英国の作家C.S.ルイスのファンタジー「ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女」の映画化、ドキドキしながら観に行きました。
子供の頃繰り返し読み、心の中に描いた“ナルニア”を映像で観るのが嬉しくも怖くもあり。
そして感想は・・・
最高!
何故か最初から「懐かしさ」につかまれた感じで目が離せませんでした。
原作に忠実な、過剰な演出のない話運びは本の扉をめくって物語を読んでいるよう。
主人公の人間達の描写は控えめ、脇の動物・妖精達の個性はくっきりというのも同じ。
特に“白い魔女”の存在感は圧倒的でした。
そして“偉大なライオン”アスラン、気弱で優しいフォーンのタムナスさん(しっぽが短かったけど・笑)、愉快で温かなビーバーの夫婦、魔女側ではあれど職務に忠実なオオカミモーグリム。
主人公の子供達も、本当に「普通の子」の雰囲気をまとっていて、観ているうちに子供の頃お話しを読んでいた自分に戻ってしまいそうでした。
本の扉を開くその時々に、ルーシー・エドマンド・スーザン・ピーターの中に入り込んでいたあの頃に。
今この時代だからこそ作ることが出来た映画だとパンフレットにも書かれていましたがまったくその通りだと思います。
技術もそうですが、子供の頃にこの原作を読んでいるからこそ描き出せるものもあるでしょうから。ただ筋を借りるのでなく、長い間に心の中に構築したイメージの表現としても。
原作を読んでいる人にとっては本と同じく何度でも訪れたい世界として映像化されたナルニア。
予備知識がなくこの映画を観た人はどう感じるのか残念ながら私には解りませんが、この「ライオンと魔女」は後に続く物語の序章になるものでその中に色々な「伏線」が散りばめられていて順にシリーズを追っていくことで初めてその全貌が解る仕組みになってるはず。
そういう楽しみ方を新旧のファンが一緒にしていけたら素敵だと思います。
既に続編の撮影も進んでいるようで楽しみです。
□「ナルニア国物語」全7巻
1 ライオンと魔女
2 カスピアン王子のつのぶえ
3 朝びらき丸東の海へ
4 銀のいす
5 馬と少年
6 魔術師のおい
7 最後のたたかい
まだまだ語りたいけど、うまく言葉に表せません。
ちなみに、私がペン画を好んで描くようなったのは、この岩波書店の「ナルニア」と「ドリトル先生」の挿絵からなのです。