ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.11.24 採血後診察、カドサイラ(T-DM1) 30回目(減量20回目)窓の外は雪!

2016-11-24 21:48:37 | 治療日記
 昨日は仕事が終わってから病院最寄り駅に移動、常宿に前泊した。

 そして今朝。未明から雪の予報だったが、窓の外は雨か霙かという感じ。それでもかなり冷え込んでいて窓の結露がすごい。雪に変わるのは時間の問題の様相。夫にモーニングコールをした後、恒例の浴槽足湯を済ませ、カフェで朝食を済ませてからチェックアウト。病院へと急ぐ。

 前回の通院時に、次回は祝日の翌日なので、患者さんが多いですから混雑を覚悟で、と言われていた。せっかく前泊しているのだから、といつもより15分ほど早く出かけた。自動再来受付機では殆ど並ばず。受付を開始したばかりだが、採血は電光掲示板で7分待ちと表示されており、10数人待っている。それでも、コートをサブバッグに収め、濡れた傘を始末して態勢を整えているうちに呼んで頂けた。

 今日はマーカーの測定があるので4本の採取。何度もお世話になっている検査技師のYさん。前回と同じアンパンマンマスコットの採血台だった。スムーズに針刺し、抜針が済んで、無事終了。止血しながら向かいの腫瘍内科受付へ移動した。

 受付開始時間前ということで、番号札を取って待つ。ほどなくして受付が始まり、定位置の待合椅子に腰かけ、読書を開始した。
 今日は新書と文庫の2冊読んだ。1冊目はNHKスペシャル取材班による「キラーストレス 心と体をどう守るか」(NHK出版新書)。
 6月にNHKスペシャルでキラーストレスの番組が放送されたのは記憶に新しい。マインドフルネスや瞑想等も取り入れられていて、指導者養成コースのメンバーとも話題になったのだった。

 第1章ではストレスチェックを試すことが出来、第2、第3章はストレスがどのような方法で、体と心をむしばんでいくのか最新の知見が集められている。後半は、各種ストレス対策の紹介だが、時間の制約から番組では取り上げられなかったものも含まれており、あっという間に一気読み。

 1時間ほど待っているうちに読み終えたので、 “中待合へどうぞ”の番号が電子掲示板に出ないうちに血圧測定。99-65、脈拍は85。
 その後15分ほどして中待合に入り、30分ほどで先生がお顔を出され名前を呼ばれた。普段は水曜日が診察日だが、今日はイレギュラーで木曜日。診察室が元の慣れた部屋だったので、そう言うと、ああ、木曜日はこちらが使えるのですよ、とのこと。

 開口一番、「今朝は雪で大変でしたね」と言われる。「はい、それを見越して前泊してきました。」とお答えする。「雪、といえば(私が住んでいる市は)必ず中継されますものね」と冷やかされる。そして「さて、お加減いかがでしたか?」と問われ、「概ね元気ですが、寒かったり気圧の変化があったりで痛みがありました。10日ほど前、土日にちょっと無理をして片づけをした翌朝、いつにも増して胸の痛みと息苦しさがあり、やり過ごすのに往生しました。」とご報告。

 「肩や腕が痛いということはなかったですね?」と確認されたが、「そんなことはありませんでした。」とお答えする。そして、「前回の投与後は、やはり2日ほど気持ち悪さがあり、ナウゼリンを数回飲みました。手持ちがなくなったので、今日は処方して頂きたいです。」とお願いする。ずっとムカつきはなかったのだけれど、「抗がん剤が入っていますから(出ても不思議ないです)ね」とのこと。

 採血結果は特に変わったこともないとのことだったが、気になる腫瘍マーカーCA15-3はまたも1割の上昇。「すぐに薬を変えるほどではないし、粘れるだけ粘りたい。ただし、いつまで粘っていいものかわからない。次に使うつもりの薬がとても良いというわけでもないので」と前回と同じお答え。

 薬を替えるケースと替えないケースの予後を自分のコピーロボットで試すわけにもいかない。粘りたいのは私自身の希望でもある。悩ましい。グラフは目盛りを大きくとればかなりの角度で上がっているように見えるし、目盛りを小さくとればそれほど急カーブで上がってもいないように見える。とはいえ、8年前、再発後初めて投与した抗がん剤タキソテールを始める前と同じくらい大きな値である、すなわちここ8年で最も高い数値であることも確かだ。

 ひとまず、次回3週間後はレントゲン撮影の予約が入り、腫瘍マーカーも測定することになった。その結果、よほどのことがない限り年内は今と同じ治療を続行する。ここでじたばたしても仕方ない。結果によってはまた年明けに仕切り直しである。
診察室での検温は6度7分。

 「では、今日は予定通り治療しましょう。」と仰り、前回同様2種類の漢方とデノタスチュアブルを3週間分、ロキソニンに加え、ナウゼリンのジェネリックであるドンペリドン(なんだかシャンパンのような名前でびっくり)内服薬を処方して頂き、ご挨拶をして診察室を後にした。

 化学療法室へ移動し、待ち時間は恒例で、夫やお友達に報告LINEやメールを打つ。10 分ほどしてSさんから窓側のリクライニング椅子に案内される。外は雪。かなりの勢いで降り続いている。帰りは足元が大変なことになりそう、と憂鬱になる。

 席で態勢を整えるが、混んでいるのかなかなかどなたも見えない。20分ほどして、初めてお目にかかる看護師さんが見える。「初めまして」とご挨拶すると、前回おめでたが分かったKbさんが異動され、その代わりに先週からこちらに異動になったという。Mさんだ。初めてなので、ということで針刺しの前の消毒だけして、Okさんが付き添ってくださるまで待つことに。胸元を開けたままで放置は長い。

 漸くOkさんがお見えになり、Mさんが一つずつ確認しながら、慎重に針を刺してくださったけれど、やはりちょっと痛む。

 その後10分ほどして「薬が届きましたので、点滴を始めます。」とMさん。点滴をセットするのも不慣れな様子で、緊張が伝わってくる。こちらまでちょっとドキドキしてしまう。生理食塩水で満たした後、カドサイラ(T-DM1)。順調に点滴も読書は進み、1時間半で終了する。

 終了時の血圧測定と抜針もMさん。100-61、脈拍は59。抜く時もOkさんの立ち合いのもとで。ここでも真剣さが伝わってくるが、衝撃が強く、痛んだ。「慣れるまで大変ですね。」と労ったけれど、かなりストレスが溜まっておられるだろうなと思う。皆、そうやってだんだん慣れていくしかないのだろうけれど、化学療法室はやはり大変な職場だと思う。

 診察までは順調だったが、化学療法室ではかなり時間がかかった。看護師さんたちにご挨拶して部屋を出た。今日も計算時間を見計らって自動支払機へ移動したが、混んでいたのかかなり長いこと出来上がらず30分ほどかかった。採血と点滴の3割負担で12万円弱のカード支払い。

 外に出ると、少し雪が弱まっている。足元が悪く、慎重に歩くと肩が凝る。荷物も多いし、傘を差しているし、コートも身体も重く感じる。薬局へ移動して、それほど混雑していないように見えたが、薬剤師さんが少ないのか、なかなか呼ばれない。後からの方に抜かれることはいつもどおりで、30分ほどしても番号を呼ばれず。ナウゼリンのジェネリック薬の説明があり、「気持ちが悪くて・・・」とコメント。2,000円弱の現金払い。

 今日は前泊のおかげで病院到着を1時間半近く早められた。それでも、昨日の祝日の影響や雪の影響もあり、結構な時間がかかった。最寄りの私鉄は遅れたというし、自宅から出かけていたらいったい解放されるのは何時になっていただろう。病院と薬局の滞在時間は合わせて5時間半強。駅ビルで早速ランチの前にドンペリドンを飲んでからゆっくり控えめに食事をし、本を読みながら帰路についた。

 2冊目は鷲田清一さんの「人生はいつもちぐはぐ」(角川ソフィア文庫)。
 “朝日新聞「折々のことば」の哲学者がつむぐ日々の思考、「これで死ねる」と最後にいえるその日まで”という帯に惹かれて手に取った。裏表紙には「まなび、痛み、しあわせ、自由、弱さなど、身近な言葉を起点に広がってゆく哲学エッセイ」とあったが、どれもこれも、胸に響く言葉がちりばめられていた。うーん、生きていくって大変だけれどやはり素敵なこと。随分昔のことになってしまったけれど、“これから学ぶなら哲学だ”と言って再び学位を取り直した職場の先輩の言葉を思い出した。

 それにしても寒い。ライナー付きのトレンチコートに厚地のストールを巻いていたけれど、身体が縛れる感じに寒い。ランチの間、窓の外は吹雪のように雪が舞っていて、どうなることかと思ったけれど、最寄り駅に到着すると既に止んでいたのでほっとした。

 それでも病院周辺に比べて、かなり積もっているのに驚く。11月とは思えない。まだ銀杏もカツラも紅葉しているのに、雪の重みで枝がしなっている。明るいうちに帰宅できたが、とにかく寒い。ああ、エアコンが無事についていて本当に良かった、来月まで待っていたらとんでもなかったと思った。

 シャーベット状の道をへっぴり腰で歩いて帰宅したせいか、ぐったり疲れてしまった。ムカムカも続き、生唾がひっきりなしに出て気分もすぐれず。それでも休み休み頑張って夕食を作った。治療の翌日、明日一日頑張れば土日である。今日は早く休みたい。
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