ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.10.25 貴女の笑顔は永遠に

2015-10-25 21:37:12 | 日記

 Kさんが亡くなったというご連絡を受けてから1週間。
 先週の通院後、お通夜に伺ったけれど、お焼香を済ませご主人とご子息にご挨拶だけして早々に失礼し、柩の中の彼女のお顔を拝見することはしなかった。
 ただ、白と彼女が大好きだったピンク色の花々で設えられた祭壇に飾られたKさんの遺影と、お清めの席に飾られていた数多くのご家族との幸せな写真だけを拝見してきた。

 心が疲れていて自然に防衛本能が働いて、きちんとお別れをすることが出来なかったのかもしれない、と思う。
 彼女と初めてお目にかかったのは2010年1月、患者会東京支部の集まりだったか。Sさんに紹介して頂いたのだったと思う。その年の6月くらいから今年の1月まで、殆ど毎月のようにランチ会でご一緒してきた。
 私より10歳年上で、会の中ではお姉さんの役割。とても高校生のお孫さんがいらっしゃるとは思えない若々しさとバイタリティ。色々と相談に乗って頂いたけれど、いつも前向きで、ご主人と二人の息子さんたちにとても愛され大切にされていて、文字通り笑顔が向日葵のような明るい方だった。

 今年1月末のランチ会―あの時がKさんとの最後になるとはとても思えなかった。
 新年早々に会のメンバーだったTさんが亡くなったばかりで、もっぱらそのお別れの時の話でもちきりだったと記憶している。
 その時に彼女が考え抜いた様子でこう言われた。「言ったらいけないなって思うけど、それを承知で言うね。(棺桶の中のTさんを見て)“死んだら終わりだ”って、思った。」と。
 一緒にいたSさんと答えに窮したのを覚えている。
 亡くなったTさんと同じ部位に転移があり、いったん厳しい治療を終えていた彼女はどれほど不安で怖かったのだろうと思うと、言葉がない。
 お目にかからなくなってからも時折メール等で連絡を差し上げていたけれど、お返事は殆ど途絶え、直接彼女から返事があったのは7月が最後だった。そして、ご主人からメールを頂いたのは8月末のこと。

 彼女の訃報に接した時「Kさん、死んだら終わりだって言ってたじゃない!なのに、なぜ?」―そう叫びたかった。
 冗談で「もし、棺桶に入ったときにカツラがずれていたら、こっそりちゃんと直してよね」とお互いに言い合ったこともある。
 でも、冗談でなく柩に入ってしまった彼女の姿を、私はとうとう見ることが出来なかった。

 9ヶ月近くお目にかかっていなかったから、まだ、会がお休みになっているから会えないだけ。元気になってまた会うことは出来る、とどこかで信じていたいのかもしれない。

 初発から14年、再発治療を11年続けてこられた。
 Kさん、私の中で貴女の笑顔は永遠です。長い間本当にお疲れ様でした。どうぞ、天国でもその笑顔で待っていてくださいね。

 合掌。
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