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DreamzFM夢飛船「DreamzFM3」(シンガポール)

2005年01月31日 03時18分09秒 | CD紹介
 シンガポールのポップスを耳にする機会は少ないだろう。実は、中国系シンガポール・マレーシア人歌手の多くは台湾で活動する。台湾が事実上、北京語ポップスの中心になっているからだ。台湾人の歌手達に混じっていると、プロフィールを聞くまでシンガポール人・マレーシア人だとわからなかったりする。
 私が初めてDreamzFM(夢飛船、FMはFlying Machineの略)を見たのは、陶晶瑩の「愛[口約]」MV。ラップとも歌ともつかない、ボソボソしたコーラスをしてた。その後、彼らのデビュー曲「[イ尓]愛[女也]我愛[女也]」で名前を知った。台湾でデビューしたが、あまり売れなかったようで、シンガポールに帰ってきてしまった。プロデューサーと合わなかったのかもしれない。帰ってからシンガポールのミュージシャン達と作った2ndは、当地ではまあまあ売れたらしい。(東京でメジャーデビューしたけど、やっぱり故郷へ帰って地道にインディーズで頑張ってるようなものだろうか)そこで自信をつけて出した3rdがこれ。気の合うミュージシャンと、じっくり作ったのがよくわかる、バランスのいいアルバムで、彼らの曲作りの才能と、ボーカル、コーラスの力を如何なく発揮している。
 1曲目からファルセットを駆使した美しいハーモニーで、甘~いプロポーズソング「STAY WITH YOU」を聴かせてくれる。便利に使うだけの不実な彼女に引導を渡す「7.11的愛戀」、浮気ばっかりしてる彼女にちょっと恨み節の「壊毛病」は、3人の中ではややハスキーで低音のCavin(写真中央)がボーカル。ビージーズさながらの「戦略高手」はJim(写真右)のファルセットが冴える。「守護星」は後に香港の梅艶芳がデュエットアルバム「With」でカバーした。共演は蘇永康タイトルは「両粒糖」。オリジナルに負けないように、蘇永康も必死でファルセットしてました(笑)
 3人で曲を作っていく様子の録音や、ラジオのDJのようなお喋りも入っている。シンガポール政府の「ボランティア活動をしよう」キャンペーンソングや、シンガポール観光宣伝ソングは英語。そういう歌を入れるところに、「シンガポールで頑張ろう」という意気込みが感じられる。が、しかし・・・このアルバムが出たのが2001年。その後、ドラマの主題歌などを歌ったという話はあるのだが、アルバムは出ていないのだ。Jim林毅心は作曲家として売れっ子になっている(いろいろな歌手のアルバムで彼の名前を見かける)。Ric劉瑞聰は元々グラフィックデザインをやってたらしく、ジャケのデザインも彼が手がけた。Cavin蘇志城は舞台に出たり、ラジオのDJもやってるらしい。もう3人で歌う予定はないんだろうか・・・。だとしたら、かなり寂しい。チャートの中心は台湾で活躍する人で占められても、地元で頑張るアーチストがいてほしい。
 実は、わざわざシンガポールへ録音しに行く歌手がいるほど、シンガポールのミュージシャンの質は高いのだ。ちょっといい音だわ~と思うと、ギターやベースに参加してたりする。プロデューサーにも名手が多い。北京語ポップスを支えているのはシンガポールかも?! ただし、台湾のレーベルから出ていないCDは流通ルートにのりにくい。DreamzFMはデビューが台湾だったおかげで、日本の業者も名前を知っていて、2ndや3rdを仕入れてくれたが、他のアーチストだと入手自体が難しいかも。現地へ行った時に買うしかないようだ。う~ん。

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