AKB48の旅

AKB48の旅

「AKB48は日本製造業の継承者」か?

2012年06月30日 | AKB
http://biz-journal.jp/2012/06/post_314.html

興味深く読んだ。個別の指摘は的確だと思うし、なによりこの坂口孝則という人が、AKBをよく理解されてること、さらに言えば愛していることが伝わって来て嬉しくなるな。ちなみにこの人の名前は初めて知ったけど、ググってもどんな人物なのかよく分からん。別の記事だと、乗数効果を分かってるのか分かってないのか、ちょっと不思議なことを書いてたりしてるけど、まあいいや。

かつての日本企業が共同体だったってことは、これまで多くの識者が指摘してるけど、そこは意図的にパスしたのかな。「物語」に触れながらハイコンテクスト文化の視点もスルーしてるように読めるし、敢えて批判的に見れば、牽強付会気味かもね。

AKBINGO! 宮本亜門ミュージカルオーディション

2012年06月29日 | AKB
素直に面白かった。それでもいろいろ思うことはあるけど、まず最初に書いておくべきは、一瞬の見切れとかからでも垣間見える、オーディション参加者のレベルの高さ。考えてみれば当たり前、みんな48Gのオーディションの合格者なんだから、既にして選ばれた人達なんだと、そんな当たり前のことが確認できたかな。

次に、ちょっと悪口側に傾くけど編集のあざとさ。なるだけフラットに見る様に心がけてても、誘導される感じ、引きずられる感じが、けっこう不快だった。まあ宮本亜門というプロ中のプロのオーディション内情を見せてくれる、それだけで満足すべきなのは分かるんだけど、そしてそこにクレームをつけるのは間違いだというのは分かるんだけど、それでも、もう少し中立な編集にして欲しかった。まあ無理か。

これってまるまるDVD売り出してくれないかな。編集を最小限にとどめて、オーディションのリアルタイムで全員平等に。で、宮本亜門のコメンタリーを入れる。面白いだけでなくて、間違いなくすごく勉強になる。少なくとも私は買うし、そっち方面では最高の教材になるだろうから、そういう需要もあると思う。外部の人に無名のメンバーの「実力」を知らしめるチャンスの出口にもなりそう。秋元康、食いつかないかな。

最終オーディションは納得の人選だと思うけど、仲谷明香が選ばれたところを見ても、やはり歌が最重要なのかな。まあ声は天性だし、訓練でどうこうなる域を超えるだろうし。実際、番組の編集の内にあっても、声の凄さはよく伝わってきたように思う。

NMBの扱いは何とかならんのかい。せめて踊ってるシーンを入れてくれよ。

再見にして初見の「1ミリ先の未来」

2012年06月28日 | AKB
調子に乗って、久しぶりに「1ミリ先の未来」を見返してみた。BGVのつもりだったけどダメで、いかんなあと思いつつ途中からはガン見状態。以前は気がつかれることのなかった情報がてんこ盛りなんだ。背景で流されてる曲の曲名から何からがすべて分かる、遠景も含めて、出て来る顔が誰だかすべて分かる、前までは意識すらされなかった情報が見て取れるようになってて感動。

同じ作品の再見なのに、全く新しいものを見てるような奇妙な錯覚感。ああハイコンテクストだなという実感とともに、ここまで読み込んでこないと、AKBの真の面白さに辿り着けないことに、あらためて納得させられてしまった。これは、その他多くの映像なりテキストなり、あらためて見返さないといかん。いや、一粒で二度も三度もおいしいことを喜ぼう。

このブログは、私がAKBを学んで行く過程そのものだったんだけど、気がついたら半年。大方のところは分かったつもりになってるけど、劇場公演を始め、まだまだ決定的に欠け落ちてる部分も少なくない。「見逃した君たちへ」は既に入手済みなんで、ここも少しづつだけど埋めていきたいな。

誰がCDを買っているのか

2012年06月27日 | AKB
真夏SGが178万枚。凄い数字だけど投票権が付いてるから、とか安易に考えてしまいがちになるけど、第4回選抜総選挙の総投票数は1384112票。しかもこの数字はモバイル票とかも含んだ数字。ググっても投票の内訳が分からないようだけど、恐らくこのうち数十万票は、CD投票権以外になるはず。となるとCD投票権のうち、半分前後が行使されていないことになる。この票に反映されていないCDは、誰が何の目的で買っているのか。

異論はないと思うけど「君は僕だ」は、最高レベルの良曲だと思う。メロディはキャッチーで聞き込むほどに癖になる。歌詞もあっさんにジャストの個人仕様となってる。そのあっさんは知名度は言わずもがな、それ以上にスターオーラで光り輝いてる。曲の魅力で、歌手の魅力で、これ以上のものはまず出ないレベル。それで売れる枚数が、発売一週で約13万枚。第3回選抜総選挙の獲得票数が約14万票だから、これがそのまま売り上げになってるとすれば、固定ファンだけが買ってることになる。けれども、売り上げ推移とか見ると、むしろそうではないようにも見える。

太ヲタさんの複数買い。話としてはよく聞くし、話として面白いしマスコミでは、そしてネットでも確かに目立つ。けれども実数としてどんなものなのか。言ってみればネットの乗数効果みたいのがあって、ネット故の拡大再生産が過剰に働いている可能性はないか。

憶測の上に憶測を重ねる愚になるので、話を先に進められないのがもどかしいけど、そしてヲタさんと一般という対立軸自体が胡散臭いけど、真夏SGの投票されなかった数十万枚は、間違いなくヲタさん以外の何者かの購入だろうし、「君は僕だ」を買ってる少なからぬ人は、固定客ではない新規の方なんだろう。

この辺りの真実が、今度のアルバムの売れ行きで見えてくることを期待したいな。

「死ぬ気でやりましょう」

2012年06月26日 | AKB
やっと時間が取れて、音楽熱帯夜版AKB48@SBDを見てる。時系列に多少の前後があるようだけど、それは因果関係がより明確になるようにという意図での編集であり、「演出」ではないのが分かる。「Show must go on」では、演出意図という名の、ある種の歪みによって結果的に隠蔽された事実が見えてくるように思う。

1日目の反省会で秋元康にダメ出しされた後、たかみなの「死ぬ気でやりましょう」が共同体意識として共有された結果が、2日目の「死屍累々」だったことがシンプルに分かる。たかみなが命令したわけではない。メンバーも命じられたから従ったのではない。たかみなが共同体意識の代表だからなのであり、皆がその意志を自らのものとした、そういうことなんだと思う。

結果として、メンバーはそれぞれの個を超えてしまった。共同体としての意志が自身の意志となり、リミッターが外れてしまった。表現がきつくなるけど、自己犠牲、利他行為が徹底されてしまった。あっさんの過呼吸発作も、この共同体意識の重圧であったことが見えてくる。センターとして、一人の人間が背負える許容量を遥かに超えたものがのしかかってしまった。これに耐え得る人は誰もいない。

柏木由紀が、限界を超える「快感」について語っていたけど、それは確かにランナーズハイ的な要素もあっただろうけど、それ以上にこの共同体に殉ずる快感だったのではないかと思う。過激に言えば、「皆喜んで死んで行った」ということ。

そう、この行動様式は、敗戦以前の日本人のそれに極めて近い。様々なフィクションにまみれて見えにくくなってるし、悪意も含めてそういうごまかしがはびこってるけど、当時のことを当時の意識で語ってくれる方々に共通するのが、この共同体意識だと感じた。それは、敢えて言おう「誰かのために」という意識。子供のため、両親のため、郷土のため、お国のため。愛する人のため。事実として当時の世界はそういう世界だった。

「誰かのためにプロジェクト」は、しかしそのような色づけはされているようには見えない。1日目のダメ出しをした時の秋元康にも、奇妙なくらいにAKBの共同体意識に対する働きかけ、あるいは認識を臭わせていない。でも「スイッチ」を推したのは間違いなくこの人。ここから先は書かない方が良いんだろうけど、秋元康が確信犯だとしたら・・・、それは時に仄見えるように思うんだけど、恐ろしい人なのかもしれない。恐ろしい人なんだろう。少なくとも相反する二面性を隠し持った人なのかもしれない。そして私の秋元康に対する関心も、この辺りにあるのかも知れない。