AKB48の旅

AKB48の旅

サウンドスキャンデータから分かること

2013年05月31日 | AKB
http://www.phileweb.com/ranking/cd-top20/1732.html

01位 さよならクロール<Type B>(初回限定盤) 113854
02位 さよならクロール<Type A>(初回限定盤) 112725
03位 さよならクロール<Type K>(初回限定盤) 112034
04位 さよならクロール<Type A>(通常盤)  92342  
05位 さよならクロール<Type B>(通常盤) 83711
06位 さよならクロール<Type K>(通常盤) 70958
計 585624

というわけで、サウンドスキャンのデータとオリコンのデータを単純につきあわせるのは、カテゴリーエラーの可能性が高いことには目を瞑って、何も考えずにオリコンの初週売り上げから引き算すると、1762873-585624=1177249。つまりは、取り敢えずの数字として、劇場盤の枚数が117万前後。このうち投票権付きがどれほどなのか分からないけど、とりあえず最大票数が117万票としようか。

初回/通常版の票数は、この58万票余りに、2週目の売り上げと集計漏れを加えて、70万票以上と推定される。仮に会員票が、前回と同程度と仮定するとして49万票。以上より、総投票数は、236万票以下と推定できることになる。

前回の総投票数が1384122票なんで、以上の推計だと、潜在総投票数が100万票近く増えることになる。もちろん、このすべてが投票されるわけではないだろうけれど、仮にCD票の1割が投票漏れになっても、総投票数は220万票前後と言うことに。

選抜総選挙を離れて、CD商品として見た場合、「さよならクロール」の出荷枚数が230万枚。上記の如く実売数が190万枚以上と言うことで、「真夏SG」でも認定してたんだから、日本レコード協会からダブルミリオン認定されるのは確実。あとは、「初回限定盤」だと、僅差とは言えType Bが一番売れてるのは、やはり「ハステとワステ」が効いてる?「通常版」では、意味ありげな枚数差でA>B>Kになってるのが、なんか謎。

動的平衡と襲名

2013年05月30日 | AKB
「襲名」という概念が、様式美と深く結びつくものである以上、そこには予定調和が内包されることになるということを以前書いたような気がするけど、「襲名」というものを、「動的平衡」という、複雑系的な概念として考えるなら、短期的にはともかくとして、中長期的には、未来の予測はできない、つまりは予定調和の概念とは相容れないことになる。

考えてみれば当たり前なわけで、初代と11代目市川海老蔵が、たとえ同じ演目を演じたとしても、それは同一にはなり得ない。様式としての市川海老蔵は引き受けることができたとしても、中の人はもちろんのこと、観客も舞台も建物も時代背景も、何もかも同一ではあり得ない。歌舞伎が存続しているという意味での「予定調和」と、内的実態としての「複雑系」は、それが一見同一のように見えるけど、それは日本社会という特異な環境、高信頼という社会特性と、長期的な利益、全体的な利得を最上位に置くという、共同体意識を前提としての、見かけ上の類似性に過ぎないと考えられる。

なんか呪文のようなことを書いてるけど、要するに「襲名」という概念自体が優れて日本的であるということと、様式美と予定調和は似て非なるものであるという主張なわけで、これってどのくらいの妥当性があるんだろうか。いかにもエラソな物言いで書いてしまってるけど、別にそこに知性の介在は必要ないわけで、これがはくち(をを変換できない)プロット化しても、星新一の「門のある家」になるみたいなこと。まあ呪文は呪文として、そういう意味でも、AKBムーブメントと「襲名」は親和的なんじゃないかということが言いたいわけで。実際に「襲名」が可能かと言えば、それはまた違う議論になるんだろう。

「さよならクロール」のメイキング映像を見てても、上位メンバー達の、濃いキャラと絶妙のポジショニング、そしてそこに生み出され続ける関係性という物語が、とにかく楽しい。たぶんこのメイキングには、台本らしい台本はないはず。けれどもそこに大島さん、渡辺麻さん、高橋さん、小嶋さん、篠田さん、板野さん、そして松井Jさんがいるだけで、ファンであれば楽しめる物語が、自動生成されて行く。少し離れる感触だけど、そこに指原P、柏木さんが絡みつく感じかな。松井Rさんは、見事にぼっち映像が撮られてたけど、こういうポジショニングもありだろう。山本さん、渡辺美さんはこれからかな。以前よりは関係性が構築できつつあるみたい。

この関係性のネットワークは、序列が下がるにつれて弱くなって行くけど、たぶんゼロになることはなくて、べき乗分布でロングテールになってるはず。それがAKB共同体というものの別の表現になり、同時にほぼそのまま、選抜総選挙の序列と共鳴してることになる。類似のことは何度か書いたけど、こうやってない知恵を絞って考えるに付け、このAKBムーブメントの底知れなさが分かろうというもの。

たぶん、「襲名」されていくべき本質とは、個人名とかではなくて、この関係性なんだろうと思う。歌舞伎における様式美というものも、この関係性の形式的な存続ということなんであり、だから「襲名」とは、その実態の一部にして、まさに形式なんだろう。

SMAPxSMAP5月27日の板野△

2013年05月29日 | AKB
短い時間だったけど、興味深いトークがあったんで。中居さんの「あれ、板野さん、解雇?なん、解雇だっけ?」というフリに対して、板野さんが笑いながら「やめてください。違います。普通に、あの、嬉しい方の卒業です。」と返し、さらに中居さんの「どういうこと?嬉しい方って?何で卒業するの?」という問いに対して、板野さんは「時が来たからです。」と、明快に答えてた。

これが台本でなければ、そして受け答えから見て板野さんの素の言葉として発せられてたんだと思うけど、やはり超選抜メンバーには、意識的かどうかはともかく、共同体意識があるんだなというのが分かる、そんな好例になってると思う。

今回の板野さんの場合は、ちょっと分かりずらさがあるようにも思うけど、わかりやすさで言うなら、前田さんの例になるだろう(既述)。人気絶頂のタイミングで卒業を発表したSSAは、ご本人にとっては、ずっと待たされた上での、ようやくの宣言だったんだろうけど、リアルタイムの視点では、あり得ないタイミングにしか見えなかったし、それは私の勝手な考えとかではなく、大島さんの表情や言動だけでも明らかだった。実際、卒業後の前田さんが置かれた状況は、大きくマイナスに振れたかのように見えた。

けれども、あれが前田さん自身ではなくて、AKBの利得が、中長期的に見て最大化するタイミングでの卒業だったことに気づけるかどうかで、前田さんの卒業の動機が見えてくるし、自分自身にとってはマイナスでも、AKBにとってプラスであるなら、迷うことなくそちらを選択する、正にAKB共同体の一員としての決断だったことが分かると思う。

板野さんも、まったく同じだと思う。現状、板野さんが卒業したとして、板野さんにとっての利得が最大になるとは限らない。AKBという大看板がなくなることの不安の方が大きいはず。けれども、AKB第二章を宣言し、世代交代を進めるAKBにとってみれば、上位メンバーが卒業する、その席が空くというのは、下位メンバーにしてみれば間違いなくチャンスだし、新陳代謝が進むというだけでも、少なくともマイナスにはならない。

「さよならクロール」が、歴代最高の初動売り上げと言っても、これが選抜総選挙の投票権付きの上の、さらには劇場盤ドーピングによるものなのは、今更言うまでもないわけで、前田さんの卒業後、少なくとも短期的にAKBが下降線にあるのは、誰の目にも明らかだろうと思う。そんな前田AKB以後、次へと進まなければならないAKBにとっての、利得を最大化にする手段は、カタストロフを回避しつつ動的平衡を維持し続けること、つまりは秩序だった世代交代ということであり、見方を変えるなら、それは「襲名」概念に近いかも知れない。

現状の主力メンバーの中で、はがれ落ちる一人を選ぶとしたら、それは板野さん以外にはない。大島さん、高橋さんは、どちらが欠けてもAKBではなくなる、つまりはカタストロフへの方向性が臭ってきてしまう。篠田さん、小嶋さんは、次の順番待ちということになるんだろうけど、現状でやめるとなると、AKBにとってのマイナス面が計り知れない。板野さん自身が、自分の立ち位置を認識し、卒業という選択を選んだのは、「潔い」という言葉で賞賛されるべき在り方だろうし、「分を知る」ということでもあるだろう。

正に今回の言葉通り、「時が来た」ということに尽きると思う。

さよならクロールMV

2013年05月28日 | AKB
フライング日から一週間だけど、ようやくにしてMVの感想など。

「さよならクロール」
カラー補正をかけたような色彩にして、画面がいろいろ散らかり過ぎに見える。蜷川実花だなあという感想しか持てないかも。何回か眺めてて、ふと思ったのは、アレンジでこそ派手目にしてるけど、メロディラインが穏やかなだけに、映像と曲との間に、微妙に違和感が残る感じ。それなりな「姉妹」設定は、たぶん「適度」な浅さなのかな。この辺からAKBメンバーの人間関係、そして物語をお楽しみ下さい的な。

「さよならクロール」~水着ver~
人大杉感がより強まる感じ。本編だと、水族館や浴衣は好印象だったと思ったけど、やはりこの強烈な色彩の前にはかすむのかな。あんまり代わり映えしないかのように感じてしまって、なんで水着ver入れたの?な感じ。

「バラの果実」
赤と白の2色のみで構成していて、フォーメーションのバランスも良くて、とても画面が締まって見える。ある意味、「さよならクロール」MVの逆を狙ってるようで、好印象。メンバーもフレッシュ感があって、見てて心地よい。小嶋菜月さんのセンターが謎だけど、どうせ、そう思わせることが狙いなんだろうなと勝手に納得。シネスコサイズということもあって、これはHD画質でじっくり見たいな。

「イキルコト」
これは素晴らしい。素直に絶賛。それぞれのメンバーに背負わされた物語は不明だけど、絵的にはとても説得的。良い仕事だと思うし、説明を放棄する潔さが、とても気持ちいい。曲のできが良いこともあって、何度も繰り返し見てしまった。こちらもシネスコサイズと言うことで、ブルーレイで出してくれー。ところで、これ、チームA全員映ってるの?

「How come?」
物語性はほぼなし。ひたすらかっこいいダンスを見せるという、ダンスナンバーのMVとしてはしごくまっとうか。チームKらしいと言えばらしいけど。

「ロマンス拳銃」
メンバー全員がかわいく、そしてちょいエロく撮れてて、アイドルのMVとしては教科書的に満点かな。特に「わるる」が良い感じ。

「ハステとワステ」
論評は控えるけど、一つだけ。なんでこれがシネスコサイズなんだろう。テレビ的な世界感なんだから、テレビサイズの方がしっくりくると思うんだけど。

あとは全体を通しての雑感だけど、"UZA"のチーム曲のことを思い出したかな。あれもチームAの「孤独な星空」だけがシネスコサイズで、お金のかけ方が違ってると感じた。今回も、チームAだけお金がかかってる感じ。なんかそういう暗黙みたいのってあるんだろうか。"So long!"のチーム曲には差別化はなかったのにね。

それと、今回は、楽曲とMVがよくシンクロしてる。今回に関しては、「NHKBS 密着!秋元康2160時間~エンターテインメントは眠らない~」で描かれていたようにスケジューリングではなかったみたい。

NMBの序列という憂鬱

2013年05月27日 | AKB
以下、某所より引用

NMB7th序列

01 山本
02 渡辺
03 山田
04 矢倉
05 小笠原
06 市川  --ここまで紅白も参加
07 吉田  --ダンスシーンにてイヤリングあり
08 上西
09 白間
10 薮下
11 谷川
12 小谷
13 與儀
14 島田
15 加藤
16 高野 --選抜ライン

17 木下百 --紅白および届かなそう
   木下春 --同上
   近藤 --同上

20 太田 --鉄砲隊および届かなそう
   久代 --同上

22 門脇、岸野、山口、東、村上、山岸、上枝、日下、沖田
   川上礼、三田、黒川、小林、室、古賀 -- 紅白

37 村瀬、赤澤、渋谷、西村 -- 鉄砲隊

41以下 その他

以上引用

横山さんの兼任関連でも何度か触れたけど、NMBには確かに、この「序列」感のつきまとい方が際立ってると思う。そう言うと、AKBGってそんなもんでしょ、と思われるかも知れないけど、必ずしもそうではないことも、折に触れて書いてきた。

なぜNMBがこうなってしまったかについても、私見は既に述べたけど、ぶっちゃけ、関西という土地柄と、初期メンバーに山本さんと渡辺美さんがいたことが決定的だったと思う。だから、これはNMBの根幹に絡み着いた宿痾のようなもので、どうにもできない。横山さんの兼任によって、状況の緩和は出来たかも知れないけど、解消することはない。

だからこそ、速報での藪下さん、上西さんのランクインは、この序列が頭に入っているかどうかで、見え方が変わってくることになるし、小笠原さんのぐぐたすでの不気味な発言も、これが背景だと思えば、納得ではないにしろ、理解は出来るように思う。NMBファンの苦悩は深いんだろうな。