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4回転なしで

2015年01月17日 00時20分55秒 | スポーツ

 昼間、辻井伸行が弾く「パガニーニの主題による狂詩曲」を聴いて、つい羽生結弦が世界ジュニアで優勝したときの映像を見直してしまい スコアを見て阿部コーチと二人で「すご~い」と喜ぶ姿が懐かしい。
 5年前は、トリプルアクセル2本が入るだけで“すご~い”得点が出せていた。今はもう、ジュニアでも4回転を跳ぶ選手が珍しくない。4回転なしではジュニアのチャンピオンになれない日も近い
 世界ジュニアで4回転を成功させた選手は、ケヴィン・レイノルズやヤニック・ポンセロなど数人いるんだけど、意外にも4回転に挑戦した上で優勝した選手は、2012年に閻涵(Han YAN)が決めるまでいなかったようだ。4回転は下りたけどほかでミスしたとか、演技構成点が低かったとか、高得点に結びついてなかった感じ。
 2013年優勝のジョシュア・ファリスは、4回転トウループで転倒したがフリー2位で逃げ切った。ファリスは2012/2013ジュニアグランプリファイナルでも挑戦して転倒している。
 このときファイナルで優勝したのはマクシム・コフトゥン、こちらは4回転をばっちり決めた。世界ジュニアに出なかったのは、翌年のソチ五輪出場枠をかけてシニア世界選手権に派遣されていたからだろう。
 2013/2014ジュニアグランプリファイナルフリーで、4回転を3本も決めて優勝した金博洋(Boyang JIN)は、世界ジュニアではちょっとふるわず。優勝したのはフリーに4回転を入れてないナム・グエンだった。2位ピトキーエフ、3位ネイサン・チェンも4回転は入れてなかった。
 先日の2014/2015ジュニアグランプリファイナルフリーでは、金博洋が再び4回転3本に挑戦。しかし1本をきれいに下りた宇野昌磨が、完璧な演技で圧倒した。この二人のバトルは、世界ジュニアで再現されそうだ
 シニア男子で、4回転をプログラムに入れずに世界チャンピオンになることは、もうないだろうと思う。ジュニアでも、フリーで4回転を跳ぶのは当たり前になるだろうか。
 大きな大会では挑戦する選手が必ずいるだろう。ただ、演技構成点がまだ高くないから、4回転を入れるならきっちり成功させた上で、ほかのジャンプも大きなミスなくこなさないと、結局4回転なしでクリーンなプログラムを滑った選手のほうが高得点、というケースも多くなりそう。
 技術的にはジュニアの段階でほぼシニアと同程度になる(下手するとシニアより高い?!)女子と、体格的にもまだ技術が完成しきれない男子。4回転より、スケーティングなど基本をレベルアップしたほうが、将来を考えると望ましい
 宇野昌磨選手の急成長は、スケーティングやステップが卓越しているところに、ジャンプが加わったことで可能になった。このパターンがベストかも 4回転から攻める系と4回転なし完成度を高める系のせめぎ合いは、ジュニアではまだ続く?

コメント
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