AKB48の旅

AKB48の旅

春の人事異動

2013年04月30日 | AKB
エラソに書くのも何だけど、AKBGのような組織における人事の要諦は「転がる石になれ」なわけで、とにかく馴れ合いにならないこと、癒着しないこと、沈滞しないこと。組織というのは、安定状態に落ちてしまうと、自ら変わろうとしなくなるだけでなく、環境の変化に即応できなくもなる。何度も書いてきたけど、要は「動的平衡」なんであって、常に適度な励起状態であることが望ましい。

それを実現するためには、適切なサイズの「異物」の投入と同化、そして異化の連続が必要となる。具体的には、適切な人材の投入と異動、つまりは人事異動と言うことであり、横山さんのNMBへの投入、北原さんのSKEの投入が、見事にその成功例になっていたと思う。

横山さんをNMBに組み込むために、NMBメンバーの意識が大きく変わったことが、外部からでも容易に観察できたし、横山さんを完全に仲間の一人として受け入れることで、NMBという組織は、大いに活性化した。そしてそんな励起状態から安定状態へと落ちようとするタイミングで、横山さんがNMBから抜き取られ、代わりに市川さんが放り込まれことになる。

横山さんは、総選挙順位がNMBの誰よりも高く、本店の選抜常連であり、異物としては巨大すぎる存在だったと思うけど、それをNMBという組織は柔軟に変化し、見事に咀嚼して見せたし、そこにはもちろん、横山さん側の高い能力というのも発揮されていたと思う。NMBが組織として、適度な励起状態になると同時に、NMBに欠けていたと言い切ってしまおう共同体意識の導入、組織としての高い目標を共有するということ、こちらも具体的には、秋元氏によって「12月31日」という努力目標を設定することに成功した。

そこで横山さんを抜き取るということは、この共同体意識の植え込みに成功したという見立てなんだろうし、もちろん横山さんがNMBではなくなっても、同じAKBGの一員であることに変わりはなく、階層を変えての、今度はAKBGという組織レベルから見た、新たなNMBという異物の同化過程という視点もありそう。もちろんそのベクターは横山さんと言うことで、これが、相互関係としての横山さんの成長過程でもあったのは言うまでもない。

そんなNMBへの市川さんの投入は、こちらは明らかに転地療法というか、環境の側を変えてやることによる市川さんの創発への期待だろう。秋元氏の、努力するメンバーへの愛情は深いというか。

北原さんについては、外に漏れ出てくる情報があまりなくて、SKEの投入の状況が見えずらかったけど、戸賀崎さんの発表を聞くSKEメンバーの表情が、そしてその後のぐぐたすやブログの記述が、すべてを語っていたと思う。SKEもまた、基本的にはNMBと同様だったと。

そんなSKEに投入される大場さんは、なかなか曲者というか一筋縄ではいかない感じなんで、これは大場さんの浮揚という面と、SKEに欠けている部分、ある種あざとさというか、直球勝負だけだと勝てないよ、変化球も織り交ぜようねと言う、これまた秋元氏の指導という風に見えるかな。

石田さんと小谷さんについては、どうなんだろう。私が知る限りでは、ほとんど情報が無いように思うけど、何か創発はあったんだろうか。よく分からないけど、今度の選挙順位とか、一つの判断材料に出来ると良いのだけど。

古畑さん、矢倉さん、兒玉さんは、とても分かりやすい人事で、支店で期待のホープを、本店預かりにして修行させると言うことで間違いないところ。年齢とかも加味すると、これ以外にはあり得ない選択と言うことになると思う。とりわけ、兒玉さんにとっては、大化けのチャンスになるんじゃないか。宮脇さんが何を思うかも含め、HKTを同時に活性化させる、ナイスな人事。

宮澤さん、鈴木さんは、こちらはホント、背に腹は代えられぬ。政治情勢はどうにもならないわけで、そこは甘んじて受け入れるしかない。不条理は世の常なんで、そんなものをも自らの糧としてしまえば良いこと。

高城さんは、正直ちょっと驚いた。この人事には、たぶん表面的には見えない様々な事情がありそう。情報がないんで、これ以上の深読みはなしということで。

指原劇場支配人は、さっしーらしい見事なオチにして、実はそんなにも笑えないわけで、これも高橋総監督同様、後付けの役職であることは明らか。HKTに移籍してからさっしーが何をやってきたのか、それが秋元氏のオーソライズにより、改めて確認できることに。と同時に、正式なのかどうかは知らないけど、肩書きが付いたことで、さっしーの立場は明らかに変わることになる。

今回の人事で浮き彫りになったことがもう一つ。松井Jさん、渡辺美さんの兼任は、明らかに目的が違うということ。これはとっくに分かっていたこととは言え、やはりということに。

最後に、平田さん、佐々木さん、大森さん、昇格おめ。

『AKB48グループ臨時総会』【夜の部】「AKB48グループ総出演公演」

2013年04月29日 | AKB
もはや安心安全のようつべ。HD720p画質でフリーズ一切なし・・・と思って見てたら、アンコールから急激に雲行きが怪しくなって、なんかフリーズしまくりに。もしかして、アンコールからの視聴者が急増してた?

公演内容については、もはや何も言うことなし。見事なまでにAKBGだけができる、驚異の祝祭空間にして、祭り。文句があるとすれば、なんで全公演を配信してくれなかったのか、くらい。今日からブルーレイ待ちの長い日々が。

「さよならクロール」は、例によってキャッチーさのない曲調で、一度聞いたくらいでは、なかなか正体を明かさない感じ。実際、ぜんぜん覚えられなかった。こういう曲はいわゆるスルメになるのは確実。秋元氏の狙い通りなんだろう。

5大ドーム公演と人事関係については、頭の中を整理して改めて。先走って一言書いとくと、懲りることなく諦めることなく、秋元氏は面白いなあというのと、背に腹は代えられんが混在してるなあ。落ちはやっぱりさっしーだった。

まとめというほどのものでもないけど、高橋さん、凄いわ。


声質

2013年04月28日 | AKB
NHK「東北発☆未来塾」で、高橋さん、大島さん、渡辺麻さん、岩田さんの、それぞれの朗読が披露されていて、つらつら思うところがあった。

番組自体は、通して見てると混乱してしまうような構成になっていて、秋元氏の出演回が全部で何回あったのか、それすら定かでないような。というのも、番組を構成するカットがかぶりまくってて、それでも少しづつ違った内容、話が前へと進んでい行くという具合になってて、さらには再放送もあるので、もう分け分からん状態に。たぶん見てない人には、この混乱感みたいなの、うまく伝えられてそうにないな。5月5日のNHK総合で、「総集編」みたいなのが放送されるらしいので、改めてそっちを見直すことになりそう。

それはさておき、若者達が綴った、東北に対する思いを込めた文章を、上記のごとくAKBメンバー4人が朗読したんだけれど、これがみなさんうまい。高橋さんの朗読は、これまで何度か聞いてて、「DOCUMENTARY OF AKB48」第一作はもちろん、「あすへのエネルギー~アスリートたちのバスタイム」なんかでも、ナレーションがうまいのは知ってたけど、大島さん、渡辺さんもなかなかのものだった。聞いてて心地よいのはもちろんだけど、改めて「声かぶりしない」ということの意味を考えさせられた。

この3人の声は、互いに聞き間違いようがない。一言聞くだけで、それが誰のものか直ちに分かる。しかも滑舌が良くて、声質も心に響く感じで申し分ない。岩田さんのナレーションも評判が良いのは知ってるけど、やはり高橋さん、大島さん、渡辺さんのとは差があると感じたのも事実。そこは年齢的なものもあるだろうし、経験の差は如何ともしがたいか。

と言いつつ、これは同時に、私の方の「認知」の問題でもあるんだろう。つまり高橋さん、大島さん、渡辺さんの声をよく聞き知ってるということ。以前、オーラについて考えてみたけれど、あれと多分よく似た関係性があって、選択的に、優先的に、その声を聞いてしまう。追いかけてしまう。そんな関係性が構築されてしまってるくさい。

だから、そこのところがどうしても弱い岩田さんは、声質や実力にもかかわらず、必然的に劣勢に立たされて聞こえてしまうみたいな。

声質という点だけで見るなら、4人ともに個性的であり、それぞれが見事に声かぶりいしていない。以前考察した前田さんなんて典型的だと思うけど、この資質がオーディションにおいて重要なんじゃないか。そして、タレントとしてやってく上での、実は最重要と言って良い要素なんじゃないか。

AKBGメンバー以外について考えてみても、このことは、ほとんどの一流タレントさんに当てはまりそう。場合によってはもしかして、見てくれ以上に声質、とりわけ声かぶりしないことが、重要な資質なのかも知れないなと思う。

"NO FLOWER WITHOUT RAIN" Blu-ray

2013年04月27日 | AKB
"SHOW MUST GO ON"でもそうだったけど、映画館で見た印象とはずいぶん変わるかな。映画館だといろいろ見逃すというか、無意識のうちに見たいところだけを見てしまってるようだけど、こうしてBlu-ray視聴だと、もっとフラットに、隅々まで目配せして見れる感じ。

それでも内容的には、AKBGの一年を振り返る、もの凄く速くてもの凄く濃かった時間の流れの、大まかな振り返りに過ぎない感が強い。これは、既に過ぎ去ってしまった過去。もう終わってしまったことなんだという。

以下、例によって雑多な殴り書き。

前田さんの卒業。昨日の"SWITCH"のインタビューでも思ったことだけど、こうしてファンが神輿を担ぎ上げ、メンバーがその資格を認め、当人にその才があり、何よりその覚悟を示し切ったとき、人が人としての枠組みを超えようとするとき、そこに「神」が現前する、それが日本なんであり、多神教のコスモロジーなんだろうな。

そしてふと思いついたこと。秋元康氏の前田さんへの入れあげは、あれはよく言われる「俺が育てた」以上の思いからなんじゃないか。つまり、前田さんの特異才能は極めてレアなものであり、それは神の気まぐれの如く付与さてはいたけど、誰にも気づかれることなく埋もれていた。それを秋元氏は気づいた。見いだした。言わば神の企みを暴いた。神を出し抜いてやった。

このあたり繰り替えしになるけど、キリスト教の教義は予定律。この世のすべては神の意志なんであり、すべては予め予定されている。けれども愚かな人間は、そんな神の意志を決して知ることはない。ここで言う「神の企み」とは、そういうこと。秋元氏は、前田さんの在り様に、言わば神に勝利する快感を得てたんではないか。もちろん、秋元氏的には、神とのポーカーに勝ったという感覚だろうと思うけど。

さっしーのスキャンダルとHKT移籍。改めてANNのシーンを見て思ったのが、これが秋元氏、一世一代というと大げさだけど、なんかそんな目一杯の誇張表現をしたくなるような大博打だったんじゃないかと言うこと。秋元氏もうまく行くとは思ってなかったけど、さっしーがアイドルとして生き残る術は、これしかなかった。さっしーの才能だけはガチなんで、最後は骨を拾ってやるというか、マジで秋元事務所で引き取るくらいのことは考えてたのかもしれない。

実際、ここに映し出される、さっしー以前のHKTの垢抜けないこと、悪口に聞こえるのを恐れるけど、イモっぽさというか。そして、これは当然とは思うけど、さっしーに対する微妙な拒絶感。こんなムリゲーから、現在のHKTにまで持ってくる、そんなさっしーの手腕にはあらためて舌を巻くしかないし、秋元氏的にも正に大勝利。前田さんが去った後は、秋元氏の楽しみはさっしーなんだろうな。

Switch Vol.31 No.5 前田敦子インタビュー

2013年04月26日 | AKB
正直、期待してなかった。確かにSwitch Vol.31 No.5の目玉記事ではあるんだけど、むしろ主な購入目的は、「指原リローデッド」の指原X穴井X兒玉対談の方であって、前田さんの方はおまけのつもりだった。ところが、これが凄かった。

「フォトストーリー」はもちろんだけど、インタビューの内容が、正に直球で前田さんな感じ。こんなにしゃべれるんだという新鮮な驚きも束の間、語り口の力強さ、そして語られる内容に圧倒されてしまった。インタビュアーが優秀と言うことでもあるんだろうけど、前田敦子という類い希な存在が、鮮やかに現前してる。

基本はAKBのころと何にも変わってない。真っ直ぐな感じ、揺るぎない感じ、何ものをも突き抜ける、通り抜ける感じ。相変わらず表現に窮するところだけど、この前の生駒さんの記事あたりで察して欲しいなと言うか、グループアイドルであれば、センター属性という便利な言葉で表現できるもの。けれども、それは、決してアイドルというジャンルに留まるものではなかったし、「センター」なんて限局された概念でもなかった。

秋元康氏ですら表現に窮するのだから、私などに説明できるはずもないんだけど、人には超レア属性としての絶対的スター属性のようなものが存在していて、それを前田さんは持ってるんだと確信した。もちろん天賦の才であり、極めて少数の者にしか付与されない。それこそ秋元氏の口癖のような、10年に一人レベル。実際にはもっとレアじゃないか。

もちろん前田さんが普通の女の子であることに変わりはない。だからこそ、この極限のギャップが、あり得ない奇跡を成し遂げていくことになる。なんか書いてて矛盾してると思うけど、日常を遥かに超えた世界では、矛盾と極限が、そして奇跡が、同一の概念範疇となってるんだろう。

秋元氏がなぜあれほどまでに前田さんに惚れ込んでいたのか、そしてAKBという存在が、なぜにしてあそこまで巨大なムーブメントになったのか、その解答が、ここに書かれてるように思うし、さらには、前田敦子という存在の底知れなさ、怪物ぶりは、まだまだ隠れたままなのかも知れないとすら思わされる。

ついでになっちゃうけど、「指原リローデッド」の対談内容は、想定内というか、本ブログにて既述の内容に留まってたと思う。我が軍大勝利とは書かないけどね(書いちゃった)。