いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

加藤紘一 はハト派か?

2005年11月20日 10時41分16秒 | 日本事情
今朝のサンプロ(【後記】、まちがい。フジTVの報道2001,です。)で招かれた加藤紘一と町村信孝について、ホストの竹村健一がハト派・タカ派という図式で解説した。当然、加藤がハトである。ハト派とかタカ派のレッテル張りのばかばかしさは安倍晋三の名言;ハト派はハト派と呼ばれることに快感を感じる夢想家である、がある。

さて、その加藤紘一はハト派なのか?
加藤は自説を展開する。①靖国問題さえ解決すれば日中問題の大半は解決する。②日中は経済関係が日米より大きくなりつつあるので重要である。③日本政府はサンフランシスコ講和条約の「精神」をよく守って、首相・官房長官・外務大臣は靖国神社に行くべきでない。

こういう主張がハト派とよばれるゆえんらしいのだが、コメントする。
①こういうことはない。根本的問題は日本と中国の根本的に国家や社会の[建前上の]価値観が異なる。日本は[建前上]自由と民主を価値として、中国は[建前上]共産主義の共産党独裁国家である。靖国をやめればどうなることでもなかろう。②これが問題である。中国は[建前上]共産主義の共産党独裁国家であるのに、自由市場や労働者の人権を前提とする[疑似]資本主義をやっている。共産党がでたらめをやっていることは、例えば汚職・腐敗のとどまるところをしらないことによって明らかである。中国とビジネスで利益を上げようとする日本の資本は、こういう中国共産党の疑似資本制に依存して利益を上げているのである。どんなに利益があがろうと、自由市場や労働者の人権を前提としない資本主義を容認する日本企業は、実は、中国共産党並の頭脳と神経の持ち主であるということである。これは現代の「関東軍」といわざるを得ない。極めて悪質である。③日本政治家は、日本政府がサンフランシスコ講和条約の実質無効化を上品にやるよう、努力しなければいけない。これは憲法改正とあわせての戦後の終焉へ必須である。

もっとも、加藤の言い分でおかしかったのは、5月の中国での反日デモについて、2週デモが続いた後中国共産党の幹部は数千人の学生を会堂に集めて、日中関係は重要だ、何より君達の仕事先が増えるんだ、と説得したからデモが鎮静化した、と中共を評価している。 こういう加藤の神経こそが根本的におかしい顕著な点である。

別に日本の自由主義者は中国の反日デモそのものは勝手である。それを共産党がどうのこうのすることが間違っているのである。中共幹部が学生に日本資本の手先になれるからデモをやめれ、というのはわらえる。それだけ中共は錯乱しているということだ。加藤は、共産党や官僚が支配しても、結果がよければいいと評価する。官僚出身で一度も自ら稼いで納税をしたことがない加藤の官僚的体質と中共の体質は共鳴しあっているのである。だから加藤は中国が好きなのだ。もっとも、中国共産党と日本の自民党は戦後一貫、官僚制を基盤とした一党独裁であった点は同じである。なので、第3パラグラフで、日本は [建前上]自由と民主を価値として、と書いた。やっぱ、自由と民主なんて建前なのよね。その問題は別途考えねばならない。

PS■前原民主党党首が、テレビで、近衛文麿は国際情勢は複雑怪奇と言った、といったがそれは平沼首相ちゃうか?



たちばな

2005年11月16日 20時52分33秒 | 草花野菜


今年の5月5日、ラジオで、

~♪~ たちばな かおる あさかぜに ~♪~

とやっていたので、冬に橘の実があった木を思い出し、顔をよせ、クンクンとやった。

すこし香りがしたが、風にのるような強さではなかった。


札幌 古書・薫風書林

●話題はまったく変わるが、猪口邦子大臣といえば、昔西尾幹二センセが猪口邦子批判をしていたな、と思い出していた。 【後記】ので、久しぶりに西尾センセブログをのぞくと、果たして猪口批判がリバイバルしていた。

今、リバイバル or 回顧 or とんだ伏流水の噴出?の心境のようだ。西尾センセ。

●気の利いたブログで、保守系は西尾センセ、ポストモダン系は内田センセのリンクが、まるで護符のように、貼られている。 おいらは、がきのころから西尾センセの書いたものにふれたことはあるがシビレタことは一度もない。

●たとえば、西・西論争なる、現代ヨーロッパへのつすきずんの態度をめぐる、西尾センセと西部センセの、中央公論での、論争も、おいらは断然、にすべセンセにシビレテいた。西尾はニーチェ読みの自分をときに自慢し、一方、西部はニーチェ嫌悪を演技する。 しかし、果たして、その生き方は断然西部の方が「ニーチェ」している。

●西部は「保守」「保守」と叫ぶが、それはオノレがアナーキストとしてどっかに吹っ飛んじまうことを、暗か明か、わかっていて、地上への錨として「保守」を叫んでいるのである。 はっきりいえば、冗談でいっているのである。悪く言えば欺瞞だ。 その点、福田和也と同じだ。

▼さて、その昔、西尾センセが猪口女史に怒った点は、「猪口がパックス・アメリカーナは磐石である。なぜなら、ナンバー2の日本がアメリカ追従であるからである。」と主張していたことだと、おいらは、記憶している。 つまり、交戦権という国家主権の第一のものを放棄し、対米追従を寿いでいるとはなにごとか!という主張だったような。

 【後記】この記事投稿のあと、西尾センセブログに西尾センセ猪口女史批判がリバイバル掲載されますた。

▼とまれ、その猪口女史の主張は現在の自民党政府にまさに合致しているので、大臣さんには全くふさわしいということはいうまでもない。

★でも、西尾センセの誹りは、 「工事現場のシートを引きずっている」、には負けるよ。








小泉さんを支持したのは「精神の貴族」なのか?あるいは「紅衛兵」なのか?

2005年11月14日 19時51分02秒 | 日本事情

■このブログの小泉さんの謎に書いた問題; 小泉新自由経済体制で損するはずの雑民がなぜ小泉・自民党を支持するのか? についていんてりさんも謎だ!?といい、多くの「おサヨク」ブログはこの問題でもちきりである。

■この問題に「当事者」から直球の発言があった。
一部ブログでも話題の「竹中平蔵公式ウェブサイト」のスタッフが書いた記事;
現在リンク切れ;
 ●フリーターと新しい自民党との革命的可能性(1)

 ●フリーターと新しい自民党との革命的可能性(2)

この竹中事務所スタッフ氏は、フリーターこそ終身雇用という主張をして、フリーターは負け犬ではない。したがって、「おサヨク」が小泉を支持したフリーターを負け犬扱いするのはまちがっていると。

この竹中事務所スタッフ氏の発言にコメントすると、若者が小泉さんを支持したという調査結果はでているが、フリーター、あるいは(いわゆる)非正規雇用者、が小泉さんを支持したという調査結果はない。さらに、もし本当にフリーターこそ終身雇用と思うのであれば全然問題ない。現状に満足なのだから。問題は、例えば、(いわゆる)非正規雇用者が(いわゆる)正規雇用者と同一の労働をしても賃金がちがうとか、待遇の違いがあることである。

しかし、確かに調査結果はなくとも、旧田中派とそれに群がり甘い汁を吸って不当に既得権をもって特に努力もせずにのんべんだらりんとしている連中への鉄槌という雰囲気はあった。

旧田中派的なものばかりを標的とするのではなく、成果主義・能力主義では評価されないはずであるのに、大卒中年男性だからという理由で大卒中年男性に特権を与えてきた日本社会は改革の対象でしかないと、考える人が噴出した。こういう人たちはこれまでの日本社会の主流派ではなく、周辺あるいは下層のひとたちだ。その意味で主流派に反逆する「紅衛兵」的なものとなる。その反逆性において。

(いわゆる)正規雇用者の一部(大半?)は一度正規雇用者になったので「既得権」に守られ、高賃金が保障されている。つまり、労働生産性のわりには労賃が高い。これは、もし現在流行のネオリベ(ネオリベラリズム)・「市場原理主義」に従うのであれば、賃金が下げられるべきだし、雇用が流動化されるべきである。

竹中事務所スタッフ氏は、この市場原理主義の尖兵としての役割を若者・フリーターに期待しているらしい。竹中事務所スタッフ氏は,言う;

ここには、小泉総理と若い層が「真ん中」の層をサンドイッチにして「文化大革命」をしかけている、という新鮮な構図が。

    破壊力なし?

▼さて、この竹中事務所スタッフ氏の「フリーター・ネオリベ尖兵論」は自論を展開しているのではなく、川本三郎氏の新聞でのインタビュー記事をだしにしている。川本の「造反有理」的ものいいは、あいかわらずともいえる。ただもうすっかり馬鹿であることがばれてしまった左翼やおサヨクに則って造反有理をすることは期待できないので、小泉革命に期待したのだろう。若者を、紅衛兵のごとく、躍らせることに。

▼川本の発言のなかでおもしろいと思ったのが;

(川本氏)「・・・経済的にみれば豊かでないかもしれないが精神的には、上流階級という人たちがいるんですよ。私はその層にものすごく期待しています」

つまり、「精神の貴族」が小泉改革を支持していると。このインタビューには出てこないが、川本の最近の仕事は永井荷風だ。荷風といえばいんちき日本近代、いんちき中産階級を心底ばかにし、徹底して自分の美学のために生きた御仁である。川本は今回の小泉革命を荷風のごとき精神の貴族が支持したと幻視しているのかもしれない。

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<荷風ごっこ>ですってんてん。



豚組

2005年11月12日 14時06分47秒 | 東京・横浜


東京都・港区

■北海道は豚肉文化である。豚丼はあたりまえ。すきやきも豚でやる。今は知らないが、20年前は札幌の一人当たりの牛肉消費量は全国最低だった。1970年代末、吉野家チェーンの全国展開で札幌にも店舗をだしたが、つぶれて撤退したという伝説があった。今じゃ札幌にも吉野家はある。変わったものだ。北海道人なら牛は好んで食わない。雪のときは傘ささない。道産子の基本だべさ(...?)。

今日のリンク; ひとつ鍋

「開拓のはじめは、豚とひとつ鍋」。 でもそのブタさんを食っちまうんだから....。