よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

「日本の事故はチェルノブイリよりも何倍もの桁で悪い」のだから無限責任損害保険を。

2011年05月16日 | ビジネス&社会起業

この言は、Dr. Helen Mary Caldicottのものです。

国内の主流派新聞、テレビは、今回の原発事故がレベル7と判定されたとき「チェルノブイリにくらべれば環境に放出された放射線物質の量は1割程度」といった論評を頻繁に加えていました。しかし、5/16の時点で、いっこうに事故機は収束に向かっておらず、早くも工程表で示したパスから大きく逸脱しはじめました。

日本国内の目線だけではなかなか客観的な評価や論評に接することができません。その点で、前記のヘレン・コルディコット博士の言説は注目しておいていいでしょう。

日本国内の意思は、診断、診療が中心ですが、海外の医師には、ヘレンさんのように、健康をまもる、健康被害を防ぐという観点から実証的な研究にもとづき、社会的な発言をなさっている方が多いのですね。

さて、以下は「脱原発の日」さんからの引用です。抄訳を作っていただき、ありがとうございます。感謝です。

<以下貼り付け>

「大局からみた福島原発事故」
( * 同講演のビデオ: 
<http://www.youtube.com/watch?v=Jo-l36-ALjk&feature=feedu > )
(抜粋訳)

「最初にこのレポートをお知らせしたいです。
 ニューヨーク・アカデミー・オブ・サイエンスによる、チェルノブイリ報告です。
 (* Annals of the New York Academy of Sciences 
<http://www.nyas.org/Publications/Annals/Default.aspx > ) 

彼らはロシアからの5,000の報告記事を初めて英訳しました。WHOやIAEAが何を言おうと、この報告によればチェルノブイリ事故の結果ほぼ100万人の人々が既に死んでいるようです。これは医学の歴史においてもっともひどい隠匿の一つです。

そしてそこから日本までを推測しましょう。日本の事故はチェルノブイリよりも何倍もの桁で悪いです。これまでの人生で私は6つの原子炉が同時に危機になるということを考えたことがありませんでした。 これらGE社のマーク1型原子炉の設計を支援したGE社の3人の技術者が同原子炉が危険だからと言う理由で辞任したことは知っていました。

日本はそれらの原子炉を地震断層の上に建設しました。......冷却プール(*複数)の中には、ひとつの原子炉コアにあるものの10~20倍もの放射能があります。ひとつの原子炉コアには、ヒロシマ級爆弾1000発により生じるほどの長寿命の放射能があります。私たちは悪魔のエネルギーを扱っているのです。...............

......さて、ウラニウムを核分裂させると新たに200の物質が生成され、そのすべては当初のウランよりもはるかに体に有毒となります。ウランは大変有毒ですが、米国はそれをファルージャとバグダッドで使用しました。ファルージャでは生まれつつある赤ちゃんの80%はひどい奇形児です。脳がない、目が片方しかない、両腕がない...。医者たちは妊娠中の女性たちに子供を産むのをやめるように言いました。小児ガンの発症はおよそ12倍に増加しました。これは集団虐殺ですーーイラクで行われているのは核戦争なのです。米国が使っているウランは45億年もなくならないのです。ですから我々は文明のゆりかごを汚染しているのです。「有志連合と称して!」

しかし原発においては放射線量が莫大です、200の生成物質ですから。あるものは数秒で消滅し、あるものは数百万年残ります。放射性ヨウ素は6週間でなくなりますが、甲状腺ガンを引き起こします。それで人々は「ヨードカリウムをとったほうがよい」と言います、なぜなら甲状腺が放射性ヨウ素を摂取し、後年甲状腺ガンが生じるのをそれが防ぐからです。チェルノブイリでは20,000人が甲状腺ガンにかかりました。甲状腺を取り出しても、毎日甲状腺の代わりとなるものをとらなければ死にます、ちょうど糖尿病患者がインシュリンを取らねばならないのと同じです。

ストロンチウム90が放出されるでしょう、それは600年残ります。骨に集まり、そこで骨ガンや白血病を引き起こします。セシウムは600年間なくなりませんーーそれはヨーロッパ中にあります。ヨーロッパの40%はいまなお放射能を帯びています。トルコの食べ物はきわめて放射線量が高いです。トルコの乾燥あんず、あるいはトルコのヘーゼルナッツを買わないように。チェルノブイリ事故のあとトルコ人はロシア人に対し大変立腹したので、放射性の紅茶をすべてロシアに送りつけました。

ヨーロッパの40%はいまだに放射能汚染されているのです。英国の農家の子羊はセシウムの量が高いため売り物になりません。ヨーロッパの食べ物を食べないでください。

しかし、そのようなことも現在起きつつあることにくらべれば何でもありません。最もおそるべき核の副産物は、黄泉の国の神であるプルートの名にちなんだプルトニウムです。もし1グラムの100万分の1を吸い込めばガンになる可能性があります。理論上では、1ポンド(450グラム)のプルトニウムを均等に配分すると仮定するならば、地球上のあらゆる人間をガンにし得るのです。原発のひとつひとつの原子炉には250kgのプルトニウムがあります。原子爆弾を製造するには、ほんの2.5kgあればよいのです、なぜならプルトニウムは爆弾の材料だからです。

ですから原子炉があるどんな国も、カナダのウラニウムで稼働させているのです。カナダは世界で最大のウラン輸出国です。カナダは二つのものを売ります。命のために小麦粉を、そして死のためにウラニウムを売ります。プルトニウムはいま排出されつつあり、北半球全体に広がろうとしています。それはもうすでに北アメリカに向かってきています。

放射性ヨウ素、加えてストロンチウム、さらにセシウム、その上トリチウム、さらにもっともっとあるのです。雨が降れば、死の灰が降りてきて食物に凝縮します。海に流れ込めば、藻がそれを数百倍に濃縮させます。さらに甲殻類がそれを数百倍に濃縮させます。それから小魚、そして大きな魚、そして私たちの口に入るのです。私たち人間は食物連鎖の頂点に位置するからです。

食物に入ったこれらの放射性要素には味がありません、それは目に見えません、においもしません。それには何の気配も感じられません。体内に取りんでも、突然倒れてガン死するわけではありません。あなたがガンになるには5年から6年かかり、胸に固まりを感じても、その固まりが「私はあなたが20年前にたべた一切れの魚にあった、少しのストロンチウム90から作られたのよ」と言ったりしません。

どんな放射能でもダメージを与えるのです。それは積もりますーー少量浴びるたびにあなたがガンになるリスクを増加させます。アメリシウムはプルトニウムよりさらに危険ですーー私はこのような説明を際限なく続けることができます。あなたが放射能をとりこむかどうかは、雨が降るかどうかによります。雨が降り放射能が降下するならば、食べ物を栽培せず、その地の食べ物を食べないように。つまり600年間食べないようにという意味です。

原発から出る放射性廃棄物は(*注:カナダでは)オンタリオ湖の隣の敷地に埋められると私は聞いています。それは漏れ出し、数百万年もとどまるでしょう。水に入り込み、食物連鎖に入り込みます。放射性廃棄物は、今後ずっとガンや白血病、遺伝子の疾病を誘発するでしょう。 これは、核戦争という日常的な危機を除き、今まで世界が目撃してきたなかで最大の公衆衛生災害なのです。

アインシュタインは「原子を分裂させることが、人間の思考形態を除き、全てを変えた」ーーとても深い言葉ですーー「それゆえ、我々は比類無き災害へと漂流する」と述べました。私たちは傲慢で、多大に思い上がっており、そして一部の人間の脳にある爬虫類の中脳は病変であると私は考えます。

私たちはこれまで太陽のそれのように莫大なエネルギーを押さえ込み利用していた状況です。 それが今まったく制御不能です。そして私たちにできることは何もありません。 (終)

<以上貼り付け>

(私の意見)

原発推進に反対?賛成?

こんなこと、よく尋ねられます。

そもそも、原発については推進派も反対派も、教条主義的な主張が強く、そこに党派性が加わってしまい、双方の間には建設的なダイアローグはなかったのです。絶対反対、絶対賛成の両極端の主張ありきで、その主張を組み立てるための言説です。

この種の教条的主張をモトにした議論は現実的なソリューションを生みはしません。賛成のための賛成論、反対のための反対論。こりゃ、水掛け論だわ、ウチゲバだわ。

ビジネスの基本にたちかえってプラグマティック(実用・実際的)な議論をしましょうよ。

原発事故によって、①失業など地域の住民が被るあらゆる機会損失、②農作物、畜産物、海産物被害、③現在そして未来の健康被害、④棄損された山、森、川、海、水、土、大気などの自然環境、⑤道路、橋、鉄道、港、上・下水道、電力・ガス、郵便・通信などの社会的インフラストラクチャー、⑥教育、医療、金融、司法、行政、文化などの制度資本、⑦自衛隊、警察、消防などの危機対応出動・稼働コスト、などのコストが発生し、資産が減耗、棄損されました。

これらを公的資金=税金でまかなうのは国民が納得しません。また電気料金値上げも国民は納得するわけがありませんよね。

電力会社は、いくら独占企業の色彩が強いとはいえ、市場経済のなかでリスクを先取りして、リスクをヘッジして、リターンを得てリスクを負担する株主に分け前を配分する企業です。資本主義体制下でのビジネスの基本として、すべての非定常的な損害コストは保険でまかなうというのがスジです。

①~⑦の損害にたいしては無限責任保険でカバーする。無限責任保険スキームが実現すれば、どうぞおやりください。無限責任保険スキームが実現できなければやれません、やってはいけません。

話はとても単純明解です。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿