散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

春の東京(4) かなり地味

2015年03月14日 11時26分32秒 | ART
昨日から腰痛が発症。あまり無理せず、10時近くなってからホテルを出発する。まずは人形町から日比谷に移動し、三菱一号館美術館の「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」へ。感想を一言で言うと、かなり地味だった。

 

ウジェーヌ・ブーダン「トゥルーヴィルの浜辺風景」:上流階級の男女が大勢で浜辺に繰り出している図。豪勢である。
エドガー・ドガ「競馬」:ドガの色彩はちょっとした所だけでも際立っている。
ポール・セザンヌ「愛の争い」:セザンヌも遠くから見ただけで不思議と分かる。

オディロン・ルドン「ブルターニュの村」:カラフルな風景画。ルドンの多様な才能が分かる。
ジョルジュ・スーラ「《グランド・ジャット島》の習作」:画が小さく、相対的に筆のタッチが大きく見える。
ジョルジュ・スーラ「海の風景(グラヴリーヌ)」:こちらは筆のタッチが小さく、いろいろ試行錯誤していたのが分かる。絵の中に点描で額縁が書き込まれているのもスーラらしい。

ジャン=バティスト=カミーユ・コロー「芸術家のアトリエ」:コローも特徴的だ。
エドゥアール・マネ「タマ、日本犬」:絵の中に「TAMA」とローマ字で書き込まれている。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック「カルメン・ゴーダン」:小品ながらいい。

アントワーヌ・ヴォロン「バターの塊」:油彩でギラッとバターを描いたもの。さすがに日本にこの発想はない。
アンリ・フォンタン=ラトゥール「皿の上の3つの桃」:背景の木の色が圧倒的で、桃の境界線が曖昧になっている。
ポール・セザンヌ「3つの洋梨」:普通に洋梨を描いて、まさしくセザンヌ。

エドゥアール・ヴュイヤール「コーヒーを飲む二人の女性」:モザイク画のようで、遠近感も不明な作品。
ピエール・ボナール「画家のアトリエ」:室内風景で、カイユボットを思わせるところがある。今回、ヴュイヤールとボナールは「アンティミスト(親密派)として紹介されていたが、確かに非常に個人的な視点で作成されているように見える絵画であった。

※途中で展覧会とは別にルドン「グラン・ブーケ」が展示されていた。248.3×162.9と巨大な花の画なのだが、色彩と形が結実したなかなかの傑作に感じられた。(2015.3.21追記)


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