ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.7.3 旅行3日目、猛暑にめげず予定は全てコンプリート!無事帰京

2016-07-04 22:13:53 | 
 少々無謀なチャレンジだった785段制覇の後遺症・筋肉痛でふくらはぎが酷く痛む。起床後は恒例の足湯で揉みほぐすが、なかなか元通りにはならない。今日もいいお天気どころか朝から燦燦と太陽の陽射し。予想気温は35度に達するかもしれないとのこと。

 レストランでビュッフェの朝食。郷土の味が沢山。じゃこ天や五色素麺を頂く。ジュースはフレッシュなオレンジの絞り立て。ちょっと苦味があるが、それがまた食欲をそそる。美味しい。ジャムも柑橘類のホテルメイド、美味である。
 熱中症予防のため水分もたっぷり補給し、荷物をまとめてチェックアウト。荷物を預けて身軽になったら、まずはホテル傍にある「坂の上の雲ミュージアム」に向かう。朝9時から開館という嬉しさ。
 「坂の上の雲」はいわずと知れた司馬遼太郎氏の長編歴史小説だが、NHKが足掛け3年間に渡ってドラマ化したのが記憶に新しい。放映開始当時の2009年11月末は、ちょうど再発治療で休職中。ご贔屓の阿部ちゃんが秋山真之の兄、好古役を演じていたこともあり、録画してワクワクしながら視たのだった。

 タキソテールの副作用で緊急入院、から自宅に戻ったばかりで体調は最悪だった。3年後の完結編まで見届けることが出来るのだろうか、などと半ば冗談でなく心配したものだった。

 それが2011年末の完結編はおろか、その5年後の現在、松山のまち全体を屋根のない博物館とする「フィールドミュージアム構想」の中核施設である、2007年開館のこの美術館にまで足を延ばしているのだから、我ながら大したものだ。
 一歩足を踏み入れると、なぜかとても懐かしい雰囲気。建物は三角形の大胆な形状をしており、展示フロアは2階から4階。各階はスロープで結ばれている。小説の冒頭の語りからスタートし、知らないうちに坂の上の雲を目指してなだらかな坂道を登っていくような作りになっていて、いい感じ。1968年から1972年までの新聞連載全1296回分が壁一面にプリントアウトされていたのは圧巻。

 司馬遼太郎氏直筆の原稿を見たり、騎兵隊で有名な好古が乗っていた馬の模型に跨ってその高さを体験してみたり。いや~、来られて良かった。10時からはミュージアムカフェもオープンして、土日限定「ふるさとの空」というスイーツも供されるということだったけれど、時間がないので残念だけれど、ぐっと我慢。のんびりしていられないということで、もう一人の主人公であった子規の特別展も超特急で見せて頂き、ショップでちょっと買い物をして、僅か小一時間で後ろ髪を引かれる思いで建物を後にした。

 ホテルの部屋からその姿が見えて気になっていた萬翠荘も見学。戦禍を免れ、歴史と風格を備えた国の指定重要文化財。大正11年、旧松山藩主、久松定謨(さだこと)伯爵の別邸として建てられ、皇族方のお立ち寄りの館とされていたという。今は愛媛県美術館分館として利用されているそうだ。

 ミュージアムから緑溢れる道なりに進むと、フランス風の洋館がその優美な姿を現し、絵葉書のよう。池のほとりには色とりどりの紫陽花が暑さにうだっている感じ。2階の居室まで見学する時間はなく、1階の晩餐の間等のみで、我慢。それでも日本初のマントルピース、素晴らしいシャンデリアやステンドグラスを拝み、大正浪漫溢れる雰囲気にうっとりとしてため息をついた。

 次なる目的地、江戸時代に建築された天守が現存する全国12城の1つ、松山城へ向かう。徒歩圏内だが、それにしても暑い。日傘を差していても汗が滴る。帽子も被らず、丸腰の夫はちょっと気の毒。坊ちゃんのコスチュームを身にまとった係員の方たちが、券売機の前で大勢の来館者をさばいていた。

 ロープウェイ・リフト往復はどちらを選んでもOK。ちょうどロープウェイが発車間際だったので、そのまま乗り込む。車中ではマドンナの衣装を着た女性係員が案内してくれる。どこにでも入りたがる私は「ロープウェイを降りても、お城までは坂道を結構歩くし、遠いし、あとの時間を考えると急がないと。」と、以前訪れた夫から釘を差され、天守閣入場は諦める。

 それにしても暑い。34度だという。青い空に青い海、でどこを撮っても写真は映えるが、うだるような熱風にだんだん顎が出てくる。天守閣とマスコットキャラクターのよしあきくん(加藤義明公)と、ツーショットの写真を写して、早々に引き上げる。帰りは重要文化財の門の前で、槍を持って鎧兜に身を包んだ(どれだけ暑いだろう・・・熱中症にならないとよいけれど、お気の毒にと思う。当時のサウナスーツといったところか。)方たちと記念写真。

 ここでしか頂けないという“いよかんソフトクリーム”を頂き、水分も摂って、しばし売店内で涼む。帰りは一人乗りリフトで。日傘がさせず、僅か数分の空中散歩の間でもじりじり肌が焦げる感じ。暑い。水を飲んだら今度は塩気が欲しい。

 帰路は愛媛物産館で“蛇口をひねるとみかんジュースが出る”いう、観光客のフォトスポットでジュースを頂いて喉を潤す。美味しかった。
 秋山兄弟生誕の地も入館する時間はなく、門の外から記念写真を撮っておしまい。残念。そして、一日数回運行されている坊ちゃん列車に乗ろうと駅へ急いだのだが、運悪く運休。そのまま普通の市電に乗って道後温泉リベンジに向かった。車内の冷房が本当に涼しく、生き返る感じ。

 10分少々で道後温泉駅に到着。真っ暗だった昨日と比べ、燦燦と明るく雰囲気がまるで違う。まずは入浴を済ませてしまおうということに。「本当は霊の湯の個室席がいいのだけれど、10年前に息子と一緒に訪れた大広間を見てみたいでしょう。」と夫に言われ、札場で神の湯2階券を購入。当時は、湯上りにお茶と坊ちゃん団子が供されたのに、お煎餅になってしまったと夫がブツブツ言っている。

 下足箱に靴を入れ、改札で入浴券をもぎってもらって急な階段を上がり、2階のお休み処に移動。当然冷房はなく、かなり暑い。館内写真は撮れないというのが残念。息子と一緒に来た10年前は撮れたのだけれど、とのこと。ゆかたを貸して頂いて、籠と座布団のある場所に案内される。記念に浴用タオルを購入。いい香りのみかん石鹸がセットになっている。

 籠には何か目印を置いて席を立ってくださいね、といわれ夫と別れて浴場までの通路に案内される。女性には更衣室があり、ゆかたを汗取りに使った後着替えにお使いくださいとのこと。お風呂は1階。銭湯感覚でフレンドリーな雰囲気。お昼だからか、それほど混んでいない。地元の年配の女性が数人。だんだん観光客らしき方たちが入ってくる。

 丁度良い大きさに丁度良い湯加減。いいお風呂である。脱衣所にはドライヤーが3分10円、マッサージ機が20円と、10円玉の威力を感じさせるお値段設定でレトロさに和む。

 なかなか汗が引かないまま2階に戻ると、夫は既に団扇片手にお茶とお菓子では足りずに牛乳を飲んだ後。さらにサイダーもなどと言っている水タンクである。私も懐かしのフルーツ牛乳を頂く。日本人でよかったと思う瞬間である。それにしても暑い。ずっとここで涼んでいるわけにもいかず、意を決して着替えへ。女子更衣室とある小部屋には、期せずしてエアコンが入っていた。この汗だくでどうやってストッキングを履こうと思っていたが、ほっとする。

 温泉を後にして、向かいの麦酒バーで湯上りビールと洒落込んだ。夫は「坊ちゃん」という名前の道後ビールを、下戸の私は無粋だが、有機栽培オレンジジュース。じゃこ天をおつまみに塩分摂取。美味しく沁み渡る。暑くてとても食欲はないと言いつつも、冷房の効いたカウンターでお腹が空いてきたという夫は鯛茶漬けを注文し、私もちょっとお相伴。

 当初の予定ではこの後、古民家カフェに行ってお茶をして帰るだけだったのだが、突然夫が「近くに八十八箇所の札所のいいお寺があるので行ってみないか。」という。う~ん、暑いし無理しなくてもと思ったのだが、息子が病気療養中だった私に初めて病気快癒のお守りを買い求めてくれたところだと聞き、では、とタクシーに乗り込んだ。

 初乗り料金ですぐに到着。団体さんが来ており、お遍路さんの姿も沢山。遍路の元祖とされる衛門三郎の再来伝説ゆかりの寺でもあるという。立派な山門があり、ちょっと独特の雰囲気の熊野山虚空像院石手寺は第51番札所である。ご本尊の薬師如来様にお参りを済ませ、タクシーを呼んで駅まで戻る。残された時間はあと30分。

 それでも諦めずに予定通り古民家カフェへ急ぐ。1階は愛媛県産の優れものを扱う、というコンセプトのセレクトショップ。2階がカフェだ。階段は急で、建物は80年も経っているそう。格子戸のガラスがやや歪んでいて年代を感じさせ、風情がある。ちょうど3時。坊ちゃんやマドンナが出てくる駅前のカラクリ時計を、窓から見られてラッキー。手作りケーキと美味しい紅茶を頂いて、あわててお支払いをして市電に飛び乗る。

 予定したより1台早い市電に乗れ、ホテルで荷物ピックアップ。リムジンバスも1台前のものに乗り込めた。30 分ほどで空港到着。近くて便利だ。

 チェックインしてすぐにお土産品を調達。同時刻に福岡、伊丹と東京行きの3便がかぶっていて、保安チェックが長蛇の列。ラウンジでお茶をするのは諦めて列に並び、定刻どおり無事乗り込む。やはり行き(の高松)よりも遠いね、と言いつつ風景を楽しみながら定刻に羽田に着陸。夕食を済ませてリムジンバスで自宅最寄り駅へ向かった。日曜夜ということで渋滞もせず、スムーズに到着。最寄り駅周辺も、うだるような暑さの残りがまだ蔓延している感じ。

 簡単な買い物を済ませてタクシーで帰宅。すぐに荷物整理と洗濯を済ませ、翌日の仕事に備えてブログアップは諦め入浴、就寝。ふくらはぎが痛むままバタンキュー。力尽きてあっという間に寝ついてしまった。あぁ・・・・。


コメント
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