戦前、日中戦争の泥沼に突き進む入り口となった「張作霖爆殺事件」、
「満洲事変」による満洲全面占領、日中全面戦争に入った盧溝橋事件
など、多くは軍部の暴走といわれている。
小説や映画では「奉勅命令は出されたのか?」などの言葉がとびかう。
実態は、軍部、政官財などが複雑に絡み合って、進んでいったのであろ
う。
国家権力において、「軍部」は大きな比重を占める。
アジアやラテンアメリカのクーデターの多くは「軍隊」という国家権力
の一部が絡んでいる。なかには明確に「軍事クーデター」と呼ばれて
いるものもある。
歴史上、強大な力を持つ軍隊のコントロールをどうするか。
数多くの国々で政治的な歯止めをつくってきている。それが民主主義
国家のあり方でもある。
ところが一昨日、日本共産党の小池晃質問によって、自衛隊の暴走
が明らかになった。中谷防衛大臣や安倍首相は答弁できず、委員会
はストップした。
私は、やはり自衛隊そのものが、独自の権力として、みずからの組織
が独自に動いているのだとつくづく思った。
だからこそ「シビリアンコントロール」の重要性がうたわれている。
安倍首相は、これをどんどん弱めようとしている。
昔、共産党が政権に入ったら、自衛隊の幹部はどうするのか、という
質問に対して、「言うことを聞くことはない」などと恐るべき発言をした
事例もある。
このとき、選挙でつくられた「政府」という組織は、強大な国家権力の
ごく一部なのだと思った。
戦前の「軍部の暴走」、そして今回の「自衛隊の暴走」は、民主主義
国家としてはありえない出来事である。
常日ごろ、「自由と民主主義、法の支配」と口にだしている安倍首相
の言葉の軽さが、ここでもはっきりした。
もう「安保法制」=戦争法案は廃案するしかない。
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