ぐーたら猫の「パソコン水彩の館」

これまで描いたのは900点余。我ながらよく続いたなぁ!右下にあるブックマークからHPに入ってご覧さいませ。

インド仰天紀行(6)

2006-07-29 10:09:00 | パソコン画
さてさて、無事列車に乗り込みました。
最高級の車両なので(特等はない)ロマンスカーぐらいの装備を想像していたら、がっかり。
とりあえず指定席なので座れましたが、席ときたら、まっすぐの木の背板のうえ、肘掛も木でした。
日本の昭和30年頃の列車といった感じ…。

お弁当付きと聞いていたのでわくわくして待っていたら、
サンドイッチと例のごとく、大甘のパックジュースが配られました。

このサンドイッチ…耳無しパンにオムレツ卵がはさんであるだけ。
マヨネーズとかバターとかが一切塗っていない…もちろん野菜ナシ。
旨い、マズイのコメントできるしろものではないが、とりあえず、もぐもぐ。
その時ふと、外を見て私は叫んだ。
「ねぇ、見て、見て!この窓、意外としゃれているじゃない。きれいな模様が入っているよ。」
列車のガラス窓に、細かい模様が一面に入っています。
娘も感心する。
「外の景色がつまんないからねぇ。インド国鉄も気をきかしているんでしょぉ。」
列車の外には私の大嫌いな赤い大地風景が延々と続く。時々まばらに貧相な木が生えているだけ(見ているだけで気が滅入る)。

2時間ぐらいの旅でしたが、そろそろ到着という時間なので娘が「ちょっとトイレへ…。」
すぐ、戻ってきました。
「どうしたの?使用中?」
「・・・・ママ・・・私、あんな恐ろしいモノ、初めて見たぁぁぁ!!」
娘は見たのです。トイレのドアを開けたとたん見たものは…てんこ盛りで便器から溢れたう○○の山!!
「ここは一等車でしょ?信じられない!!まさに地獄じゃぁぁぁ・・~!」
そして娘はその日一日中トイレへ行きませんでした。
それまで幸か不幸か、暑い国で汗がたくさんでるので、外でトイレ…という経験をしていなったのです。
おぞましい光景を見て打ちのめされた娘は、列車を降りるとき、さらに追い討ちをかけられました。
「ママ!このガラスは模様じゃないよ。ひびなんだよ。だってあそこに一枚だけ、普通のガラス窓があるもの?!」
ひびの入ったガラス窓で走り、う○○が溢れたトイレ…これがインドの一等車両風景なのです。

後日談…以降、娘は、ひどいトラウマをかかえる事となり、トイレは自分の部屋にある水洗洋式トイレしか使用できないようになりました。
デリー大学に通っている間も、朝トイレに行ったきり、帰宅するまでトイレに行かないようになり、
その結果、正月休みに日本に帰ってきた時は腎臓を悪くして、治療を余儀なくされました。
我慢しすぎて、膀胱内で尿が濃くなりすぎたせいだそうです。あぁ、インド、恐ろし・・・・。


絵は前回のアジサイの別バージョン。
夏休みでぐーたらしていたわけではありません。
お絵かき作業するノートPCが、突然、Webページの表示ができなくなったのです。
この1週間プロバイダーやNTT回線に相談して、あれこれ手当てしてました。
そんなこんなで、お絵かきどころではなかったのです。
いつもは「いい子」のPCなんですが、同じトラブルが今回で4回目。情けないなぁ…。


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インド仰天紀行(5)

2006-07-23 16:50:14 | パソコン画
デリーから列車で行ける、タージ・マハルを見学に行く事にしました。

窓口で、エアコン付き一等車の切符を購入。
そのままプラットフォームへと向かいます。
改札口というものがない…だから駅には人が溢れています。
ホームを道路替わりに通り抜ける人々と、例のごとく、行き場のない暇つぶしの人々が駅構内に溢れ、
まるでスクランブル交差点状態。

足元がいやにベタベタするなぁと思ったら、売店で売られている飲み物の残りがあちこちにぶちまけられていました。
ちなみにインドで売られている飲み物は全体が甘すぎます。
それらを香辛料の効いたインド料理を食べる時必ずがぶ飲みするのがインドの食卓風景です。
見ているだけで気持ち悪くなるのですが、
彼等にしたら、「水」を飲みながら食事する日本人の方が舌がおかしい…と思っているのかもしれません。
その滅多やたらに大甘のジュースの飲み残しが大量にぶちまけられているのですから
ホームのあちこちには、うわ~んと真っ黒なハエ柱がたっています。
蚊柱というのは聞いた事がありますが、ハエ柱というのは聞いた事がない。
凄い光景でした。気持ち悪いを通り越して、あ然とするばかり…。

出発ホームで列車を待っていると、さすが一等車のあたりには人が少ない。
でもそこを狙って、貧しげな少年が犬を連れてやってきました。
もちろん、ヒモなど付けていない放し飼い状態。
一等車の女客を狙って、犬をけしかけで小遣いを稼ごうというわけ。
大甘ジュースのせいで相撲太り体型の中年女性が多いインドです。
しっしっと手を振って撃退する貫禄アリ。
「きゃぁ~!」と叫ぶのは子供の頃、犬に噛まれて犬嫌いになったわが娘のみ。
やせ細って犬というより、薄汚れた狐に見える犬は、調子づいて低い唸り声を上げて娘に迫ってくる。
そんな光景を見て、少年はニヤニヤするばかり。
困った!という時、大きなリュックを背負ったインド旅行中らしい青い目の青年がやってきて大喝!
犬も少年も即座に退散しました。よかった。そばかす一杯のアメリカ青年がスーパーマンにみえましたよ。


絵は「朝顔その1」朝顔の花を一輪ずつ、何種類か描いて、それを配置しました。
まずは円にした一枚です。PC水彩はこういう事ができて面白いですね。
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インド仰天紀行(4)

2006-07-14 22:01:51 | パソコン画
次の日はショッピングでも行こうかという事になりました。
ホテルの玄関で手をあげると、タクシーの溜り場から一台がやってきます。
ガイドブック片手に、デリーで唯一(?!)エレベーターのあるという有名店に行く事にしたので、
運転手に店の名を告げていると、いきなり、見知らぬ男が助手席に滑り込んできました。
(えっ?なに、この人?)

彼は顔が壊れんばかりの笑顔で、たたみ込むようにしゃべりかけてきます。
「デリーへようこそ。もう街は見物されましたか?象には乗りましたか?素晴らしい街でしょう?見るところはたくさんありますよ。あぁ、お嬢さんですか?美人ですねぇ・・・etc」

あっけに取られていると、彼は早口のおしゃべりの合間にちょこっと運転手にヒンズー語で何か一言、告げました。
(妖しい!)
すると運転手は、いやはや…といった感じで頭を振る?

ぐーたら娘は目で会話してくる。
(なに、この、おっさん、いやに馴れ馴れしい。チョーむかつく)
ぐーたら母は目で答える。
(みるからに妖しいオヤジ!注意せよ)

「今日のご予定は?見物ですか?買い物ですか?私はねぇ~特別なコネがあって、すてきなお土産を特別安く買える店を知っているんですよ。ご紹介しますから、ちょっとお寄りになりませんか?なに、10分もかかりませんよ。店はこのすぐ近くですからねぇ。」
そしてタクシーはおどろおどろしい店の前に止まった!

私は断固として言う。「私は○○へ行きたいの!」
即座に「あぁ、○○ね。あそこもなかなかいい店ですが、残念ですねぇ。今日は定休日ですよ。」
オヤジは顔一杯の笑顔で答える?!
「・・あらそう、それは残念。では運転手さん、ホテルへ戻ってちょうだい。」

タクシーがホテルへ戻ると、娘はすばやく私へ目配せしてタクシーを降ります。
一方私はもたもたサイフを取り出し、もたもたタクシー代を勘定し始める・・・。
妖しいおっさんは首をすくめ、助手席から降りるとしょぼしょぼ立ち去りました。

そのとたん娘は助手席に滑り込み、私も今までの鈍重さと打って変わった俊敏さで「早く出して!」大声でシートをたたく。
かくしてタクシーは轟音を上げて再出発。
その後無事、店へ付き(もちろん定休日なんて大嘘よ)ゆっくりショッピングし、待たせておいたタクシーでホテルへ戻りました。
タクシーをおりると玄関脇に、例の客引きのオッサンが所在なげにつったっている。
目があったので私はニヤリと笑い、○○のネーミングの入った買い物袋を高々と掲げて、ピースサインを送りました。
日本のオバタリアンをなめんなよ!…という一幕でした。
皆様もインドでは、ホテル玄関先でうろちょろする客引きには、くれぐれもご用心なさいませよ。


絵は「テラスの風景」今はなくなってしまいましたが実家の台所脇の小さなテラスの風景です。この横で、いつも猫が昼寝していましたっけ…。






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インド仰天紀行(3)

2006-07-07 21:22:12 | パソコン画
明日から大学の入学手続きだの下宿探しだのが始るのでとりあえず、
両替して置こうかーという事でフロントに降りて行きました。

ルームキーを見せればいいと聞いていたので、セカンドバッグから40万出して、
ルームキーとともに、ぽん・とカウンターに置きました。

とたん、頭にターバン、金ボタンに詰襟の白い服、ピンと跳ね上がったヒゲという、
まさに絵にあるようなインド人のオジサンは硬直。
唇をへの字にして、瞬きのないギョロ目で、我々母娘を無言でじっと見ます。
5分ほど声なし・・・

「あらら?なんか間違った?パスポートも提示するのかしら?」
「聞いてないよ。でもコピーなら部屋にあるよ。取ってこようか?」
もぞもぞと話していると、彼はやおら傍らの電話を取り上げ、凄い勢いで誰かと話し始めました。
ガチャンと電話を切ると、また我々を睨み付ける様にして無言?

「なんなのよ~。贋金だとでも思ってるわけ?」
そんなところへ、もみ手をしながらにこやかに支配人が登場。
ちょっとお待ちください。金庫から出して参りますから・・・って、何の話??

暫くすると、支配人がワゴンをがらがら引いて、その上に札束を山盛りにして帰って来ました。
(何なんだっ!これは!これじゃぁセカンドバッグに入らないじゃないか!こんな札束の山、どうしろと?!)

後でわかった事ですが、フロントで両替するのはせいぜい2~3万程度が普通。
なぜならその頃のインドには高額紙幣がなかったから。
フロントのインド人は余りに多額の両替に動転していたんですね。
しかも驚いた事に、札束をまとめるのに、帯封でなく、
何とお金を、ホッチキスで止めているんですよ~!!
その後、このホッチキスで止めてある札束スタイルは、あちこちで見かけました。
インドではごく普通の紙幣スタイルなんだそうです。

ちなみにその頃のインドでは1ルピーが3円だったかな?
50ルピー(日本円だと150円)でバナナを買おうとしたら、お釣がないと断られました。
高校の先生の給料が日本円で8000円と聞いて、たまげたけど。
日本のおばさんの感覚だと8000円って、映画観て、ちょっと気張ってこじゃれたホテルでランチする金額ですよね。
世界は広いな~と改めてびっくり。


絵は「JAPAN(7)」やっぱり和風テイストの絵が好きで、描いてしまいました。

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インド仰天紀行(2)

2006-07-01 20:41:32 | パソコン画
たくさんのファン(?)の熱烈なまなざしに見送られながら、そそくさとタクシーに乗り込みます。
ふーやれやれ。
ほっとしたのもつかの間。おいおいっ!お風呂場状態の熱気だというのに、このタクシーにはエアコン無いのかい?
(後でわかった事ですが、エアコン付きのタクシー自体、余りないそうです。)
仕方ないねと窓に身を近づけてギョッ!窓ガラスがない?!
しかもドアハンドルもない?!
よく見たら、天井はぼろぼろ。ドアときたら、ゆがんでかろうじてはめ込んであるだけ。
「これって日本で走ったら犯罪だよね」娘がぼそっと言いました。ひえ~。ホテルまで無事着けるんだろうか?

不吉な赤い土が両側に露出した車道を走っていくのですが、グリーンベルトに牛が立っています。
それも一頭や二頭じゃない。
走っている車道の真ん中にいたりもする。
あちこちで自然渋滞がおきています。
これらはほとんど「のら牛」です。

インドでは牛は聖牛として大事にされているので、のら牛はのんびりしています。
彼等は車道で涼んでいるのです。
熱い夏を快適に過ごすために、彼等は考えたのです。
行き過ぎる車の起こす風を扇風機かわりに利用してやろうというわけ。
ちなみにインドでは犬を飼うのはステータス。
猫は不吉な生き物とされ、ペットにする習慣はありません。
またインドのカラスは極端に痩せています。
ゴミ捨て場を乞食が漁り、のら牛が漁り、のら猫が漁るので、カラスが拾い食いできる余地がないのです。
のら牛を上手にかわして、ほうほうの体でホテルに到着。
「夕飯には迎えにきますね。」とH氏が立ち去ったとたん、娘と私の口からでた言葉は
「あ~、今すぐ、日本にかえりた~い!」でした。


絵は「犬ふぐり」花を描くというと、真ん中に花ーという構図が決まってしまいますね。
それでちょっと変えてみました。



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