AKB48の旅

AKB48の旅

AKB48 SHOW #23 生放送スペシャル

2014年03月31日 | AKB
まず一言。素晴らしかった。45分の拡大版だったことも含め、さすがはNHKと、いくら賞賛してもしきれない。

国立競技場の初日コンサートが終わった直後な上に、中止になったとは言え、この時点では明日もあったのに、よくスケジュールを抑えられたもので、現役9期生全員と、まさかの茅野総支配人の出演だった。新衣装2000着という情報にはびっくり。仕切りは横山さんだったけど、こういう台本しっかり系だと、横山さんの安定感が光るかな。後はアドリブ系の弱さを早く克服してくれぇ。島崎さんは恒例の電池切れ気味。まあタイミングと時間を考えればやむを得ないか。

番組の内容的には、終了後間もないこの短時間に、まさかのコンサートのダイジェスト放送。しかもやっつけなんかじゃない。しっかりとした編集で、コンサートの状況が克明に伝わってきた。これって、リアルタイムで多数のカメラをモニターしながら、即興でスイッチングとかして、蓄積した映像から切り出してきたもの辺りなんだろうか。

何よりの注目点と勝手に認定しちゃうけど、確認できる限りにおいて少なくとも歌唱メンバーは、ついに全曲全員がイヤモニになったことかと。いちおう大箱のコンサートは全て、DVD/ブルーレイで見てきたけど、間違いなく今回が初。これまでもソロやユニット曲だと、イヤモニ生歌はあった。けれども全体曲は、やはり技術的に困難だったのか、それとも単なるスタッフや機材の能力的なものなのか、これまでほとんど、たぶん一度も実現してこなかったように思う。それがついに達成された。

だからというと買い被り過ぎになるけど、画面の狭い枠組みからでも、映像と音声の微妙な乖離感がなくなって、会場全体を覆う心地よいグルーブ感が生まれてたように感じられた。これまでの大箱コンサートの場合、DVD/ブルーレイ視聴だと、音源が弄られるなどして失われてしまう情報なんだけど、それでもメイキングなどで現場の生音源に触れると、音楽の位相のずれ、口パクやダンスの時間軸のずれが、なんとも居心地が悪かったものだけど、今回の国立競技場コンサートでは、ついに解消されたんではないかと、期待が膨らむ。

この辺り、ワッチ情報もネットのどっかに落ちてたような気がするし、少なくとも主要メンバーのマイクは生きていたと思われるんで、あとはライブ感を重視して、今回こそは、DVD/ブルーレイ化に際して、音源イジリを止めて欲しい。それが無理なら、最小限の修正にとどめて欲しい。

あとは放送された範囲での白眉は、何と言っても「背中から抱きしめて」、そしてそこからの「夕日を見ているか」への流れだろう。編集サイドの意図的にもそうなってると思う。回転するセンターステージでの、高橋みなみ、大島優子、小嶋陽菜、峯岸みなみ、柏木由紀、渡辺麻友、横山由依の7人による、自信に溢れた圧倒的な表現力と歌唱力。豪華なゴールドの衣装が映える。

この7人こそが、誰もそう言わないけど、敢えて言わば大島AKBの神セブンなんだろう。大島さんのラストにして「初披露」の粋な演出というところか。指原さんがそこにいないのは、これがAKB単独コンサートだから、という見立てもあるだろうけど、それ以前に、たぶん大島AKBという枠組みには、指原さんは入らない。こういう景色を眺めても、指原さんという存在の特異性、そしてオリジナリティは群を抜いていることが分かる。

そして新曲「ラブラドール・レトリバー」。こちらはTBSの「オールスター感謝祭」で中継されたんで、ワンハーフが聞けたけど、初披露なのはもちろんのこと、大人数選抜ということもあってか、メンバーもよく曲を掴めてない感じで、なんかバラバラ。そんな中、センターの渡辺麻さんの、強い意志と自覚は伝わってきたよう思う。

NHKあさイチ「プレミアムトーク秋元康」

2014年03月30日 | AKB
例によって例の如くの秋元氏だった。いや、生番組だったと言うこともあるのかもしれないけど、しゃべりという点からすると、これまででも最低レベルだったかも知れない。服装や髪型、表情などから醸し出される雰囲気から、もしかして徹夜明けだったのかも知れないけど、秋元氏はショートスリーパーとの噂もあるので、朝の番組だと、徹夜明けがデフォルトなのかも知れない。

語った内容的にはいつも通り、特に新情報はなかったように思う。強いて言うなら、じゃんけん曲の候補を5曲ほど用意したという辺りかな。それだって複数曲を用意してるくさいことは臭わせてたことだし、5曲という数字が出たことに、どこまで価値を見いだすか。あとは、「フォーチュンクッキー」の引用元が、30年ほど前のLAのチャイニーズレストランだったという、それこそどーでも良い情報くらい。

VTR出演にて指原さん曰く、「秋元さんのこと友達だと思ってしゃべっちゃうんです」、秋元氏のタイプの女性について「全く分かんないし考えたくもないなあ」は宜なるかな。サプライズ?の指原さん生登場から、有働アナの「脱予定調和で、今後秋元さんがやるぞってことを」というフリに対して、「全てのスタートは指原から」と、本人を前にして率直過ぎるまでのストレートな発言が、秋元氏の口から飛び出した。

なんかぜんぜん違うのは分かってるんだけど、秋元氏と指原さんの関係性が、往年の赤塚不二夫氏と森田一義氏の関係性に重なるように、この瞬間、感じられてしまった。

申し訳ないけど人は必ず死ぬわけで、もしもその時になって、秋元氏の弔辞をAKBメンバーが読むことになったとしたらどうだろう。やはりその役回りには、高橋さんが最も相応しいのかも知れない。けれども、まだ見ぬ未来次第では、その役割は指原さんになってもおかしくはないだろうし、そういう役回りになるような未来であれば、白紙の勧進帳の、さらに斜め上を行く演出をしでかして亡き師匠に報いようとする、そんな姿を指原さんが見せてくれるような気がする。

「指原の乱」とは何だったのか

2014年03月29日 | AKB
タイトルは半ば冗談だけど、半ば本気かも知れない。「指原の乱」が終わってしまった。こんなに面白かったテレビ番組は近年なかったように思うし、毎回毎回が待ち遠しかった。なので、終わってしまったことが、本当にさみしく感じられる。いちおう、「秋の陣か冬の陣」にて再開の可能性についてのネタ振りはあったけど、そこはテレビ業界のことなんで一寸先は闇というかトリ頭。何の保証にもならないことは言うまでもない。一切期待することなく、それでも期待するしかないか。

さてと、この「指原の乱」という、快作にして異形の番組について、あらためて振り返って考えてみる。そのとんでもなさについては、私が力こぶってわめくまでもなく、見てた人なら伝わってることだろう。では何が凄かったかというと、ほとんどが放送できない会話に終始したから、とかでは決してない。放送できても、ゲスい内容に埋め尽くされてたからでもない。もちろんのこと、単なるさしヲタさん向けの冠番組だったから、というのもありえない。

視聴率的には大苦戦だった模様で、番組中でも繰り返し自虐ネタに使われてたし、最終回での番組終了の理由の一つとしても、冗談めいた口調で上げられていた。その一方で、福田監督の自己申告ではあったけど、業界視聴率の高さ、業界内での評価の高さが、この最終回含め何度も披瀝されてた。それが嘘じゃない証拠はもちろんないけど、そんな嘘を敢えてつく必要もないだろうし、その通りと受け取ろう。つまりは、この「指原の乱」は、プロ受けしたんだと見て良いと思う。それが何を意味してるのか。福田監督の以下の発言が、ざっくり答えになってるんじゃないか。

「さっしーのスケジュールがあるのに、周りのスケジュールがなくて終わる」

裏返して言うなら、周りのスケジュールが空いてたんで、「指原の乱」という低予算にしてトンデモな企画ものをやった。指原さんというおもちゃにして、前代未聞の飛び道具を得た業界人達が、一瞬の隙を突いて、やりたい放題の番組を作っちゃった。それだけだと単なる自己満に過ぎなかったかも知れないのに、そこは動いた業界人のモノが違った。結果、指原さんという怪物のそのまんまを番組にしたかのような、この「指原の乱」という快作が出来上がってしまった。

けれども、そんな「ローマ人の休日」(←冗談ですよ、為念)は過ぎ去ってしまった。そこに梁山泊の如くに集ったプロフェッショナルな人々は、クリエイターとしての一時の夢を見た後、アベノミクス好景気のせいで予算が付いたんだろうか、また現実に立ち戻って、それぞれの持ち場へと戻らなければならなくなった。ある者は月9へ、ある者はゴールデンへ。そんな説明が、このプロフェッショナル達の実情を、よく表現してると見なせるんじゃないか。

彼らがまた暇になって予算がなくなれば、再び戻ってきてくれるに違いないと信じよう。あんまり言いたくはないけど、消費税不況になって「指原の乱 秋の陣」が還ってくることを、期待することなく待つこととしたい。

「高嶺の林檎」MV

2014年03月28日 | AKB
「高嶺の林檎」

ボーイ・ミーツ・ガール風味に青く光る石と来ると、どうしても飛行石、そしてパズーとシータを連想してしまう。たぶん製作サイドも、そこを意識しての絵作りなんだろう。そんなコンテクストを纏った上で、その2人が後の天文部?あるいはUFO部?のイケメン部長と山本さんになるという。ありがちではあるけど、その間の時の流れの物語がなんとなくなぞれるようで、シンプルに面白いと感じられる。そういう意味では、この展開はMVとして成功してるように思う。

ただ、その後のUFO円陣にベントラ、ベントラなパートは、その設定というかギミック自体が過去の遺物のように感じられてしまうし、円陣中央のアンテナのような作り物にして、たぶん「依り代」がなんとも旧態依然な形をしてて、しかもやって来たUFOは「未知との遭遇」の劣化コピーのようで、このあたり意図的にレトロ調を狙ったのか、それともターゲットが老人なんだとでも言うのか、なんか意味不明のような。


「プロムの恋人」

メンバーが扮する刑事ものの劇場版の予告編風という、またかよな的な企画かと思ったら、その刑事達が次々に殺されて行く、些か物騒な展開ということらしい。いろんな刑事物のパロディというかパクリというか、オマージュというか、そんなのがてんこ盛り。スタッフに、こういうのが好きな人がいるのかな。

「水切り」

歌詞に準じた川辺のロケと、レトロ調の電車とダンス。フィルム調の映像と相俟って、どこか懐かしさを感じさせる作り。今回のMVはどうしたんだろう。「高嶺の林檎」にしても「プロムの恋人」にしても、そしてこの「水切り」も、懐古調という点で共通してるような。次の「山へ行こう」は一見違うようでいて、見方を変えれば、アイドルMVとして「古典的」とも言えそうだし、何かそういう共通コンセプトの設定でもあったんだろうか。

「山へ行こう」

照明と撮影機材に拘った作りになってて、とりわけ印象に残るのが、きれいな髪の質感と張りのある表情のアップあたり。白間さんを筆頭に、みんなとても可愛く撮れててGJな感じ。「お数珠」というネタと小谷さんの表情がシュールだけど、アイドルのMVとして、普通に良いできだと思う。

「秋元康が悪い」

2014年03月27日 | AKB
3月24日深夜の「有吉AKB共和国」が恒例の「有吉HKTラジオ局」で、そこで例の蟹鍋置いてきぼり事件の真相が、ご当人の指原さんから明かされた。と言ってもスケジュールが合わなかった、秋元氏が遅れてやって来た、そんだけでおしまいな話だったんだけど、それを秋元氏がおもしろおかしいネタにした、というのが真相と暴露された。

実のところそれが何の話だったのか、相談だったのかは、このネタの範囲には含まれていないので、そこは置いとくしかない。そんなことより、この蟹鍋置いてきぼり事件という秋元氏のネタをいわば本歌取りにして、「秋元康が悪い」という絶妙のコントロールを要求される返球にして、有吉氏と指原さんのプロフェッショナルなやりとりで、お笑いネタとして見せてくれた。そこがすばらしかった。

たぶんアウトラインの部分は台本だろうと思う。けれども、一つ間違えると単なるいじめになりかねない、あるいはクレーマー的になりかねない、何より師匠のネタを貶めるという禁断の展開になりかねない、難易度の高い返しネタ。いかに有吉氏がハンドリングするとは言え、指原さんの技量に対する信頼がなかったら、構成作家さんもここまでぶっ込めなかったんではないか。

生放送ではないから、いくらでも編集できるからと言うのは前提としてあるにせよ、その後の「ブスいい話」含め、指原さんがスタッフサイドから信頼されてることが、こうした番組の作りからも分かろうというもの。今や絶滅危惧種のまとめサイト的に、「指原さんの扱いやすさは異常」という表現が可能かと。

「有吉AKB共和国」という枠組みで見るなら、美人ポジで扱いやすい小嶋さんと、ブスポジで扱いやすい指原さんという、誰にでもわかりやすく、どんなネタでもおいしくできる、対立厨的な設定を、有吉プロがいじるという鉄板なわけで、まあそんな枠組みの一環というだけのこととも言い切れそうだけどね。