AKB48の旅

AKB48の旅

夏まゆみ著「ダンスの力」 補遺

2014年04月30日 | AKB
http://www.natsufun-keyhearts.co.jp/blog/?p=3345

以下引用

本の内容は、業界内のお話でもありますし、実在する個人名もたくさん出てきます。 慎重さを欠いた文字や行動など少しの手違いによって、一人も不快な想いをさせたくない。
昨年秋原稿がほぼ仕上がってから、お話に登場する人全員に(または事務所に)原稿をお送りし、修正を重ね、許諾を頂けるところに辿り着くまでに時間がかかりました。

以上引用

書かれたことがあれば、書かれなかったこともある。恐らくは、こうして一冊の書籍としての形になるまでに、少なからぬ記述が削除されたんじゃないかと思う。そんな推測を行った上で、デリケートな問題に触れてみたいと思う。

「ダンスの力」には、多くの登場人物がいるんだけど、とりわけ印象的な、登場しない人がいる。いや正確には、「大島優子は当時からとても冷静で平常心」というたった一文だけの登場。同じ二期生でも、宮澤さん、秋元さんには多くの言及がある。けれども大島さんについてはこれだけ。

夏まゆみ先生には、大島さんへの関心がないのか、それとも大島さんについての記述は削除されたのか。

http://www.natsufun-keyhearts.co.jp/blog/?p=3241

以下引用

大島へ

君はいつも冷静で、平常心を持った目で、周りを、他のメンバーを、そしてあらゆる状況を見ていたね。
なつは大島を叱った記憶は無いよ。 ただ、大島は人に注意していることも自分のことのように聞いていた。
メンバー全体に言っている言葉もすべて自分に振り返って受けとめようとしていた。
そのクルクルした瞳で、なつの姿を、動きを、言葉を、まっすぐ受けとめるべく見つめてくれていたっけ。 その目には時々なつもドキドキさせられたよ(*^^*) 背中に穴があくかもしれないと思う程だ(笑)
とても賢い子だからね、心配はしていない。 けれど、ふぅ~って気を抜いたりして、またガァっと進んでみたりしてみて。 自分のことだけを考える時間があってもよいと思うょ。
最近では、前田が抜けた後のさらなる重圧を押しのけて、後輩への気配りも忘れず、見事に成長を遂げ輝きを増していました。 その輝きは鈍ることなく続いて行くと信じています。
大島、本当にお疲れさま。 残り少なくなったメンバーとしての活動を悔いなくまっとうして下さい。 ほんの少し早いかもしれないけど、、、 卒業おめでとう。。。
追伸:卒業してからも私のなりすましには気をつけてょ(^^)

以上引用

人の思いを詮索するというのもどうかとは思うけど、それでもここから伝わるものは伝わるんじゃないか。夏まゆみ先生と大島さんの、断言してしまうのも何だけど、この微妙な距離感が、興味深いと書いてしまおうか。


夏まゆみ著「ダンスの力」

2014年04月29日 | AKB
一気読み。これは凄い本。

なんか論評とか烏滸がましいにも程がある、そんな畏れ多いことはとてもできない気分。これを読んで今更ながらに気づかされたのが、私が本ブログを通して絶賛させていただき続けてるAKBムーブメントの素晴らしさ、そのほぼすべての淵源が、夏まゆみ先生だったということかと。

個別の内容としては、モーニング娘。、そしてAKB48の立ち上げからの様々なエピソードが、大半を占めてる。そこには既知のものもあれば、初見の内容も語られてる。そんなエピソードの一つ一つも興味深いんだけど、それよりもなによりも、夏まゆみ先生の価値観、そして行動規範、なかんずく思想信条、誤解を恐れずに書いてしまうなら「宗教心」が、具体的な例示という形で、ストレートに描かれてたのがなにより印象的だった。

もちろん夏先生は、それを「宗教心」とは自覚されてないことだろう。けれもどそれは多くの日本人も同じなんであって、一所懸命、日々是修行というのはれっきとした行動規範、つまりは宗教心の現れ。その上で美意識に生きるという死生観は、正に美化された武士道そのもの。夏先生がグルになって、最も美しい形での「日本教」がAKBメンバーに伝授されてたことが分かる。

どこか一部だけの引用とかはとてもできないけど、一番印象に残ったところとしては「真剣な努力を積み重ね、そのことによってつらい壁に突き当たっている人は、だれもが選ばれた人なのだ」という指摘かな。これは一所懸命、日々是修行の哲学の表現であるとともに、まさにプロテスタントの思想でもある。例の多神教と一神教の交錯、因果律と予定律の鏡像関係そのものじゃないだろか。そして「気づき」についても深く語ってるけど、これなどもクリシュナムルティに通じるものを感じる。

つまりは、私が秋元康氏発として受け止めていたものの多くは、実は夏まゆみ先生に、その起源を求めることができることになりそう。秋元氏は言わば器を用意した側であって、そこに夏まゆみ先生的なものを満たした、そういう判断をしたということになりそう。これでようやく、思想信条を持たない秋元康氏のプロデュースに、なぜ理想的とも言える「日本教」が現れているのか、その謎が解けたのかも知れない。

もう一つ、個別のメンバーへの言及では、その多くが前田さんと高橋さんで占められてるんだけど、既述のように、私も手探りするようにして感じ取ることのできた、この二人だけが持ってる「何か」の答えが、さらりと書いてあった。それは「心の強さ」だと。あまりに簡単な答えに、唖然というか呆然というか、けれどもスルリと腑に落ちた。夏先生が、その価値観に従って迷うことなく選んだのが、前田さんであり高橋さんだったことが、力強く書かれてて納得。

以前、夏まゆみ先生は「ダンサー目線」だから、前田さんを選んだみたいなこと書いた記憶があるけど、伏してお詫び申し上げたい。勉強せずに知ったかぶりは厳禁。肝に銘じよう。

水曜日のダウンタウン 4月23日

2014年04月28日 | AKB
指原さんが出演とのことで録画しておいたんだけど、正直、内容的には全く期待してなかった。なので早送りで流すつもりで見始めたんだけど、最初の競歩ネタの途中当たりから音声付きまでスピードダウンして、以後はじっくり見入る羽目に。びっくりするくらい面白かった。

何が凄いって、それなりに興味深いネタについて、けっこう本気の取材が行われてたことかと。最初のネタが、アンガールズ田中さんがプレゼンターの「競歩の選手、全員他の陸上競技で挫折した人説」だったんだけど、リアルに最初から競歩を選んだ中学2年生に辿り着いてた。ビートたけしさんのサプライズ出演に続いての、二つ目のネタが、ロンブー田村淳さんがプレゼンターの「スケバン絶滅説」で、こっちも15歳の現役スケバンを探し出してきた。もちろん実際の因果関係が逆だった可能性もあるけど、どっちにせよ現場をしっかり取材した事実に変わりはない。

三つ目のネタが、アントニオ猪木氏がプレゼンターの「北朝鮮、実はスゴい説」で、これは知ってる人は知ってる話だったけど、地上波テレビという枠組みでは、それなりに(相当に?)いけてるんだろうと思う。どうせなら、なんで奇妙に日本と似てるのかあたりも含め、裏側を突っ込むというのもありだったんじゃないかと思うけど、そこは業界的にもいろいろ差し障りがあるのかな。

最後のプレゼンターがたむらけんじさんだった上、一人で二ネタだったんで、雑魚ネタかと思いきや、これとて侮れなかった。一つ目の「引退後の力士の髪型が総じておかしいのはマゲで後ろに毛穴が持って行かれてるから説」はともかく、二つ目の「出産の痛み未だ芯食った喩え出てない説」は、北斗晶さんの解答が素晴らしかった。

試合中にフェンスに膝を強打して皮膚が避けて骨が露出した<出産<頸椎骨折で固定のブレースを装着するため頭蓋骨に穴を開ける。

そして何よりの驚きは、コメンテーターの顔ぶれ。ダウンタウンの冠番組と言うことで、司会が浜田雅功、コメンテーターが松本人志、石坂浩二、小宮悦子、勝俣州和、指原莉乃(敬称略)だったんだけど、この顔ぶれで、指原さんが何の遜色もないどころか、むしろ目立ってた。カットされることなく随所で使われてた。

こういう明らかにスタッフが本気で作りに来た番組に、ある意味てっぺんレベルのコメンテーター5人の一人として呼ばれること。対等に機能してること。これが意味することは決して小さくはないだろう。

「恋愛総選挙」 その後

2014年04月27日 | AKB
スタートこそ、AKBの表看板ともいえる高橋さん、小嶋さん、渡辺さん、柏木さんという主力メンバーをゲストに、がちがちに手堅く始めたなと思わされたけど、第3回からいよいよ本気出してきた感じになり、この第4回で、ついに「恋愛総選挙」という番組の本領が発揮された、狙いが明らかになったと見て良いんじゃないか。

第3回での小嶋真子さんの投入と、ラビットパーティへの土屋博嗣氏の登場が重なったのは、偶然なのかも知れないけど、ここは意図的と捉えた方がおもしろそうなんで、そういう見方を採用してみよう。第一印象で小嶋真子さんを除く3人が土屋氏を選んだのは、恐らくは女性の本能みたいなものなんだろう。少なくともこれはやらせとかじゃないと思う。そこに小嶋真子さんの「オジサン」発言と、本気で嫌そうな表情を被せることで、舞台装置は完了。

こっから土屋氏の大暴走が始まったかのような編集になってるけど、この土屋氏、語ってる内容だけを淡々と聞くなら、そんなに間違ったことは言ってない。強引でよくしゃべるというのも、メンバーは盛んに忌避的な姿勢を示してたけど、弱気で無口とどちらを選ぶかと聞かれたら、多くの女性は究極の選択とか言い訳しつつ、前者を選ぶはず。お金持ちと貧乏人はもちろん、金払いの良さとケチでも同様。少なくとも好意の反対は無関心、嫌い嫌いも好きのうち、そんな機微がしっかりと浮き彫りになって行く。気がつかれにくいけど、司会での土田氏の巧みなアシストも光る。

第3回のラストで、次回が今回カップル成立した土屋氏と三輪田さんのデート密着と知らされて、小嶋真子さんが拒否反応を示していたのは正に本能的な反応だろうし、一方で高橋さん、柏木さん、山本さん、そして指原さんの4人が、前のめりの興味津々なのも、これまた見事に本能的な反応に見える。こういう姿が真っ正直に現れる、現れてしまうというのが、恐らくはAKBの「恋愛禁止条例」の最大の問題点にして、秋元氏が何とかしたいと思ってる、正にこの「恋愛総選挙」という番組での狙いと言う風に見える。

というわけでいよいよ第4回。ゲストは横山さん、北原さん、島田さん、そしてなぜか(と言っとく)木崎さんになり、指原さんとの関係、土田さんとの関係からも、これまでと比べはるかに自由な空気、素の反応が出やすいメンバー構成になってると思われる。どう考えても狙ってやってるだろう。

そこに繰り広げられる土屋氏のベタなデート展開。リムジンでの出迎えに薔薇を敷き詰めるというのは、あれは何だったっけ、ハリウッド映画とかでも見られるとおり、一種王道なわけで、むしろこれだと薔薇の花がけち臭いぞとか突っ込めるレベル。ドンペリのロゼのウェルカムドリンクは、いかにもバブル的でイケてないようで、ちとやりすぎだったのか、土屋氏、今一手慣れない感じ。

プチエステから洋服、ヘリコプターをチャーターしての夜景と続くプレゼント攻勢も、映画的展開としてはありがちとも言えそう。あれ、そういえば以前、指原さんはLAかどこかで夜景ヘリに乗ってなかったっけ。女の子を褒めまくるのもお約束みたいなものだろう。リムジンでの移動シーンのBGMが常にサンダーバードなのが、スタッフの心意気。自宅レストランに生まれ年ワインのプレゼントは、もうチェックメイトでしょ。実際そんな編集になってるし。

この一連を見てたゲストメンバーはすっかりノリノリになってる。三輪田さんは恋愛に不慣れな設定になってるけど、指原さん以外のメンバーの反応も似たようなものということかと。指原さんと北原さんの目配せ(たぶん)がリアルだったし、島田さんの無防備ぶりも、役割を分かってやってるのか、それとも素なのか。横山さんの反応からすると素かな。

けれども、「恋愛禁止条例」下にあったとして、こういう無敵にすら見える土屋氏のようなタイプに口説かれたとしても、一度この番組を通して疑似体意しとけば、少なくとも一撃での完落ちは避けられるのではないか、踏みとどまれるのではないか。出演者はもちろんだけど、少なからぬメンバーも見てる可能性があるわけで、そんなこの番組は教育的指導のように見えてしまうし、それを番組として面白くできてしまってるという一石何鳥ぶりが、なんというか秋元氏界隈的な味わいのような。

予告編/DOCUMENTARY of AKB48 The time has come

2014年04月26日 | AKB
https://www.youtube.com/watch?v=iwMAxiodRLw

予告編に使われてる映像としては、すべて既知のものばかりのようで、未公開映像と言っても、撮ってるカメラが違うくらいのもののよう。こういう予告編って、そこに入ってる映像が、実はクライマックスだったってパターンが有りがちなんだけど、となると、本編もあんまり期待できないということになるんだろうか。

いちおう該当期間での大ネタとしては、2回の選抜総選挙に、峯岸さんの騒動とその後の「物語」、超選抜メンバー、そして何より大島さんの卒業の経緯が入るはずなんだけど、選抜総選挙については、恐らくは目を引くような未公開映像とかはもうないはずだし、峯岸さん騒動は、取り扱いが微妙にならざる得ないだろうし、篠田さん、秋元さん、板野さんのDOCUMENTARYは、特典映像として蔵出し済みだし、大島さんの卒業界隈は、実際には終わった物語、後の祭りだし。

ハードルを上げないように、期待しないで待つことになるんだろう。