ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

【2009年9月-1】

2009-10-27 18:20:50 | 2009年9月
2009.9.1 ハーセプチン58回目、ゾメタ24回目
 今日から9月。月初めの採血は40人待ち。30分程して採血後、内科へ。採血結果が出るのがいつもより遅く、待ち時間は1時間半近く。「先週も特に変わったことはなく」とご報告。採血の結果、白血球が3100で、好中球が910とのこと。4月に2000程だったのが、5月からずっと下がっているそうだ。低値安定だが、タキソテールの最終が3月なのでその後遺症にしては長すぎるし、4月に一度上がっているのでタキソテールのせいではなさそう。転院直後の数値を確認して頂くと、白血球が5~6000、好中球も2~3000あったようだ。アロマシンの副作用で好中球が下がることもあるそうだが、1000を割るのは余り嬉しくない。新型インフルエンザをはじめ感染症に注意しなくては。先生がおっしゃるには「今後の数値を気にしつつアロマシンを続行するかどうか。一度アロマシンを止めて好中球が上がればアロマシンが犯人ということになる。ただ、アロマシンは止めたくないですね。」「貧血なら頑張ってレバーを食べます、と言えますが、好中球をアップさせるには何を食べればいいのでしょうか。」と質問したところ、「バナナが良い、と言われているようだが、あまりないですね・・・」とのお返事。アロマシンを止めてまたフェマーラに戻る、という選択肢はなく、次はヒスロンになるようだ。ただしハーセプチンとの相性は不明だし、食欲がうんと出てムーンフェイスになるとのこと。ただでさえ丸顔の私がムーンフェイス・・・考えただけで気が滅入る。休職が明け、久しぶりに会った人からは必ずといっていいほど「ふっくら丸くなって元気そうじゃない」と言われる。いちいち「薬の副作用でむくんでいるので・・・」と言い訳をするのも面倒なので、そのままへらへらしているのだが、なんだかなあ・・・である。
 いずれにせよこの病気にとって肥満は大敵だ。とりあえず2週間後に再度採血をして、あまり下がっていなければ目をつぶってアロマシンを続けましょう。もしさらに下がるようだったら2,3週間アロマシンを止める。それで変わらなければアロマシン再開でいきましょう、ということになった。
 今日はハーセプチンとゾメタの日なので、生理食塩水を含め4本の点滴。十分時間があったので2冊読破。
 1冊目は恩田陸さんの「中庭の出来事」(新潮文庫)。芝居とミステリーが見事に融合、とあるように目まぐるしく進む内と外のお話に引き込まれ、戻っては確認しつつ一気読み。読後、お芝居を観に行きたくなった。
 2冊目はV.オフチンニコフ、早川徹訳の「日本人とはなにか 一枝の桜」(中公文庫)。米原万里さんがベネディクト「菊と刀」をしのぐ日本人論の名著と絶賛した、という帯に惹かれて選んだのだが、1970年代のベストセラーであるにもかかわらず1960年代の記憶として僅かに残っている部分を思い出しつつ十分楽しめた。
 ただでさえ今日は時間がかかったのに、なんと間抜けにも携帯を点滴椅子に忘れ、駅に着いてから気づいた。慌てて汗だくで病院を往復。自業自得とは言え、どっと疲れた。改札を入ってからでなかったのがせめても・・・。

2009.9.8 ハーセプチン59回目
 内科診察。やはり夏バテなのかだるさと眠さがあり、いくら寝ても眠いこと、足の親指の爪が殆どとれかけていることをご報告。腫瘍マーカーは3月の最終タキソテール投与前と殆ど変わらない数値。このところ、少しずつずっと下がっていたので久しぶりの上昇。ただし正常範囲内では必ずどこかで上下はあるので、今後上昇し続ける、ということがなければ心配はなさそうだ。来週の採血で白血球だけチェック。更に好中球が下がっていれば2週間アロマシンを止めて月末にもう一度採血。そこで上がっていればアロマシンが原因。来週好中球が1000程度あればこのまま続行、と方針確認。「アロマシンをやめて次の薬、の選択肢として前回話に出たヒスロンは、病状が進んで食欲がなくなったときに使うこともあるのでは」の質問をすると、「その使い方もあるが、とっておくこともない」とのお返事。また、ゾメタが原因ならアレディアに変更もありだが、時間がかなりかかるので出来れば避けたい、とのこと。普通は数ヶ月くらいで症状が出るのでもう1年半以上使っているゾメタが原因ということもなさそう。次回好中球がアップしていますように。
 処置室でスムーズに点滴開始。今日の1冊目が角田光代さんの「愛がなんだ」(角川文庫)。全力疾走片思い小説!と裏表紙にあるようにうんと切なく、なんだか胸がきゅんとしてしまうような。彼女の作品はいつもどこか心の琴線に触れて、うるうるしてしまう。
 2冊目は曽野綾子さんの「貧困の光景」(新潮文庫)。格差社会と言われている今の日本からは想像も出来ない貧困の現実。殴られたような感じ。「日本人は自分にお金がなくても自分の病気は治療されるのが当然の権利と考えているが、アフリカでは、お金がなければ医者にもかかれず薬も買えない、と考えることである。どちらが“現世の理(ことわり)”かめいめいが改めて考えるべきことだ。」や「どうせ死ぬ運命の子どもを養うより、少しでも生きる可能性のある子に食べさせないと、一人の子も残らないことになる。」とのくだりには慄然とするばかり。
 2週間分のアロマシンを薬局で受け取る。次回は9月15日。どうもまだ“ハッピーマンデー”に慣れない。“敬老の日”か、と思ってしまう。今年の夏はサンダルを履かないで終わった。足の痺れと爪の状態で、不安定なオープントゥーは怖かったから。太く低いヒールばかり履いていたら、何だか足がどっしりしたような気がする。
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