フィギュアスケート・世界選手権2014、女子ショートプログラム(ジャッジスコア)。
<グループ1>
#1 ネッタ・シュライバー(イスラエル)
「Take Five」♪ ボーイッシュなパンツスタイルで登場。3回転を決め、コンビネーションで3-3に挑戦したがセカンドで惜しくも転倒。アクセルが1回転になった? 43.49。
#2 キム・ヘジン(韓国)
「シェルブールの雨傘」♪ この曲は鈴木明子のエキシビションを思い出させる。3回転ルッツ、3回転フリップ+2回転トウループなど安定していた。終わってとても嬉しそうな笑顔。51.83。
#3 ガブリエル・デールアン(カナダ)
「Cancion Triste」「Angelica」♪ しなやかに体を使ってタンゴを踊る。ルッツ+トウループの3-2を決め、フリップはこらえた。本人は満足そう。55.72、自己ベスト更新でさらに大喜び。
#4 ケルスティン・フランク(オーストリア)
クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」♪ 3回転ルッツ+2回転トウループは決まったが、サルコウが2回転に 長いスパイラルからのダブルアクセルはきれいだった。44.11。
#5 アンナ・オフチャロバ(スイス)
「Gypsies - Folk Music」♪ サラ・マイアー引退後、久々にスイスから有望選手が登場。3回転ルッツ+2回転トウループ、3回転ループ、ダブルアクセルときれいに決めた。黒に緑と赤をあしらった衣装が色白の肌を引き立たせる。テンポが速くなっていく終盤に乗りのいいステップ。ビールマンスピンもきれいだった。終わって大きくガッツポーズ。キス&クライで「アリガトウ」。54.19。
<グループ2>
#6 ジェナ・マコーケル(イギリス)
「Imagined Oceans」♪ 海のように濃い青の衣装。今日はジャンプ絶好調で、高さも流れも十分!コンビネーションは元々3-2だし、単独ジャンプがトウループと難度は高くないが、出来栄えはよかった。50.56、シーズンベスト。
#7 アンネ・リーネ・ヤッシェム(ノルウェー)
「Maria and the Violin's String」♪ さわやかな水色の衣装。サルコウからの3-2、ループ、ダブルアクセルと決まった。キャメルスピンで拍手。49.48、自己ベスト更新。
#8 ニコル・ライチョヴァ(スロバキア)
「愛のイエントル」♪ 村上佳菜子のフリーと同じ曲で、締まって見える紺の衣装。3回転ルッツ+2回転トウループがきれいに入り、サルコウはちょっとこらえる。ダブルアクセルは流れがきれいだった。伸びやかに体を動かすステップ、なかなかいい。49.24、自己ベストまであと少し。
#9 カート・ヴァン・ダーレ(ベルギー)
「Bring Him Home(彼を帰して)」♪ ジェレミー・アボットのプログラムを思い出す曲。冒頭のサルコウは着氷でつまったのでコンビネーションにせず、終盤のトウループを3-2にした。46.05。
#10 パク・ソヨン(韓国)
サン=サーンス「白鳥」♪ サルコウから3-3を決めた!ルッツはステップアウト。レイバックスピンの姿勢がきれいだと思う。白鳥らしい優雅な仕草も愛らしい。57.22、自己ベスト更新。ここまでのトップに立ってフリー進出決定。
<グループ3>
#11 ポリーナ・エドムンズ(アメリカ)
「Pink Cherries Cha Cha Cha」「Besame Mucho」「Another Cha Cha」♪ ラテンの曲で明るく踊る。ルッツから3-3を跳んだがセカンドで惜しくも手をつく。フリップ、アクセルは問題なし。60.59。
#12 エリシュカ・ブレジノヴァ(チェコ)
「タンゴ・アモーレ」♪ 兄のブレジナ選手はSPの後棄権したが、妹の試合のリンクサイドに来ていた。3回転ルッツからのコンビネーションでは、2回転トウループを片手上げで。ループとダブルアクセルは根性でこらえた。わりと大柄なのでステップはダイナミックに見える。終わってガッツポーズ。49.34、自己ベスト更新。
#13 アニタ・マドセン(デンマーク)
「Totentanz」♪ この曲よく聞くけど、映画音楽なのかな? 最初のジャンプで転倒したが、次のサルコウに2回転トウループをつけてリカバリー。44.15、シーズンべスト。
#14 ブルックリー・ハン(オーストラリア)
「Prayer for Taylor」「タイタニック」♪ 今日もフェンス際からスタート。トウループの3-2、ループ、ダブルアクセルととてもスムーズ。静かな前半と激しい後半のメリハリがあって、丁寧なステップを見ると、基本練習を真面目にやっているんだろうな、と思う。53.20、自己ベスト更新。
#15 インガ・ヤヌレヴィチウテ(リトアニア)
「サムソンとデリラ」より「バッカナール」♪ ダブルアクセルから入り、ルッツからの3-2、フリップと決まった。どの要素も安定して完成度が高かった。47.20、自己ベスト更新でにっこり。
<グループ4>
#16 ユリア・トゥルッキラ(フィンランド)
ストラヴィンスキー「火の鳥」♪ トウループの3-3がするっと決まった!と思ったら、ループが1回転に スピンや全体の振付がよかっただけに惜しい。45.57。
#17 アンナ・パゴリラヤ(ロシア)
「エル・チョクロ」♪ オレンジの衣装に揃いの手袋、大人っぽいメイクで登場。3回転ルッツ+3回転トウループをあっさり決めると、ループも軽々。きれいな姿勢のキャメルスピン、ぶんぶん高速のウィンドミル、本人も満足の出来。「これでオリンピックに出られなかったなんて」とユーロスポーツのコメンテーター。66.26、自己ベスト大幅更新。
#18 ソニア・ラフエンテ(スペイン)
シューベルト「死と乙女」♪ 最初のジャンプで転倒したが、次のループには2回転トウループをつけた。ダブルアクセルは余裕があり、全体の流れはまあまあよかった。今のコーチはブライアン・オーサー氏。43.94、シーズンベストだがこれではフリーは厳しい・・・
#19 ケイトリン・オズモンド(カナダ)
「Big Spender」「Rich Man's Frug」♪ フリップ-トウループの3-3から元気よく決めていく。ルッツもイーグルからのダブルアクセルもばっちり、なのにレイバックスピンでよろけてしまった でもポニーテールを振りながらコケティッシュな振付で手拍子を誘う。終わって「やっちゃったぁ~」という感じでおでこを叩いた。62.92、シーズンベストに手をたたいて喜ぶ。
#20 ナタリア・ポポワ(ウクライナ)
「アランフエス協奏曲」♪ 最初のフリップは単独にとどめ、サルコウに2回転トウループをつけた。オリンピックのときより体がよく動いていた感じ。キス&クライで「アリガトウ」、とりあえずこれだけ覚えてくれる選手が多い。50.32。
#21 エレーナ・グレボワ(エストニア)
「Love in Three Acts」♪ 最初にトウループの3-3がすごくきれいに決まった。サルコウはちょっとステップアウト、アクセルがシングルに 後半のステップはかなり盛り上がったのでもったいないミス。
<グループ5>
#22 浅田真央
ショパン「ノクターン」♪ 柔らかな表情。トリプルアクセル、決まった なめらかなスケーティング、美しいスピンの姿勢。フリップ決まる。ループのコンビネーション、決まるとふわっと笑顔。ピアノの音のひとつひとつに、所作がはまっていく。完璧な演技に、観客全員が立ち上がった。78.66、自己ベスト更新
(追記:歴代世界最高も更新)
#23 村上佳菜子
「バイオリン・ミューズ」♪ 気合いの入った顔。トウループ3-3跳んだ! 丁寧に動き、ダブルアクセルが決まると、ぐんと顔が輝いた。60.86、点が伸びないのは回転不足か・・・
#24 鈴木明子
「愛の賛歌」♪ 競技生活最後のショートプログラム。いとおしむように、味わうように、ひとつひとつ決めていく。3-3コンビネーション、苦しみから放たれるダブルアクセル、愛と喜びに満ちたスケート。71.02、自己ベストは初めての70点台
#25 カロリーナ・コストナー(イタリア)
シューベルト「アヴェ・マリア」♪ 美しすぎて、見てるだけで幸せすぎる。3回転フリップ+3回転トウループ、ループ、アクセル、減点するところはどこもない。ただ伸びやかな、心地よく伸びるスケートに酔った。77.24、自己ベスト更新に幸せそう。
#26 李子君(Zijun LI)(中国)
「タンゴ」♪ 最初のジャンプでステップアウト、でも次のジャンプをコンビネーションにしなかった。忘れた?! スピンで少し安定しなかったり、「いつもより動きが小さいですね」(解説:八木沼純子さん)と言われるステップだったり。54.37。
#27 グレイシー・ゴールド(アメリカ)
グリーグ「ピアノ協奏曲第1番」♪ この選手も最高の演技をしてくれた!冒頭の3-3からジャンプはきっちり、きびきびとシャープな動きで盛り上がる音楽そのままのステップ。フランク・キャロルコーチについてから、所作の細かいところまで美しくなったと思う。70.31、彼女も自己ベスト更新。
<グループ6>
#28 アシュリー・ワグナー(アメリカ)
「Shine On You Crazy Diamond」♪ ワグナー選手も輝いた 3-3を決め、ループもこらえた。ロックのリズムに乗った力強いステップ。63.64、「(コンビネーションの第2ジャンプが)ダウングレードになってしまいました」(解説:八木沼純子さん)。
#29 ナタリー・ヴァインツィエル(ドイツ)
「フィーバー」♪ 世界ランク26位、第5・第6グループでは一番格下の選手だけど、3-3コンビネーションほかジャンプを全部決め、スピンもしっかり。アフタービートの手拍子がステップを後押し、終わって小さくガッツポーズ。60.82、またもや自己ベスト更新の選手が出た。
#30 ユリア・リプニツカヤ(ロシア)
「You Don't Give Up On Love(愛はまごころ)」♪ 落ち着いて淡々と滑って跳んでいく。最後のジャンプが決まったところでようやく少し笑顔。74.54、自己ベスト更新。
#31 マエ=ベレニス・メイテ(フランス)
プリンス「Question of You」♪ 予定を変更してトウループの3-3にしたのは正解、見事に決めた。ループ、ダブルアクセルも迫力があり、リズムにのって躍動するステップ、フライングからいきなり足首をホールドするキャメルスピンなど、最後まで魅せてくれた。ガッツポーズも当然の自己ベスト、61.62。キス&クライで小躍り
#32 ヴァレンティナ・マルケイ(イタリア)
「帰れソレントへ」♪ コンビネーションは3-2で。ルッツで転倒したがほかは頑張った。50.27、減点2は転倒のほかタイムオーバーもあったか。
#33 ヨシ・ヘルゲション(スウェーデン)
シルク・ド・ソレイユより「Mystere」「Taiko」♪ 片手上げルッツは少しステップアウト。3-3に挑戦、こらえて着氷。太鼓のリズムに観客の手拍子が加わって、勢いのあるステップになった。54.96、シーズンベスト。
結果、SP1位は浅田真央、2位にコストナー、3位リプニツカヤ。鈴木明子が4位、5位ゴールド6位パゴリラヤまでがフリー最終グループとなる。村上佳菜子は10位、ワグナー、オズモンド、メイテ等と同じ第3グループになった。
大崩れする選手がほとんどなく、多くの選手が自己ベストやシーズンベストを更新。観客の温かい拍手や手拍子が、選手たちの最高の演技を引き出していた。フリーもそうなるといいな