AKB48の旅

AKB48の旅

NHKBSプレミアム「第5回AKB48選抜総選挙スペシャル2013 Long Version」

2013年09月30日 | AKB
しばらく「白黒つけようじゃないか!」のブルーレイを見ていたせいもあってか、NHKBSプレミアムの画質の良さが、以前にも増して感じられる。ビットレートだけの問題とも思えないんで、「映像提供AKS」のクレジットこそあるけど、やはりこれは、NHKの撮影機材と編集機材、そして何より技術力の違いと理解して良いんだろうか。それとも単に天日照明だからだったりして。

既放送の1時間半バージョンとの最大の違いは、第一部のコンサートのダイジェストが入ってること。ここで何より感じるのは、7万人という観衆が持つ、圧倒的な数の力。BSプレミアムの高画質で、その圧倒的な「説得性」「承認感」を印象づけられる。やはりこの「装置」は凄すぎる。

そして、そこに全メンバーが総出演することで、白日の下に晒される序列。センターステージでパフォーマンスする選抜メンバーには、豪華な衣装と、一目で分かる大きな羽根飾りが奢られてる。それより下位になると羽根飾りは小さくなり、さらに下位だと羽根飾りは付かない。衣装の華やかさも差別化されてる。ポジションもセンターステージから、サイドステージへ、そして花道へと下って行く。これが選抜総選挙の前座であることを、強く意識した演出意図を感じる。

HKTの「初恋バタフライ」は、観客に飲まれたのか、多くのメンバーが怯えるかのような表情のように見えた。NMBの「北川謙二」、SKEの「パレオはエメラルド」、AKBの「真夏のSounds Good!」は、たぶんNMB、SKE、AKBのそれぞれ正規メンバー全員によるパフォーマンスが、会場の広さに、それなりにではあっても対応してるようで、なかなか良い感じに見える。

逆にチーム曲になると、会場とのミスマッチを感じてしまう。公演曲を、そのままここでやるのは、無理があるんじゃないかな。

総選挙の映像は、たぶん1時間半バージョンと同じだなと思って見ていたら、選抜から映像が差し替えられて、スピーチがフルバージョンになってた。これは嬉しい驚き。

今回あらためてフルスピーチを聞いてみて、一人だけ選ぶとすれば、やはり横山さんかな。すべてをさらけ出して、全力で、全身全霊で生きてる感じが伝わって来て、もう素晴らしいという言葉ももどかしいくらい。絶賛するしかない。

MUSIC STATION 9月27日3時間スペシャル

2013年09月29日 | AKB
「番組開始から27年、7945組の秘蔵VTRを一挙公開」との触れ込みで、「ライブ映像ベスト70をランキング形跡で発表」だったんだけど、どうだろう、ある種典型的なテレビサイドな編集にして、番組だったように思う。

一般人が、27年分からリクエストとかするのは、多分ムリだし、となると、この「ランキング」なるものの正体が見えてきそうだし、なんでベスト70なんて中途半端なんだ、なところも、あっち様の都合なんだろうなとか、斜に構えたくなる。まあどうでもいいんだけど。

69位が「AKB48 サンタの衣装でクリスマスイブ」2010年12月24日放送だったけど、これはたぶん初見。素直に見れて良かった。選んでくれたどなたかに感謝。

29位が「大島優子初センターで登場」2010年8月20日放送で、これは見た記憶がある。こん時はまだ、AKBを正当に認識できてなかったなと、しみじみ思う。映像を見ながら、素直に反省したい。ヘビロテは、AKB第一章を、そして時代を代表する曲になった。なんか感慨深い。

「恋するフォーチュンクッキー」と「ハート・エレキ」のメドレー。前田さんがいた頃の過去映像との対比で明らかだと思うけど、AKBが変貌した、進化したことが分かる。温故知新の典型にして、古いようでいてそうではない、ここに、まったく新しい何かが産み出された。創造の瞬間にリアルタイムで居合わせる喜びかな。

そして予想通りというか、センター小嶋さんは生歌。「天才」小嶋さんにして声が震えてる。Mステでのセンター生歌が、いかにプレッシャーなのかが伝わる。それは同時に、未知のものがこの世に現れる、その産みの苦しみでもあるんだろう。

3位が「前田敦子 AKB48として最後のMステ出演」2012年8月17日放送。1年とちょっと前なのに、遙かな昔のように感じる。イノベーションという言葉は、その実態からして好きになれない言葉だけど、AKBはイノベーションの理念を実現してる希有な例かなとか書いてみる。


白黒つけようじゃないか!AKBグループ総出演公演(昼の部)

2013年09月28日 | AKB
最初の殺陣の時点では??だったけど、AKB高橋大島、SKE松井JR、NMB山本渡辺、HKT指原田島の、それぞれのRIVERのコールからは、なんか一気にワクワク感が来た。ああ、この正々堂々、切磋琢磨って、武士道のフィクションだよねとか、あらためて気づかされる感じ。なにしろ舞台は武道館だし。しかもそれを女性が演じてるのがなんとも。AKBには「美しい」日本の幻想が色濃く漂ってるんだなあと、あらためて感じた次第。

AKBの「パレオはエメラルド」の重厚感。メンバー全員に名があること、存在感があることで、オリジナルとの対比が際立つ感じ。HKTの「1!2!3!4!ヨロシク!」は、ダンスのダメっぷりがカワイイかな。NMBの「お願いヴァレンティヌ」のダンスがキレッキレな上に、シンクロ無双でワロタ。これだとかえってパロディみたいに見えてしまうという。SKEの「絶滅黒髪少女」は、松井JRさんがカッコいい、というか、身長の違いが効いてる感じ。AKBの「HA!」は、やはり年の功かな。若手も加わってるけど。こうやってスワップしてみると、それぞれの「文化」がよく分かる。

U15選抜の「言い訳Maybe」は、もうこういうのが見たかったとんだと絶賛したい。前田AKBの再来と言うと失礼にあたるし、見当違いだけど、キラキラ感があって、身のこなしも張りがあってきびきびしてて、何もかも懐かしい的な錯覚に陥ってしまう。ぜんぜん似てないのに、田島さんに前田さんの姿が二重写しになる。U19の「永遠プレッシャー」も、このメンバーだと、島崎さんにセンターの風格が滲み出るかな。

総評というか、この「白黒つけようじゃないか!AKBグループ総出演公演(昼の部)」を見て、これまでにも増して感じたのは、AKBGの組織感、そしてなにより秩序感。演出とか指示とかそんなのを超えた、これは以前も書いたと思うけど「絆」感。武道館という箱がちょうど良い、あるいはこれが限界のサイズという方が合ってるのかも知れないけど、1万人が渾然一体となってる快感。

しかも、その組織は流動し転がり続けてる。であるにも関わらず、動的秩序が維持され続けてる。この瞬間にも、AKBGが成長し続けてるのが分かる。

小林よしのり著「AKB48論」

2013年09月27日 | AKB
何を書くべきなのか。いや、それ以前にスルーした方が良いのか。正直迷った。・・・けれども、やはり触れておくべきだと思うし、それだけの内容になってると思う。

各論的には、突っ込み所満載と言い切って良いだろう。視点にもよるけど、詰めの甘い議論が多いし、わら人形的な対立軸の設定は、小林先生の常套手段とはいえ、やはり方法論としての問題を抱え込んでしまう。現象として複雑なものを単純化し過ぎるというその作法は、しばしばミスリードへと繋がる。

けれども、そんな各論は、取り敢えずはどうでも良いのかも知れない。議論として重要なのは、総論的なもの。この小林先生の立ち位置、AKBへと立ち向かう生き様の方なんではないか。とすれば、それは当然、批判とかされるべきものではないし、むしろ賞賛されるべきものかと。

そういう意味では、これはAKB48「論」なんかではない。著名な文化人から発せられた、知的階級的視線でのファン宣言あたりに該当するんじゃないか。もうちょっと言うなら、濱野氏の「前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48」を、思いっきりソフィスティケートしたら、こんなんできました、そんな理解で当たらずとも遠からずではないか。

それでも、強いて一点だけ突っ込んどくとすれば、それはやはり「大衆化」とさっしーについての議論。確かに、そういう指摘は可能だと思うけど、既述の如く、私はこの点では楽天的で、むしろ逆の帰結になるんじゃないかと夢想してる。テレビは、増幅装置以上の破壊力を、既にして喪失していると。そして、こちらがより重要かも知れないけど、さっしーがテレビサイドの存在だという認識は、やはり誤りじゃないかと指摘してみる。

たぶんだけど、さっしーというのは、小林先生の理解を超えてるんだろう。さっしーという存在様式を受容できないんだろう。だから過剰反応してる。恐怖感を露わにしてる。もっと素直になって、そんな事実を認めて、肩の力を抜いて楽になったら・・・とか、エラソに書いてみることにする。

白黒つけようじゃないか!HKT48単独公演

2013年09月26日 | AKB
最初のMCで穴井キャップも言ってたけど、初コンサートが武道館ということのとんでもなさ。けれども、それをちっともとんでもなく感じない、そんなAKBムーブメントの異常さに鈍感になってしまってる。武道館って、一つの目標となるべき大箱のはずなのに、感覚的にはまるで逆だなあ。

そんな感想を持つまでもなく、のっけから360度ステージの破壊力にやられてしまう。純白中心の衣装に、トビ気味なくらいに強い照明、そして元気いっぱいのパフォーマンス。そんな様子が全方向のカメラから捕らえられる。観客との一体感が、びしびし伝わってくる。これって「天国」なんじゃないかとか、月並みなことを口走ってしまう。

「渚のチェリー」はさっしーの職権乱用なのか、それとも例によって秋元氏が面白がったのか。多分その両方のような気がする。次の「隣のバナナ」が田島さん、朝永さんなの見て、もうこれは確信になった。さっしーが提案して、秋元氏がイケイケどんどん背中を押したに違いない。「狼とプライド」が宮脇さんと本村さんなんて、反則にも程がある。申し訳ないと思いながらも書いちゃうけど、これってオリジナルを完全に超えてるだろ。

さっしーと田中さんの二人のMCは、珍しくも?しっかり台本レベルの作り込み。いつもは早口のさっしーの口調がゆっくりなのが、なかなか新鮮。台本とはいえ、ここまでしっかりしゃべれる田中さんに対する、今後の成長への期待は大きいかな。

姉妹グループ(と言って良いんか?)のシングル曲サビメドレー。正直、こんなに楽しいとは。過去に似たような事例があったのかどうか知らないけど、さっしーのアイディアだとすれば秀逸すぎる。これ、毎回やっても良いんじゃないか。権利関係の問題が発生しないAKBG内だからこそ可能なんだし、逆手であれ何であれ、できることは何でもやってみようというのは、素晴らしいと思う。

全体の感想としては、まずなにより感じたのが、HKTのビジュアルレベルの高さ。取り敢えず、全員が見た目だけで勝負できてしまう。アイドルとしての基本がもうハイレベル。その上で中心メンバーのキャラまで立ってる。ほとんどのメンバーがしっかりしゃべれる。アイドルという枠組みでは、これは、もう現状にして最強だろう。

最後にいらぬ苦言。なんでディスクを2枚に分けたんだろう。ディスクの入れ替えというのは、けっこうなストレスというか、せっかく気持ちよく見てるのに、無用の冷や水になってしまう。ボックス記載の収録時間は、ディスク5が片面1層80分、ディスク6が片面1層66分。なんで2層ディスクにしてくれなかったの。