかんを絵本のページでたどりながら、自分の1年も振り返ってみる。
楽しいこと嬉しいことはたくさんあった、嫌なこともあったけどそれはなるべく忘れるようにして、1枚1枚を思い出に変えて行く・・小さな暮らしのつづれ織り。

12月の第3土曜日は毎年恒例のクリスマスおはなし会、今年も市立図書館の2階AV室で開催しました。

12月15日(土)おはなしぐるんぱクリスマスおはなし会
《プログラム》
[大型絵本]まどからおくりもの 五味太郎 作 偕成社
[実物投影]ぐりとぐらのいちねんかん なかがわりえことやまわきゆりこ さく 福音館書店
[タングラムシアター&ミュージックパネル]
 ・かたちであそぼうタングラム
 ・赤鼻のトナカイ 
[実物投影]ふたつのいちご]林明子 作 福音館書店


まどからおくりもの

クリスマスの夜、サンタさんが窓からのぞいてそれぞれにぴったりのプレゼントを置いて行く・・はずが?
窓から見える物とめくった後の絵の違いが楽しいしかけ絵本です。

「タングラムシアター」は、三角の段ボールを二人で2つずつ持ち、音楽に合わせて形を作って行くという演目です。
小さな三角形4つで何が出来ると思いますか?(笑)
お客さん達が手拍子をしてくれました。
「赤鼻のトナカイ」はブラックパネルシアターにあわせてみんなで歌いました。

真っ赤なお鼻の~トナカイさんは~いっつもみんなの笑いもの~~♪

ぐりとぐらののいちねんかん」と「ふたつのいちご」は実物投影。

カメラで映した絵本のページがそのままプロジェクターを通して大きくスクリーンに映ります。

今回のお客さんは30名ほど。
去年より随分少なかったのですが、これは事前の宣伝が足りなかったため。
広報活動は必要だと改めて思いました。
演目ももう少し長めにしても良かったかなと、反省点も多々あり。
でも楽しんでもらえたことは顔を見ててわかりました。
最後にお菓子のお土産を渡して今年のぐるんぱの図書館での例会は終了です。
また来年。

北菓楼 バームクーヘン「妖精の森」

とてもしっとりとしていて口溶けの良いバームクーヘン。
試食して美味しかったので個包装の小さいのを買っちゃいました。
なんでもTV番組で大泉洋さんがホールのを紹介したのだそうです。
おとりよせネットにも出てるし北海道物産展でも販売されてるとか。
北菓楼ホームページ

これも美味しいけどまた東京ばな奈の「しっとりクーヘン」も食べたくなってしまう・・
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みをつくし料理帖シリーズ

2012-08-07 00:10:02 | 
「八朔の雪」高田 郁 時代小説文庫/角川春樹事務所
久しぶりに時代小説に嵌りました。
書店の平台でなんとなく手に取った1冊に。
それはこの「みをつくし料理帖シリーズ」の第1巻「八朔の雪」。
捕物帳ではなく料理を中心とした人情話の連作短編もの。

訳あって大阪から江戸に出てきた料理人のたまご「澪」が、江戸の味と食材にとまどい試行錯誤をしながら自分なりの料理を市井の人たちに供して行き、周りの人たちの言葉に耳を傾け徐々に料理人としての腕を上げて行くという話。
主要登場人物一人一人が生き生きと丁寧に描かれていて、それぞれの行く末がすごく気になる。
そして澪が作り出した創作料理がどれも美味しそう、しかも巻末には作者がきちんと試作した上でのレシピがついている。

表題になっている「八朔の雪」の副題は「ひんやり心太(ところてん)」。
江戸では心太は酢醤油で食べるもの、ところが大阪では砂糖をかけて食べる、しかも江戸の心太は寒天から、大阪は天草・・どちらも互いの食の相違に吃驚!
さて両者どちらも美味しいと思える心太にするにはどうすれば・・?
澪の身の上話を絡めつつ語られる「食」と、人と人のあれこれが心に残る1話です。

〈出版社による内容紹介〉
神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大阪と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!


シリーズ、今出てるの全部買っちゃいました。
・みをつくし料理帖シリーズ(時代小説)
  八朔の雪 花散らしの雨 想い雲 今朝の春 小夜しぐれ 心星ひとつ 夏天の虹
・みをつくし献立帖

※ 詳細 『みをつくし料理帖シリーズ』

もう1つ時代小説を。
こちらはつい勢いに乗って図書館で物色した中で気に入ったシリーズ。
詳細
『お医者同心 中原龍之介/ 猫始末』和田はつ子 講談社文庫
こちらは一応捕り物風。
でも何に惹かれたかというと、よろづ医者として人や動物の心の病を診る中原龍之介が自宅の庭でハーブを育てて治療に使っているという所。
カミツレ(カモミール) ヒロハラワンデル(ラベンダー) ハナハッカ(オレガノ) ウスベニアオイ(コモンマロー) メボウキ(バジル)...etc
それぞれハーブとしての効能がしっかり語られてる。
カモミール茶が飲みたくなりました。(笑)

台所菜園

パセリ・・そろそろ肥料を?
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こどもの読書週間 2012年

2012-05-15 21:46:49 | 
4月23日~5月12日は「こどもの読書週間」
先日この時期恒例の小学校のお話し会をして来ました。

◇過去の記録◇
2011年2月 2010年5月 2010年2月 2009年4月  2008年10月 2008年4月 2007年 
2006年 2005年

5月8日火曜日2時間目の授業から5年生、4年生、6年生と1校時ずつ。
演目は5つで1つだけ4年生と5~6年生で内容を違えています。

《プログラム》
●実物投影「くまげらのはる」作・絵 手島圭三郎 リブリオ出版
●昔話 5年生&6年生「からすのいるところ/うれしいこと」~『馬鹿の鏡』一声社
    4年生「かしこいお医者のやせぐすり」~『子どもに聞かせる世界の民話』実業之日本社
●イラストクイズ~鳥の名前知ってるかな?
●実物投影「おへそのあな」作・絵 長谷川義史 BL出版
●大型絵本「くものすおやぶんとりものちょう」作・絵 秋山 あゆ子 福音館書店


クリックすると拡大します

クマゲラやアカゲラなどのキツツキ類は千歳にもたくさん住んでいて、目にする機会もあると思うのでその生活を少し知ってもらおうと選びました。
あわせて小学校付近で見られる鳥をメンバーのひとりが手描きのイラストでクイズにして紹介したところ、思わぬ鳥博士がいてびっくり!

絵本を見せるのではなく小さな本を語り手がこども達の方を向いて読み聞かせる「昔話」では5年生が馬鹿息子シリーズの2つのお話しをおおいに笑って楽しんでくれました。

「くものすおやぶんとりものちょう」は絵柄が細かく描き込まれているので大型絵本にしても離れているとよく見えない部分があるのですが、読み手の語り口にのって集中して聞いてくれたこと、特に6年生は後ろの方から身を乗り出すようにして絵本を見ていたのが印象的でした。

4年生は終了後の少し余った時間を使って、持ってきた絵本を読んだりして行きました。
やはり読書週間のイベントとして5月12日に市立図書館で落語絵本で人気の絵本作家川端誠さんの絵本ライブと講演会が予定されていたので、この機会にと小学校の図書室から数冊借りてきて紹介したのですがそれをゆっくり見てもらえて良かったです。
ここの小学校のお話し会でも川端さんのものは何回か読んでいるので、こども達にも馴染みはあるかと。
落語絵本シリーズ/川端誠

毎回演目の選定には皆で頭を悩ませますが、いつも何かしら発見がありまたこども達の反応から学ぶことも多く、難しいけれど楽しい行事の1つになっています。

はらっぱ便り
ふきのとうの雌株が薹を高く立てて、綿毛を飛ばしています。
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しあわせのパン

2012-02-09 19:24:50 | 
「しあわせのパン」三島有紀子 (著) ポプラ文庫詳細

[内容紹介]
北海道洞爺湖畔の静かな町・月浦に、りえさんと水縞くんの営むパンカフェ「マーニ」があった。実らぬ恋に未練する女性・香織、出ていった母への思慕から父親を避けるようになった少女・未久、生きる希望を失った老夫婦・史生とアヤ……さまざまな悩みを抱えた人たちが、「マーニ」を訪れる。彼らを優しく迎えるのは、りえさんと水縞くんが心を込めて作る温かなパンと手料理、そして一杯の珈琲だった。映画界の俊英・三島有紀子による初の小説執筆作品。映画「しあわせのパン」から生まれた、とびっきり香ばしくて温かい物語。特別付録として絵本「月とマーニ」を巻末に収録。


プロローグとエピローグを挟んだ4つの章でカフェ・マーニの季節とそれぞれの対になる二人の男女の物語が語られます。
その全てを繋くのが章ごとに水縞くんが窯で焼き、供するパン。
それをごく自然にひとりが手で2つにちぎりもうひとりに渡す・・分かち合うことで心の隙間が埋まるようなそんな感じ。
ストーリーはファンタジックであるのだけれど、軸になるのは人の「哀しみ」であり、それがどういう風に癒されて行ったのかという話。
読み終えた時、心がギュっと温かなもので包まれたような気がしました。

表紙から判るようにこれは映画化されているお話し、というより映画があって書き下ろされた小説です。
先日映画を観てきました、原作でもノベライズでもなく互いを補完し合うという関係でした。
映画ではドラマとしてなぞられて行くストーリーを各エピソードのメインの二人のうちのひとりの視点で語ることでより深く物語の基盤が判るようになっていたのです。
そして小説の中の情景が北海道オールロケの映像の中で現実になって、よりリアルに迫ってくるものがありました。
生活感は薄いのだけれど、りえさんのいれるコーヒーや作る料理、水縞くんの焼くパンがとっても食べたくなってしまう、そんな映画でした。
クグロフ・かぼちゃのポタージュ・まるまるパン(フォンデュ用)・お豆のパン・カンパニオ・・

文庫の巻末付録の絵本「月とマーニ」は映画の中で絵本として存在していて、それもまた大事な鍵になっています。

本と映画と2つ揃って大きな1つの話になっている素敵な作り。
今年最初に心に強く残る本になりました。

作者の三島有紀子さんはこの映画の監督であり脚本を書かれた方で、企画は主演の大泉洋さんの所属するオフィスCUEの鈴井亜由美さん。
「北海道の知られていない魅力を伝える映画を創りたい」という思いから企画し、三島有紀子さんは矢野顕子さんと忌野清志郎さんが歌う「ひとつだけ」から脚本の構想を得たのだとか。
♪ ほしいものはただひとつだけ あなたの心の 白い扉 ひらく鍵 ♪

心の中の「しあわせのパン」を誰かと分かち合いたいと思う、本と映画です。

映画「しあわせのパン」公式サイト
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猫吉一家物語

2012-01-20 00:45:53 | 
「猫吉一家物語 秋冬」大島妙子 作 金の星社
猫吉はきれを売るのが仕事、恋女房のお茶目に息子の昆布助と一緒に毎日荷車にきれを積んで売り歩きます。
そんな中で出逢った事どもが、ほのぼのとした季節の情景と一緒に語られるコマ割り絵本です。
「春夏」もあるのですが、この「秋冬」のお話しが好き。
昆布助くんの(誰かとの)雪合戦が可愛い。(笑)


日本的な空気が色で表されている感じ。
画面の構成が「漫画」ではなくちゃんと「絵本」・・白黒の線描画になってもきっとそう。


◆「呼人」野沢 尚 講談社文庫

本棚で目について再読した本、何年ぶりかな?

12歳で成長が止まってしまった呼人の物語。
自分から生きるのをやめない限り永遠に12歳であり続ける呼人。

発表されたのは1999年、文庫になったのは2002年、野沢尚氏が亡くなったのは2004年。
物語は呼人が12歳になった1985年から1992年、1999年、2005年、2010年、と5つの章に分かれてる。
1999年まではその時代の実際の事件や風俗が描かれそれ以降の社会の出来事は作者の創造だけれど「2010年」の章はなかなか興味深い。
暴力に溢れ退廃して行く日本社会、宇宙ステーション2泊3日500万円のツアーが人気で消費税は10%が可決、そしてフランスの原子力発電所の爆発事故。

小説の中の未来を越えて、実感する現在(未来)は不安定で頼りない。
でも次の未来をしっかり考えながら進むしかないのだろうと思わせられる小説です。
今この時期に読み返せて良かった。
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初場所

2012-01-07 22:05:47 | 
折り紙のお相撲さん。
TVで1月8日からの初場所(1月場所)を前に横綱白鵬が明治神宮で奉納土俵入りをしているのがニュースになっていました。
ちょうど今年最初の「(図書館の)土曜お話し会」の折り紙に悩んでいたので、これに決定!
絵本を読んだ後にこのおすもうさんを折って、菓子箱でちょっぴりトントン相撲をして遊びました。
  折り方&遊び方:おりがみくらぶ「おすもうさん

メンバー3人で読んだ絵本は..
おもちのきもち」 かがくい ひろし 作 講談社
『お餅だっていろいろなやみがあるんです』・・お正月、鏡餅はある決心をしました、それは?
ちくわのわーさん」 岡田よしたか 作 ブロンズ新社
ちくわのわーさん、どこかへおでかけ。途中マカロニさんとくちぶえふいたり、鯉のぼりになってみたり・・
いいからいいから 3」  長谷川 義史 作 絵本館
今回おじいちゃんが「いいから いいから」といいながらもてなすのは貧乏神。

明るく楽しいお話しが3つ

《地域ニュース》
ただいま千歳川にオオハクチョウの群れが飛来中
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今年の10冊 (2011)

2011-12-29 19:31:42 | 
恒例の「今年の10冊」
2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年 2004年
その年の再読もの以外の「凄く面白かった本(☆印)」と「面白かった本(○印)」を読んだ順に並べています、順位はありません。
2011年は ☆印8個 ○印33個 ×印2個

 塩の街 有川浩 角川文庫
 疲れすぎて眠れぬ夜のために 内田樹 角川文庫
 待ってる 橘屋草子 あさのあつこ 講談社
 華族夫人の忘れもの(新 御宿かわせみ 2)平岩弓枝 文春文庫
 草祭 恒川光太郎 新潮文庫
 それからはスープのことばかり考えて暮らした 吉田篤弘 暮しの手帖社
 チヨ子 宮部みゆき 光文社文庫
 エルニーニョ 中島京子 講談社
 ショコラティエの勲章 上田早夕里 ハルキ文庫
 コリアンダーと妖精の国 サリー・ガードナー 著 斎藤倫子 訳 主婦の友社
次点:手塚治虫物語1~3 伴俊男+手塚プロダクション 金の星社

今年は少し☆印が少なかった、なぜかな?
でも○印の数で「面白かった」って言う気分で読み終えたものが多いことが判ります。そしてそれがシリーズものの再読に繋がってもいました。
例えば「華族夫人の忘れもの」からその1つ前の「新 御宿かわせみ1」を読みそのままさかのぼって「御宿かわせみシリーズ」全34巻を一ヶ月かけて読み返してみたり、上遠野浩平「ハートレス・レッド/ブギーポップパラドックス」(これは○印)を買ったので、家にあるブギーポップシリーズをまた読んだり。

少しピックアップして軽く説明・・
中島京子さんは2010年に「小さいおうち」で直木賞をとっていることから興味を覚えて図書館で何冊か読みました。
「イトウの恋」が最初、次に「均ちゃんの失踪」(どちらも○印)、そして「エルニーニョ」が1番ぴったり来た感じ。

吉田篤弘さんは「つむじ風食堂の夜」を文庫で買って先に読んでいて、他の著作をと思って図書館で借りた「それからはスープのことばかり考えて暮らした」が凄く面白かったというわけ。
別に”吉田篤弘&吉田浩美”のユニット『クラフト・エヴィング商會』名義で著作や本の装幀を手がけている人で、実はそちらの方で知っていました。
サンドイッチと温かいスープがとっても美味しそうなお話しです。

「コリアンダーと妖精の国」は海外の児童文学もの。
幼い頃に失読症を患っていた著者が、舞台美術家や絵本作家を経て出版した初の長編小説。
でもそんな病歴とは関係なくどんどんと物語に引き込まれて行く見事な筆致!
中に読み書きが出来ない(教育を受けていない)女の子が出てきて、その子が主人公に自分の話すことを紙に書いて欲しいというのだけれど、その「記録したい」という気持ちが生まれる過程がどこか著者とリンクする部分があるように思えました。

さて、来年はどんな本と作家さんに出逢えるかな。
そして今年みなさんの心に残った本は?
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