フィギュアスケート・世界選手権2024、ペア・フリー(ジャッジスコア)。
<G1>
ダリア・ダニロワ/ミケル・チバ(オランダ) SP:59.07(17) FS:113.17(12) Total:172.24(14)
「The Chain」♪ 紺。3ツイストはまとまっていたが少しマイナス。3サルコウ、2アクセル+1アクセル+1アクセルと揃え、スローもループ、フリップと完璧。背中にのせるダンスリフト、スプリットポジションのリフトと技術は安定。
パワフルで二人の動きがよくシンクロしていて、見ごたえ十分。終わってぴょんぴょん跳ねて喜んでいた。
アナスタシア・ヴァイパン‐ロー/ルーク・ディグビー(イギリス) SP:54.69(20) FS:98.37(20) Total:153.06(20)
「Survivor」「Gangsta's Paradise」♪ 黒つなぎ、黒。最初にバックアウト・デススパイラルを持ってくるのは珍しい。3ツイストはレベル2だがいいGOEをもらえた。2トウ、2アクセルとジャンプは予定通りにはいかず。スロー3ループ、スロー3サルコウは頑張った。
コレオやリフトの下ろし方に女性を横抱きにする動きが多い。最後に女性を男性の頭の上から後ろへ回転させて下ろすアクロバット。
ミラニア・ヴァーナネン/フィリッポ・クレリチ(フィンランド) SP:55.40(19) FS:100.62(17) Total:156.02(18)
「Young and Beautiful」「Help」♪ ブルー、白。3ツイストはレベル2でも出来は良い。3サルコウがきれいに揃ったが、3トウからのシークエンスはそろわず。スローは2フリップと3ループ、こらえた。ウェストキャッチから上げるリフトが複雑な動き。ペアスピンでリフトから肩を組んでフィニッシュ。
本人比でいい出来だったようで、めっちゃ喜んでいた 得点はそれほどでもなかった模様。
イウリア・チチェティニナ/ミハル・ウォズニアク(ポーランド) SP:56.24(18) FS:99.67(19) Total:155.91(19)
「I Love You」♪ 赤紫の濃淡、黒。3ツイストはレベル3でGOEも良い。3トウをそろえてきれいにトランジションに。2アクセルで男性がステップアウト、1アクセル+2アクセルを続けたが? スローフリップは2回転に、スロー3サルコウ頑張る。コレオで肩に抱えるリフト、終盤たたみかけるリフトがシームレス。
終わって緊張から解き放たれた表情がなんとも
整氷のザンボが入る前に、キーガン・メッシングが巨大なカナダ国旗を持ってリンクを回り、司会者らしき人(後でナム・ニュエンとパトリック・チャンだと判明)が何かプレゼントらしいものを観客席に飛ばしている。
<G2>
ヴァレンティナ・プラザス/マクシミリアノ・フェルナンデス(アメリカ) SP:61.64(13) FS:112.51(14) Total:174.15(13)
「トップガン マーヴェリック」「Hold My Hand」♪ ワインカラー、白夏軍服風。3ツイストでレベル4、3トウは女性が転倒、つなぎでも転倒してしまった。2サルコウ+2アクセルなんとか。スロー3フリップ、スロー3ループはOK。女性をリフトした状態から入るペアスピンが面白い。終盤のリフトは男性ワンハンド女性ノータッチで手の上に座るようなポジション、さらに男性が片足になるという
ミスはあったが自己ベスト更新
ソフィア・ホリチェンコ/アルチョム・ダレンスキイ(ウクライナ) SP:59.34(16) FS:100.05(18) Total:159.39(17)
「Smells Like Teen Spirit」♪ 黒つなぎで胸と背中にストーン、黒の肩にストーン。2フリップ+2トウ、3サルコウとジャンプをそろえる。3ツイストは下ろす時やや詰まった。スロー3ループ、スロー3サルコウ決まる。女性が逆立ち姿勢になるペアスピン、揃ってスパイラルやイーグルのコレオ。男性の股下をくぐらせてから上げるリフト、キャリーリフトは男性がイナバウアー。最後のデススパイラルで女性が途中で止まってしまった。
終わって女性が自分の頭をトントン
彭程(ペン・チェン、Cheng PENG)/王磊(ワン・レイ、Lei WANG)(中国) SP:59.50(15) FS:106.17(16) Total:165.67(16)
「魔法使いの弟子」♪ 黒、白。3トウ、女性が転倒。3ツイストレベル3はさすがの出来。スローループが2回転で転倒、2サルコウを揃えて立て直す。スロー3サルコウの高さが素晴らしい。リフトはどれも安定感がある。足を高く上げてからのバックアウト・デススパイラル。
組んでからの期間がまだ短く、完成度が今ひとつ。来季はもっとよくなるだろう。
ケリー・アン・ロリン/ルーカス・エチエ(カナダ) SP:60.18(14) FS:109.30(15) Total:169.48(15)
「You Don't Own Me」「Independent Mind」♪ 前組の得点が出る前から歓声がすごい。3ツイストはレベル2だがいいGOEがつく。2アクセル+1アクセル+2アクセル、できた!と思ったら最後に女性が転倒、惜しい。3サルコウも女性が転倒したが、スロー3ループ、スロー3サルコウは片手付きで耐えた。リフトで女性がエッジと足をホールドする姿勢は偉い。
転倒は悔しいが、まずは初出場で滑りきれたのが何より。
<G3>
リア・ペレイラ/トレント・ミショー(カナダ) SP:64.83(9) FS:122.10(7) Total:186.93(8)
「グラディエーター」♪ クリーム色にゴールド、赤にゴールド。地元ペアに歓声が凄い 3ツイストでレベル3、3トウ+2アクセル+2アクセルこらえる。スロー3ループは転倒したが、3サルコウ見事に揃えた。デススパイラルを出て女性が両膝をつくポーズの振付が素敵 女性の足を抱えるリフトのコレオ、最後のキャリーリフトでリンク1周近く、ダイナミックだった。ペアスピンから女性を肩の上に載せてフィニッシュ。
アナスタシア・ゴルベヴァ/ヘクター・ジオトプロス・ムーア(オーストラリア) SP:63.35(11) FS:119.36(8) Total:182.71(10)
「シェルブールの雨傘」♪ ラベンダー、水色シャツ。3ツイストは縦回転に近い。3トウ+1アクセル+2アクセル、頑張った。一瞬リフトからスロー3サルコウ決まる。2人でサルコウは2回転に。後半スロー3ループが素晴らしい出来 リフトも安定して、ラストは足を絡めてのムーブメントで。
エミリー・チャン/スペンサー・アキラ・ハウ(アメリカ) SP:62.86(12) FS:112.58(13) Total:175.44(12)
「エクソジェネシス交響曲第3部」ミューズ♪ 紫。3トウ+1アクセル+2アクセル頑張る。3ツイストレベル3の評価は高い。3サルコウはなんとか、スロー3ループは片手つき。足を絡めてのシット姿勢スピンが独特。スロー3サルコウの転倒が悔しいところだが、二人が重なってイーグル連続のコレオとか、逆回転とキャリーから首に足をかけて回して下ろすリフトとか、細かいところが良くてもっと見たくなるプログラム。
エリー・カム/ダニー・オシェイ(アメリカ) SP:64.44(10) FS:115.97(11) Total:180.41(11)
映画「ノクターナル・アニマルズ」♪ 赤、黒。アメリカのチームにも歓声が大きい。3ツイストレベル3でまとめ、3サルコウが上手く揃った。スロー3ループ、スロー3フリップ共に転倒は悔しい。3トウ+2トウは間にオーバーターンが入ったが2人とも着氷。
イーグルの膝上に立たせてから上げるリフトは、肩に座らせてから下ろす。個性はあるが、今日は発揮しきれなかった感じ。
<G4>
アニカ・ホック/ロベルト・クンケル(ドイツ) SP:67.64(7) FS:130.59(5) Total:198.23(5)
「Without You (Extended)」♪ 赤と黒つなぎ、黒に赤ストーン。3ツイストでレベル4、3サルコウそろえ、2アクセル+1アクセル+2アクセルも頑張る。リフトから逆立ちしながら下ろし、スロー3フリップが素晴らしい。キャリーリフトで見せ、スロー3ループも入った。女性がキャッチフットのペアスピンから、その姿勢のまま出てきてフィニッシュへ。
終わって充実の笑顔 キス&クライではコーチたちもそろってポーズ。自己ベスト更新に感激
ルクレツィア・ベッカリ/マッテオ・グアリゼ(イタリア) SP:66.12(8) FS:119.28(9) Total:185.40(9)
「キャッツ」♪ 茶と黒系つなぎ。女性は髪を高い位置で2つのお団子にして、猫耳風 3ツイストはレベル4でうまくいった。3トウ+1アクセル+1アクセル、揃わず。サルコウは2回転に。スロー3ループ、スロー3サルコウは大きなジャンプになった。
つなぎの中で女性が転倒、どうしたことか。
アナスタシア・メテルキナ/ルカ・ベルラヴァ(ジョージア) SP:72.02(5) FS:117.28(10) Total:189.30(7)
「ミリオネア・ワルツ」クイーン♪ 赤、白ブラウスにグレーベスト。ここまでで最高の評価を受けた3ツイストレベル4! 3サルコウ+2アクセル+1アクセル頑張る。スロー3フリップ雄大に、3トウもきれいに揃えた。コレオにスピニングムーブメント、スロー3ループはステップアウト。難しい姿勢のリフトが華やか。しかし最後のリフトが上がりきらず 開脚してから右回り⇒普通のペアスピン。
こんなはずでは、、、という顔。
マリア・パヴロヴァ/アレクセイ・スヴィアチェンコ(ハンガリー) SP:68.01(6) FS:136.59(4) Total:204.60(4)
「My Perception Of Love」「Iron 2021」♪ グレーから深緑、ネイビー。冒頭の3ツイストレベル3から全くミスなしのオールグリーン。ペアではほとんど見たことない 3トウ+2アクセル+2アクセル、スロー3フリップ、3サルコウ。背中にのせるようにして下ろすリフト、スロー3ループは壮大。スプリットポジションをきっちり見せるリフト、キャッチフットのまま入るバックアウトデススパイラル、足を絡めるペアスピン。
技術の見事さに目を瞠る。終わって男性が大きくガッツポーズ、当然の自己ベスト大幅更新
<G5>
ミネルヴァ・ファビアン・ハーセ/ニキータ・ヴォロディン(ドイツ) SP:72.10(4) FS:138.30(3) Total:210.40(3)
「The Path of Silence」「Power of Mind」♪ 黒つなぎ。3ツイストレベル3、3トウ+2アクセル+2アクセルの最後に女性が転倒。3サルコウはOKで、スロー3ループ、スロー3サルコウ共にスムーズ。ペアスピンの出の横抱きリフト、コレオの逆立ちリフトなどユニークさもある。
全体をまとめてトップに立つ。
サラ・コンティ/ニッコロ・マチイ(イタリア) SP:72.88(3) FS:124.46(6) Total:197.34(6)
「ニュー・シネマ・パラダイス」♪ 黒、白シャツにサスペンダー。イタリア人がこの曲を滑るのは本場という感じ。3ツイストは下ろすときにふらついてGOEマイナスがついた。3トウ+2アクセル、少し乱れたところで2人がアイコンタクトで次を跳ばない決定をしたところはさすが。スロー3ループは手をついたが、スロー3サルコウは美しかった。
リフトを下ろすところでミスが出て、、、終わってがっくりのニッコロと舌を出すサラ。
ディアナ・ステラト‐デュデク/マキシム・デシャン(カナダ) SP:77.48(1) FS:144.08(2) Total:221.56(1)
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」♪ 黒に赤と白、白シャツの中に赤。レベル4の3ツイストがもう! 3トウ+1アクセル+2アクセル、こらえる。3サルコウまとめ、肩に座らせてから下ろすリフト。スパイラルからキャッチフットのまま入るデススパイラル、リフトから入るペアスピン、スロー3サルコウ、スロー3ループ、どこにも隙がない。最後のリフトからもう観客が大歓声
終わった瞬間はもう涙。もちろん自己ベスト更新
三浦璃来/木原龍一 SP:73.53(2) FS:144.35(1) Total:217.88(2)
「Woman – She Was Waiting for Her Mother at the Station in Torino and You Know I Love You Baby」♪ 黒の裾にピンク、黒。3ツイストはレベル3だが雄大。3トウ+2アクセル+2アクセル、そろった! スロー3ルッツ決まり、サルコウは璃来ちゃんが2回転に。スロー3ループもしっかり下りて、得意のランジ・キャリー・ランジのリフト。
積み上がっていく技術点が前の組に迫る。速い回転のダンスリフトで終わると、前の組を超えていた。全然負けてない、素晴らしいプログラムにカナダの観客もスタンディングオベーション
しかし、出しきって笑顔の龍一君の横で、璃来ちゃんの渋い顔。サルコウ2回転が許せないらしい。得点を見てまた泣きそうに、、、本気で連覇を狙っていたからこそ、悔しいんだろう。コーチに慰められていた。
結果、地元カナダのステラト‐デュデク/デシャンが優勝、2位三浦/木原、3位ハーセ/ヴォロディン。4位パヴロヴァ/スヴィアチェンコ、5位ホック/クンケル、昨年3位のコンティ/マチイは6位。
来季枠は、カナダ・日本・ドイツが3、ハンガリー・イタリア・ジョージア・オーストラリア・アメリカが2。来年、りくりゅう・ゆなすみ・さえルカの3組がそろって出場してほしい
表彰式、りくりゅうは"medical reason"で参加せず。ちょっと心配、、、大丈夫かな。
明日はアイスダンス・リズムダンスと女子フリー。みんな頑張れ~~~
フィギュアスケート・世界選手権2024、男子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
<G1>
セメン・ダニリアンツ(アルメニア) SP:73.46(23)
「マスク」♪ 黄色ジャケ、緑の手袋に顔を描いてある。最初からノリノリの曲で観客が手拍子で、4トウ、3アクセル、後半3ルッツ+3トウと流れる着氷ではなかったが下りる。パーカッションで元気よくステップ。
今大会男子で最年少の選手が、会場をしっかり温めてくれた
アレクサンドル・ヴラセンコ(ハンガリー) SP:51.50(40)
「Une Vie D'Amour」シャルル・アズナヴール♪ 白シャツ黒ベスト。今季までジュニアと掛け持ち。冒頭の3アクセルはややふらついたがこらえる。3ループは単独にしたが、フリップが2回転になり、付けたトウも2回転になってしまった。
シットスピンの途中に入れるジャンプが高い。体の動きが全体に硬いので、表現力はこれからかな。
ドノヴァン・カリージョ(メキシコ) SP:80.19(15)
「SexyBack」「4 minutes」♪ 黒系。最初からセクシーな動きで観客にアピール、4サルコウ、3アクセルと楽に決めて波に乗る。両手上げ3ルッツ+3トウ、根性で耐えた。明らかに以前よりスケーティングが良くなっていて、ストレスがない。シットスピンをスライディングで出て、音といい感じに合っている動きのステップも楽しい。
終わって大きくガッツポーズ、氷にキス 自己ベスト更新の80点台に感激!
アレクサンデル・ズラトコフ(ブルガリア) SP:64.77(37)
「Je Dors Sur des Roses - Mozart l’Opéra Rock」♪ 黒系。落ち着いてきれいな3ルッツ+3トウ、3ループは下りてイーグルに。キャメルスピンの姿勢がきれいで、出方のジャンプも良い。アクセルは2回転だが流れはある。
ステップからそのままスピンに入っていく。高難度のジャンプはないが、実力を出しきってオールグリーン ベストも更新。
ヤリ・ケスラー(クロアチア) SP:68.32(29)
「Angela」♪ 全身グレー。大きく体を動かして滑り出し、3ルッツ+3トウ、3ループとしっかり決める。2アクセルはイーグルから。キャメルスピンで軸足も上げている足もびしっと伸びている姿勢がめっちゃ美しく、チェンジエッジも見事。つなぎで居れる動きや、大きなスプリットジャンプから入るステップなど、運動能力の高さと体の柔らかさを感じる。
独特の魅力がある選手。シーズンベストが出た。
<G2>
ヴァルター・ヴィルタネン(フィンランド) SP:66.55(34)
「Saturn」♪ ブルー系。1987年6月生まれ、織田信成や柴田嶺と同期にあたる。氷に跪く姿勢から、ゆったりと滑り出す。3ルッツを決め、大きなイーグルでリンクを一周、3トウ+3トウが入る。長い助走から2アクセル。
静かに一つ一つの動きに心を込めるステップでじんわり、スケートの回転する音も響くスピン。沁みる演技。
ダヴィド・ルートン・ブレン(モナコ) SP:71.58(26)
「Sign of The Times」♪ 赤から黒。予定を変えてアクセルは2回転に。3ルッツ+3トウが美しく流れる。キャメルスピンの姿勢がさりげないようできれい。スパイラル姿勢から3ループ、ユニーク ステップやスピンの出に織り込むバタフライがカッコいい。
実力を出しきった演技で自己ベスト更新
ゲオルギイ・レシュテンコ(チェコ) SP:65.35(36)
ベートーヴェン「三重協奏曲ハ長調」♪ 赤と黒。大きな4トウに2トウを付け、するっと3アクセルを決めたが、ルッツが2回転になって無効0点になったのが痛い 体の動きはしなやかで、スケーティングは今後伸びそう。
トマス‐ロレン・グアリノ・サバテ(スペイン) SP:68.35(28)
「St. James Infirmary Blues」「Happy」♪ グレー。さりげなく3アクセルを決め、3トウ+3トウはちょっとこらえた。単独ジャンプは3サルコウ。曲が変わって手拍子をもらいながら、元気よく機敏にステップ、意外と(?!)踊れるところを見せた。スピンの出に片手側転でフィニッシュ。
ブラク・デミルボガ(トルコ) SP:68.18(30)
「Bones」♪ 黒系。3アクセル問題なく、3ルッツ+3トウと安定。3フリップはちょっとステップアウト。小柄な分、スケーティングも小さく見える気がするが、出来は悪くない。シーズンベスト更新。
<G3>
ニキータ・スタロスティン(ドイツ) SP:67.34(32)
チャイコフスキー「くるみ割り人形」♪ 白にゴールド、水色パンツ。バレエ音楽らしく優雅なポーズから。アクセルが中途半端な2回転になってしまった しかし両手上げ3ルッツ+両手上げ3トウが見事に決まり、曲が盛り上がっていくところでスピードに乗って両手上げ3フリップも決まる。しっかり表現しながらステップでレベル4、スピンをジャンプで出てすぐツイズル、キャメルスピンでも締めくくりにふさわしい盛り上がり。
ヴラディミール・サモイロフ(ポーランド) SP:67.81(31)
「Weapon Of Choice」「Rockafeller Skank」♪ フリンジ付き白グレーTシャツ。イヤホンを外してポケットに入れる仕草でポジションに着き、タテノリしながら滑り出す。4サルコウ、3アクセル、大きく跳び過ぎて(?!)ステップアウト。3ルッツ+3トウもめっちゃ大きくて、なんとかこらえた。イーグルで観客を煽りながらステップ、楽しいプログラム。意外と体が柔らかいところを見せるI字スピンから側転でフィニッシュ。
イヴァン・シュムラトコ(ウクライナ) SP:66.90(33)
「Melody from The High Pass」♪ 白シャツ。腕に赤ん坊を抱えるような、書物を読むような、ダンスをするような。様々な動きを織り交ぜながら、3アクセルを決める。ルッツが2回転になったが必死に3トウをつけた。3フリップも着氷。
追い求めるような動き、驚くような表情、思いは全て国のこと。得点より順位より、今の彼には大事なことがある。
キム・ヒョンヨム(韓国) SP:74.89(21)
「Music」♪ 黒系。ユースオリンピックのチャンピオン。3アクセルは助走にかける時間が長めだが、きれいに決まる。3ルッツ+3トウ入り、キャメルスピンは出てキック。3フリップも問題なし。曲がアップテンポになるところで、切れのいい動きでステップを踏むと手拍子が起こる。いい感じに盛り上がる曲で、スピンも上手だった。
終わって両手でガッツポーズ。
ルク・エコノミド(フランス) SP:74.02(22)
「Selah」カニエ・ウェスト♪ グレー系、ところどころ穴を開けてある。3アクセルは少しこらえたが減点にはならず。3フリップ入り、3ルッツ+3トウはぎりぎりだが大丈夫。足替えキャメルスピンは逆回転を見せる。ラップ歌詞で激しく動くステップ、スピンの出に片手側転でフィニッシュ。
キス&クライにはフローラン・アモディオさん。
マウリツィオ・ザンドロン(オーストリア) SP:69.59(27)
「L'ultima notte di Amore」♪ ブルーにストーンたくさん。3アクセル、3ループと決めて、流れに乗ってシットスピン。3ルッツ+3トウも丁寧に決めた。一つ一つの要素が安定していた。
コーチが凄く喜んでいる
<G4>
アンドレアス・ノルデバック(スウェーデン) SP:76.20(20)
「Personal Jesus」♪ 黒系。面白い振付から駆け出すように滑り出し、3アクセルを決める。3ルッツ+3トウは少しふらついたが耐えた。曲が変わるところでいい感じに踊る振付、3フリップは余裕。シットスピンは途中ジャンプも姿勢も良く、出のバタフライも良し。ステップにも面白い動きが入っていて、基本を抑えながら個性があるプログラム。
ロマン・サドフスキー(カナダ) SP:84.28(11)
「Unconscious」♪ グレー。地元の大歓声の中、きりっとした表情で滑り出す。見事な4サルコウ、3アクセル。3ルッツ+3トウも決まると、会場がぐっと沸く。スピンは元々上手いが、ステップも伸びと振付、音の拾い方が完璧。久しぶりに見るノーミス演技に、観客もコーチも大興奮
シーズンベスト大幅更新
エドワード・アップルビー(イギリス) SP:59.51(38)
「You Should Be Dancing」「Disco Inferno」♪ ブルー。今季までジュニアと掛け持ち。冒頭の振付から“ディスコ!”のノリで観客はすぐ乗ってきた。3アクセルはステップアウトして両手をつく。3フリップは2トウをつけるのが精いっぱい。両手上げ3フリップはフェンスに近づき過ぎて危なかった。
スピンをキックで出てステップ、今日は踊りきれたかな
マーク・ゴロドニツキー(イスラエル) SP:80.49(14)
「月光ソナタ」♪ 白。ギターアレンジの曲で、3アクセル、3フリップ+3トウと短い助走でさくっと跳ぶ。3ルッツを下りてフラメンコのようなポーズ。ステップはさらにフラメンコらしく、きびきびと動く。魅力的なプログラム
さっそくQが付いた。
イ・シヒョン(韓国) SP:73.23(24)
「Feeling Good」マイケル・ブーブレ♪ 黒タキシード風に蝶ネクタイ。得意の両手上げで4トウ、決まった。音がパン!と鳴るところで3アクセル、、、と思ったら転倒。両手上げ3ルッツ+両手上げ3トウは大丈夫。キャメルスピンが少し不安定かも ステップは長身を目いっぱい使って表現。
転倒のほかに時間オーバーの減点がもったいない。
ヴラディミール・リトヴィンチェフ(アゼルバイジャン) SP:72.16(25)
「ライオン・キング」より「Circle of Life」♪ オレンジと茶。予定を変えて最初は4トウ、惜しくも転倒。次の3アクセルはきれいに決まった。コンビネーションは3フリップ+3トウ。
スピンの時、頭が最後まで残っているのがよい。シットスピンをイリュージョンで出て、祝祭感あふれるステップを展開。映画の世界を見せてくれた。
Qが付かず、ちょっと渋い顔。
<G5>
ウェスリー・チウ(カナダ) SP:78.00(18)
「ロミオとジュリエット」♪ 紫系、胸に剣が刺さったハートの刺繍。4トウで手をついたが巧く2トウをつける。3アクセル鮮やか、3ルッツ問題なし。伸びやかなステップは小さいジャンプをしたところで一瞬バランスを崩したのがもったいない。しっかり物語を見せる終盤のスピン。
Qがついてほっとした顔のキス&クライ。
アダム・ハガラ(スロバキア) SP:65.37(35)
「Another Love」♪ 白赤黒。世界ジュニア銅メダリスト。3フリップ+3トウはスムーズだったが、ツイズルから入る3アクセルでステップアウト、手をついた。キャメルスピンでバランスを崩して無効に 観客の励ましの拍手に、きれいな3ルッツで応える。最後まで丁寧に滑り切った。
アレクサンドル・セレフコ(エストニア) SP:84.08(12)
「Pharaoh Ramses II」「The Mummy's Curse」♪ 黒。エジプト風の曲で、4トウは手をついたが着氷。3アクセル、めっちゃ力強い。3ルッツ+3トウ頑張った。
「ほら行くよ!」という感じで煽ってから、個性的なホップなどが入るステップ。指を付いてハイドロのような動きから入るスピンで締めくくった。
ガブリエレ・フランジパーニ(イタリア) SP:82.63(13)
「Keeping Me Alive」♪ 黒。イーグルから4トウ+3トウが入った。4サルコウは転倒したが、ゆったりと3アクセルが入る。氷に手をついて開脚とか、ステップに織り込んだ片手側転とかが面白い。キャメルスピンではちょっとトラベリングが目立ったが、終わって本人は満足そう。
金博洋(ジン・ボーヤン、Boyang JIN)(中国) SP:58.53(39)
「Vienna」♪ 黒。冒頭のルッツが2回転になり、次のトウも2回転になって、ジャンプ2つが0点になるなんて 3アクセルはオーバーターン気味だが下りる。観客が手拍子で後押しする中、曲の世界観を表現するダイナミックなステップでレベル4。スピンの姿勢もジュニア時代に比べるとすごくきれいになった。
ジェイソン・ブラウン(アメリカ) SP:93.87(4)
「Adios」♪ ♪ 黒に赤。ステップの一部のように軽々と跳ぶ3フリップ! 「6分間練習で苦労していた」と解説が言う3アクセル、見事に決まった! 3ルッツ+3トウ、しっかり決めると会場がぐっと沸く。回転が速く姿勢が美しいキャメルスピンは彼の代名詞。ステップはただ息をのんで見つめてしまう。
滑る芸術品、みんな夢中
<G6>
カムデン・プルキネン(アメリカ) SP:78.85(17)
「A Different Kind of Love」♪ 黒Vネック。冒頭の4トウ、回ったが転倒。3アクセルは膝を深く曲げてきれいに着氷、3ルッツ+3トウもスムーズ。盛り上がるタイプの曲ではないが、滑らかなスケーティングをステップでしっかり見せる。シットスピンをダイナミックなスライディングで出てフィニッシュ。
ミハイル・シャイドロフ(カザフスタン) SP:80.02(16)
「マトリックス」より「Clubbed to Death」♪ 裾の長い黒ジャケに緑。冒頭の4ルッツ、抑える着氷。3アクセルはスムーズ、キャメルスピンの足がピンと伸びてきれい。4トウ+3トウ、バランスを崩した。シットスピンをバタフライで出て、ステップには片手側転も。
今日は少し勢いが足りなかったかも 得点に不満そうな顔。
ニコライ・メモラ(イタリア) SP:93.10(6)
ラフマニノフ「前奏曲嬰ハ短調」♪ 赤。冒頭の4ルッツが完璧 3アクセルも美しく、3ルッツ+3トウも言うことなし。キャメルスピンの難しい姿勢、長身をきれいに動かすステップ。ピアノの音を丁寧に拾いながら、曲の世界観を存分に表現した。
終わって大きくガッツポーズ。自己ベスト更新
デニス・ヴァシリエフス(ラトビア) SP:89.42(8)
「ハレルヤ」♪ 黒Vネック。カナダの観客にとって大切な曲で、3ルッツ+3トウ、3フリップ、4回転じゃなくても人を魅了するジャンプができる キャメルスピンの見事さ、後半3アクセルも高いGOEをもらった。ステップは足元も上半身の動きも曲と一体で、ただ見とれる。最後のシットスピンはトレードマーク、これも見惚れるばかり。
今日はできたぜ! シーズンベストにコーチたち、ランビエールさんにブリアンさんも笑顔。
ルーカス・ブリツィギ(スイス) SP:93.41(5)
「I'm In the Mood for Love」「Superstition」♪ 黒上着。4トウ+3トウをしっかり決めると、3アクセルは軽々。シットスピンを終えると、お待ちかね!上着のボタンを外して色とりどりのシャツを見せ、元気よく踊り出す。3ルッツが決まればあとは楽しいステップ、片膝を伸ばしてスライディングとか
自己ベスト更新!
ニカ・エガゼ(ジョージア) SP:92.08(7)
「アヴェ・マリア」♪ グレー系。短い助走で4サルコウ+3トウ、回転が速い。4トウも3アクセルも、スピードを全く落とさずに跳んでいく。動きがシャープでぐいぐい惹きつける。
また神演技で自己ベスト大幅更新
<G7>
鍵山優真 SP:106.35(2)
「Believer」♪ 黒系。びしびしとポーズを決めながら動き出し、高さと幅と着氷と完璧な4サルコウ。4トウ+3トウも危なげなく、キャメルスピンは腕の動きでも見せる。3アクセルが決まればあとはステップ、滑走と言う言葉がふさわしい。そのエッジワークと表現、ただ息をのんだ。
終わって顔をおさえて喜ぶ。シーズンベストとほぼ同じ得点でトップに立つ。
三浦佳生 SP:85.00(10)
「This Place Was a Shelter」♪ ダークグレー。4サルコウを巧く下り、3アクセルはややこらえたが着氷。4トウで転倒、コンビネーションにできなかったのが痛い 心を込めてステップ、スピードは落ちず。最後のシットスピンはちょっとトラベリングの跡が氷に残っていた。
チャ・ジュンファン(韓国) SP:88.21(9)
ハチャトゥリアン「仮面舞踏会」♪ 白ブラウス。得意の4サルコウ、きれいに下りた!と思ったら、続けた3トウで転倒 しかし次の4トウが見事。慎重に3アクセルも決め、そのまま入るシットスピンの途中ジャンプと出のバタフライが美しい。コンビネーションスピンでは得意のレイバック姿勢も見せ、動きが優雅で雄大なステップ、スライディングを豪快に決めてフィニッシュ。
イリア・マリニン(アメリカ) SP:105.97(3)
「マラゲーニャ」♪ 赤と黒。楽々と半分くらいの力で4トウ、4ルッツ+3トウに高いGOEがつく。イーグルからの3アクセルは鮮やか。フラメンコらしくポーズを決めながらステップ、手拍子と共に。空中横回転は何度見ても凄い
終わってほっとしたような顔。
宇野昌磨 SP:107.72(1)
「I Love You Kung Fu」「Clair de Lune」♪ ラベンダー。軽やかに動き出し、4フリップで高いGOE。4トウ+3トウ、跳べた キャメルスピンは回転速く、3アクセルはスピードと幅がある。あっという間に終わる気がするステップ、スピンとシームレスだった。
得点を見てびっくりしている。十分に値する演技だった。
アダム・シャオ・イム・ファ(フランス) SP:77.49(19)
「The Prophet」ゲイリー・ムーア♪ 黒Vネック。4ルッツ、ステップアウトして単独に。3アクセルの着氷で引っ掛かってしまい、4トウは完全に軸が傾いて転倒 観客が励ます拍手、片手側転から入るステップでは横宙返りなども入れて魅了する。スピンを大きなジャンプで出てフィニッシュ。
やってしまった、、、
結果、宇野昌磨がトップ、1.33点差で鍵山優真が2位、0.38点差でマリニンが3位。上位3人が100点越え。ブラウン4位、ブリツィギ5位、メモラ6位、ここまでがフリー最終グループ。エガゼ7位、ヴァシリエフス8位、チャ・ジュンファン9位、三浦佳生が10位。
地元カナダ勢はサドフスキー11位が最高。フリー進出ボーダーラインは73点台だった。金博洋、世界ジュニア3位のハガラがまさかのショート落ち。。。
フリーは日本時間で日曜の朝から。