AKB48の旅

AKB48の旅

TOKYO DOME~1830mの夢~徹底討論!完全版

2012年12月26日 | AKB
長いんでなかなか取っ付けなかったけど、ようやく見終わった。面白かったし、みなさんガチヲタなのが微笑ましかった。例によって批判的な立場は取らないんで、感想を書き難い感じだし、エラソな物言いにはなりたくないし、と言うわけで以下、思うところを垂れ流し的に。

田原総一朗さんの言う、二日目の前田さんと高橋さんの「対決」だけど、意外にも肯定的に受け取られてた。特に濱野さんが現場での体験を基に、そういう演出意図があり得ることを説明してて、そこ(二人の声量と音圧)はDVDそしてブルーレイ視聴では分からないところで、妙に納得してしまったかな。田原さんも現場にいたからこその感想なんだと。

「AKB48白熱論争」ではほとんど取り上げられてなかった高橋さんの存在についても、主に宇野さんが「カリスマ」という言葉を使って評価してた。初日の組閣後の混乱を一瞬で収めるという、ここでも現場感覚で語られていて、そういう意味では、これが論争と言いつつ信仰告白であり、AKBが疑似宗教であるというのがよく分かる感じ。だけど、そこを「カリスマ」という、敢えて悪意で言うけど「レッテル貼り」で終わらせるのでなく、なぜそうなのか、なぜ高橋さんにそれが可能なのかに踏み込んで欲しいなというか。

横山さんについても、高橋さんの後継者として触れられていて、ここはほぼぐぐたす情報のみに依拠してるせいだと思うけど、議論として弱いかな。このあたりは高橋さんともども、議論が進むと良いな的なスタンスで。

宇野さんがようやくにして「非選抜アイドル」に言及してたけど、ほんのちょっとだけだった。繰り返しになるけど、これはAKBを語る上での一級文献、必ず織り込まなきゃいけないテキストだと思うし、AKBとは何者なのかを詳らかにしてくれているのに、なんで皆さん取り上げないんだろう。

これもやはり宇野さんだったかな、テレビは朝廷でAKBは幕府だよ、という比喩がなかなか見事だった。しかも、その意図するところが、「AKBインフレーション」説と同一だったのが、面白いと言えば面白いかも。このメンツの中では、宇野さんのスタンスが、私と一番近いのかなと感じたかな。

その他、内容のほとんどに同意というか、本ブログ的には既に書き尽くしたように思うけど、やはり今回も「共同体論」と「複雑系」の議論が欠落してるように思うし、高橋さんについての議論の欠落と、ここは表裏一体になるように思う。ああ、もちろん、私が勝手にそう言い張ってるだけってことかも知らんけど。

HaKaTa百貨店第9回ゲスト渡辺美優紀

2012年12月25日 | AKB
渡辺美優紀さんがゲストの「HaKaTa百貨店」が面白すぎた。渡辺さんのややきつめのコメントやいじりをさっしーがうまく拾って、まるで息の合った芸人の回しを見るかのような楽しさとでも表現しようか。ただ、渡辺さんのキャラと存在感が強烈すぎて、HKTは霞んでしまったかも。それでも、そんなHKTメンバーの未熟さとともに、未完成なりにポテンシャルを感じさせてくれたと見るなら、番組のコンセプト的にOKな展開なのかも。

ただ、そんな表面的な感想を超えて、今回の「HaKaTa百貨店」は、全く異なった見方が可能かもしれない。決して深読みとは思わないんだけど、強烈すぎる渡辺さんの存在と、未熟なHKTの対比は、番組の枠組みを超えて、AKBGの今後を考える上での良質な指標のようなものと見なせるんじゃないか。

どういうことか。まずは渡辺さん。昨日の今日になるし、昨日の記事では明記を避けたけど、こんなシンクロニシティには逆らえないなということで、無謀にも書いてしまおう。NMBの最大の問題点の一つは、AKB本体のようには共同体化に成功し切れていないことにあるんじゃないか。NMBのダンスの揃い方はグループ随一だし、山本さんのリーダーシップも求心力も疑いようがない。なのに共同体化には至っていない。それが渡辺さんの存在様式に現れてしまってる。

NMB2トップは、能力的にはAKBGの中でも最高レベルなのは間違いないと思う。知名度でもこの二人がNMBの中では飛び抜けてるのは言うまでもない。だからHKTメンバーの一人一人はもちろんのこと、束でかかっても、渡辺さん一人にとてもかなわない。けれども、AKB選抜にいる時の二人は、そんなわけには行かない。むしろ埋もれてしまってすらいる。ここには個とグループの問題、そして共同体問題がが隠れてるんだと思う。

話しを番組に戻す。具体的には、これまでのAKB本店からのゲストと、渡辺さんとの違いを思い返してみると見えてくるように思う。ここも誇張表現だけど、渡辺さんは個としてHKTと対峙してた。その背後にNMBの姿や、それこそAKBGの存在は感じられなかった。これまでのゲストがHKTを自身の仲間として、暗黙のうちにではあっても、同じAKBGの身内として接していたように思えるんだけど、そこが明らかに違ったんじゃないか。

そしてそんな渡辺さんの裏返しになるけど、HKTメンバーには、AKBGとしての意識の芽生えのようなものが感じられて来てるように思う。だからだろうと思うけど、渡辺さんとの間に距離があり、逆にさっしーはその距離をうまく笑いに変えていたとも言えそう。

もしかすると、そんな問題点を秋元康は把握していて、だからこそHKTの育て方を意図的に変えてるのかもしれない。山本さんや渡辺さんのような突出したタレントがいたがためにNMBは現状のNMBとなり、HKTはそんな反省の元での現状なのかもしれない。このあたり深入り過ぎてる感じなんで、これはこれにてということで、また機会があったらこのネタに取り組んでみようと思う。


「スター姫さがし太郎」 その2

2012年12月24日 | AKB
この番組の何より秀逸なところは、その「自称」通りオーディションから「密着」してNMBを追いかけてくれたことだと思う。一貫して制作サイドに「お仕事」を超えた愛情が感じられたし、だからこそしっかりとメンバーに「密着」できてた、お仕着せ感、やらせ感がなくて、リアルな素が映し出されていたように感じられた。

これを見たことで、NMBメンバーそれぞれの個性やグループの成長過程がよく分かったように思えるし、やはりスタート地点からチームビルディングの過程が、もっともそのグループの本質をさらけ出している期間だと思うし、おかげでNMBがどういうグループなのかを、ようやく多少とも語れるレベルに辿り着けたんじゃないかと思う。

私の理解が間違っていなければ、NMBの立ち上がりから現在までの歴史は、恐らくはAKBの7年の歴史を駆け足で追いかけた、促成とは表現したくないけど、短期凝縮の形で疑似追体験したものではなかったか。初期AKBがくぐり抜けてきた試行錯誤の多くをスルーして、成功モデルの部分を抽出する形で追い立てたということではないか。

そしてそんな戦略を選択できたのは、山本さん、山田さんの存在が大きかったんじゃないか。抜きん出た存在感と求心力を兼ね備えたメンバーがいた、そんな共通認識がスタッフとメンバーの間で早くから形成されてたことで、こういう敢えて言おう「促成栽培」という戦略を選択できたんじゃないか。

スタッフの姿はたまにしか映らなかったけど、それでもメンバーへの接し方はかなり前掛かり、押し気味、スパルタ的で、若い女の子集団に対する接し方としては相当にきつめに見えた。こういう方法論が可能なのは、スタッフとメンバーの間によほどの信頼関係があるか、もしくはメンバーに求心力があって組織として対応するか、たぶんその両方なんであり、そのキーパーソンが山本さん、山田さんであったように見える。

この辺りは、以前に書いたAKBにおける高橋さんの物語をトレースすることになる。高橋さんの場合は、試行錯誤の末の自己組織化、共同体化過程だったと考えるけど、NMBの場合は、AKBでの成功体験を抽出する形で、山本さん、山田さんを誘導する形になったということではないか。番組で撮された範囲でだけど、自己啓発セミナー的な、新入社員合宿研修的な追い立て方や、意図的に共同体化を促してるように見えるシーンが結構あった。

けれどもそんなAKB以上の人工環境での、自己組織化とは言い難い「誘導」だったというのが影響してるんじゃないかと考えるけど、AKBでは結果的に形成された神7に相当するものが、NMBには萌芽すらできなかったように思う。山本さんや渡辺美優紀さんが、言わば「個」としては抜きん出ているけど、共同体としての核は形成されなかったように見える。これがNMBの現状に響いてるように思えるけど、この件はまた気が向いたら。

小笠原さんは当初から面白さで抜きん出てたし、福本さんがまくって行ったのも宜なるかなだし、第4回選抜総選挙で順位を得たのがなぜこの5人だったのかには納得だったけど、そんな5人ですら、そして山本さんでさえ、AKBの神7が醸し出す相転移レベルに到達してるようには見えないし、今後、そうなりそうにも思えない。もしかしたら、この天井感みたいなものも、横山さん兼任の理由の一つなのかも知れないと、ふと思った。

その山本さんだけど、短い間に顔つきが急激に変わって行くのが興味深かった。立場が人を作るということもあるだろうけど、この短期間の変化は、番組上は描かれてないけど、やはりスタッフによる教育効果が大きかったんじゃないか。もちろん教育とは詰まるところ「気づき」であり、当人にその才がなければどうにもならないんだけど、山本さんの「完璧超人」ぶりは、ファンの間でも有名な話だしね。

あとは山田さんの良い意味での変わらなさかな。老成というと失礼すぎるけど、最初から人間ができてる感が半端ないし、今現在もこのまんまなんじゃないか。

渡辺美優紀さんが、当初からエースとして扱われてたというのは聞き知ってたけど、これを見ることで納得できた。山本さんも言ってたけど、この人はアイドルの天才なんだと思う。そう言えば秋元康も似たようなことを言ってたような、と思ってググってみたけど、これってのはみつかんないな。タイプは違えど、たぶん小嶋さんと似た存在様式なんじゃないか。

2012年オリコン年間シングルランキング

2012年12月23日 | AKB
やはり取り上げざるを得ないオリコン年間シングルランキング。

2年連続トップ5を独占の上、すべてミリオン越えは素直に凄いとしか。それだけじゃなくて、2010年は、トップ20中AKBは5枠だったのに、2011年には、AKBGとしてトップ10中の6枠、トップ20中の10枠を占めるようになり、2012年にはとうとう、トップ10中の8枠、トップ20中の12枠にまでなってしまった。

ニュートラルに見て、オリコンランキングが無意味化してると言うより、CDというメディアが無意味化してる、もう少しポジティブに言うなら、ほぼAKBGのCDのみに購入するだけの価値が発生してると言うことなんだろう。それが楽曲なのか、握手券なのか、タニマチなのか、その他なのかは、取り敢えず置いておこう。

それにしてもここまで寡占化してしまうのが凄い。そして動いてるお金がでかい。なぜそんなことが可能なのか、成功の秘訣は何なのか、プロフェッショナルな方々がよってたかって取り上げるべき題材だと思うし、当然書籍化されてしかるべきだと思うんだけど、寡聞にして知らないな。そっちの方がよほど不思議に思えるかも。


2010年年間シングル売り上げランキング

01位 AKB48 「Beginner」 954283
02位 AKB48 「ヘビーローテーション」 713275
03位 嵐 「Troublemaker」 698542
04位 嵐 「Monster」 696022
05位 AKB48 「ポニーテールとシュシュ」 659959
06位 嵐 「果てない空」 656343
07位 嵐 「Lφve Rainbow」 620057
08位 AKB48 「チャンスの順番」 596769
09位 嵐 「Dear Snow」 591207
10位 嵐 「To be free」 516142

12位 AKB48 「桜の栞」 390957


2011年年間シングル売り上げランキング

01位 AKB48 「フライングゲット」 1587229
02位 AKB48 「Everyday、カチューシャ」 1586840
03位 AKB48 「風は吹いている」 1418888
04位 AKB48 「上からマリコ」 1198864
05位 AKB48 「桜の木になろう」 1079460
06位 嵐 「Lotus」 625935
07位 嵐 「迷宮ラブソング」 614131
08位 薫と友樹、たまにムック。 「マル・マル・モリ・モリ!」 498920
09位 SKE48 「パレオはエメラルド」 466037
10位 Kis-My-Ft2 「Everybody Go」 441680

11位 SKE48 「オキドキ」 434307
13位 NMB48 「オーマイガー!」 309846
17位 SKE48 「バンザイVenus」 274973
18位 NMB48 「絶滅黒髪少女」 263187


2012年年間シングル売り上げランキング

01位 AKB48 「真夏のSounds good !」 1820056
02位 AKB48 「GIVE ME FIVE!」 1436519
03位 AKB48 「ギンガムチェック」 1303407
04位 AKB48 「UZA」 1215079
05位 AKB48 「永遠プレッシャー」 1073499
06位 嵐 「ワイルド アット ハート」 649114
07位 嵐 「Face Down」 619940
08位 SKE48 「片想いFinally」 592947
09位 SKE48 「キスだって左利き」 587993
10位 SKE48 「アイシテラブル!」 581612

12位 NMB48 「ナギイチ」 449098
13位 NMB48 「ヴァージニティー」 390896
14位 NMB48 「純情U-19」 376302
17位 NMB48 「北川謙二」 353160

NEWS ZERO 12月20日「SNH48宮澤佐江、中国・上海での挑戦」

2012年12月22日 | AKB
宮澤さん、鈴木さんとSNHメンバーとの、日本人同士と全く変わらない交流が映像で見れたのは良かったし、宮澤さんの言葉の一つ一つが力強くて、その覚悟の程が伝わってきて、尊敬するとともに、心からの賞賛の気持ちを贈りたいな、そう思った。

思ったけど、番組としては物足りないというか、キャスターの「文化の国境を越える力」「海外で活躍」といった言葉の割にはどこか他人事で、心がこもってるとは思えなかった。「AKBにいて、どう努力しても絶対越えられない壁が、自分の前にあったのがすごい悔しくって」という宮澤さんの言葉の背後に、どれだけの思いがあるのか、制作スタッフは誰も把握してないんだろうな。

国際情勢、とりわけ日中関係が切迫しつつある中でのSNH立ち上げだけに、そこには様々な切り口が可能だったろうに、この薄っぺらな取材内容が、日本のテレビ局、ひいてはマスコミ全般のダメっぷりをよく表してる、そんな確認になったんじゃないかと思う。