散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

滅び行くもの-民衆駅-

2006年11月17日 19時41分41秒 | 旅日記
民衆駅と言う言葉をご存知だろうか。商業施設(食堂やいわゆるステーションデパート)を併設し、多くはそこにつながる(地下)連絡改札口を設けた駅のことである。北海道で言うと,かつての札幌駅・帯広駅・釧路駅・旭川駅は民衆駅であった。その旭川駅のステーションデパート閉店日に私は旭川を訪れた。

以下、過去の旅日記である。
***
昔,富良野に住んでいた私の楽しみと言えば,旭川まで電車で遊びに行き,西武の本屋で早川文庫と創元推理文庫を買う事であった。その頃は全く意識していなかったが,地下改札口からステーションデパートを通り抜けたり,確かデパート内の食堂で焼きそば(安かった。200円台?)を食べたような記憶がある。

旭川駅に直結した地下入口からステーションデパートに入ると,「閉店」「ありがとうございました」の垂れ幕がかかり、寂しい中にもいそいそした雰囲気もある。



事前に調査しておいたデパート食堂街のおでん「K」へ。



この店、開店が午前11時で,電車待ちの客が集う店らしい。大根、豆腐、玉子、酒冷やを注文。感じの良いおばちゃんがおでんを盛ってくれた。昼の12時過ぎではあるが、ダシの味はしっかりついており、旨い。ひとしきり食べたところで、常連のオッサン達が来たのを潮時として店をでた。

歩いて旭川美術館の「日本近代洋画への道」を見る。



その後、ラーメンの「M」へ。以前にも書いたが、この店の生姜ラーメンは絶妙である。この名前を聞いて想像する味を、必ず上回ると思う。さらに歩いて、銀座通り商店街へ。

私も子供の頃から旭川には結構来ていたが、この商店街の存在を知ったのは最近である。商店街の中心部にある銀座デパートや銀ビルは廃墟寸前の味のあるお姿だ。中には市場が入っており、買い物客はそこそこいる。また、通り沿いに屋台街を作るなど、活性化の努力をしているようである。



古びた街を通り抜け、T地ビール館へ。
まずは、黒ビールの「黒岳」と言うのを頼む。通常の黒ビールよりさらに濃厚なコーヒーリキュールのような味がする。続いてハーフアンドハーフを頼み、チーズフライ、ソーセージ、あぶり鮭のサラダを食べる。野菜と、脂ののった鮭をドレッシングで食べるのがなかなか。

地ビール館を出て、小雨の中また街中へ戻る。旭川最古のバーと言われる「B」へ。と、ところが、ゴールデンウィークのせいであろうか休みなのである。動揺する気持ちをなだめつつ、調査しておいたバー「A」へ。

客がなく静かな店は、まだ新しいらしく綺麗だ。シーバスリーガルのソーダ割り、マティーニと頼む。マティーニの入ったクリスタルグラスは作りがゴージャスで
重たい。

「リキュールを使った複雑な味のカクテルを」とのリクエストに答えて、ノックアウト(ジン+ベルモット+ぺルノー+ミントリキュール)という意外にすっきりした味のカクテルが来た。何だか調子いいなあと、更にオールドパル、サイドカーを注文しカクテルを堪能した。

9時頃、旭川駅に戻ると、ちょうどステーションデパートへのシャッターが閉まるところであった。さらば、ステーションデパート。次は7月末で閉鎖になるらしい釧路駅でも行ってみるか(ウソ。遠くて行けなかった)。

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (nemui-yanai)
2006-11-17 22:17:49
緑橋通りにもしぶいビルがありますね。
Unknown (SH)
2006-11-19 11:25:28
ヤナイさん、こんにちは。

旭川の街はいつかはじっくり見なければと思っているのですが、つい日帰り+展覧会で慌しくなってしまいます。
おでんやさん (ヨダ)
2018-12-06 16:23:11
昭和50年代に旭川の高校に通っていた頃
そのおでん屋さんに母と二、三度行きました。
おでん定食に茶飯もついていて おでんのお味もとても美味しかった記憶があります。
今、おでんを作っていて ふと思い出し 煮込みながら 「旭川ステーションデパート、おでん 」で検索し、懐かしい画像に感激しています。有難うございました。
Unknown (SH)
2018-12-07 07:12:00
ヨダさん、こんにちは。
私も昭和50年代に旭川には行っていましたが、その時にはこの店は知りませんでした。
駅に地下通路から入れるので、そこを通ったくらいです。
これは大人になってから行ったものですが、実にいい店なのに閉店ということで、惜しいなあと思ったものです。
まだ写真を撮りなれていなかったので、写真が貧弱ですみません。喜んでいただけて、嬉しいです。

コメントを投稿