
本日は、ユリイカ→さいとう→スカイホール→三越→時計台→大通→赤レンガカフェ→富士フォトサロン→ポールスターホテル→紀伊国屋→大同→札幌市写真ライブラリー→市民ギャラリー→コンチネンタル→資料館→近美の16箇所。
■紀伊国屋ギャラリー「源氏物語の世界」。江戸初期の久我家嫁入本「源氏物語」は華やかな色彩とかなりの達筆(だと思う)。人物造形は以前見た五島本に比べると少々甘いかな。「源氏物語貼交屏風」もなかなか面白い。
■市民ギャラリー「日本盆栽協会札幌支部展」。盆栽に無知なので発言しない方がいいのかもしれないが、正直言って「手の込んだ造花(造木)」にしか見えない。とても定型化されており、どうみても極小の自然には見えないのだ。まあ、私には見る目が無くて、見る人が見るといろいろあるのでしょう。

→市民ギャラリーへ行く途中にあるステキな(笑)人形プロムナードがしばらく前に終了してしまったのだ。

■近美「野田弘志展」。行く前から判っていたのだが、本当に素晴らしく、久々に作品にのめりこんでしまった(東京等でいろいろ見ているのだが、人が多くてのめりこめないのだ)。旭川で見た「木原康行展」以来かな。
入口から2点目の「馬鈴薯」。先に見ていた人が「写真だよね」と嘆声を上げるので、「素人はすぐ『写真みたい』と言うからなあ」と見に行くと、度肝を抜かれた。まずは私も写真みたいと思わされてしまった。
しかし、落ち着いてみるとやっぱり画である。一番最初に思ったのは、距離感がとりにくいことだ。画の中の全てのものに焦点があっているので、遠近法が使われていても何となく幻惑されるような感じがするのだ。もう一つは自分と画の距離感がとりにくいことだ。画のサイズに普通に合う位置から見るとすぐに近づきたくなり、近づくとまた遠くに離れたくなる。一つの作品をああして、こうしてじっくり味わうことができるとも言える。
次に思ったことは、主題はもちろんだが、背景がいいなあということだ。例えば「メガロポリスⅠ-C」では細いピラミッド状の建物の先端にあわせ、背景が円形を成して塗られている。地味ながら中心へと集中させる効果があると思う。
私の好きな作品を何点か。
「竹」自分も竹林にいるかのように竹の太さ、青い香りまで感じられそうだ。
「チュウリップ」花の画に興味の無い私だが、黒い背景の前に存在感のある花。
「皿と果物Ⅰ」果物もさることながら、背景の白いレース模様がニクイ。
「ソーテルヌのある静物」バラvs果物vsワインという、ゴジラvsモスラvsキングギドラのような大迫力の静物画。
「THE-3」着せ替え人形のような、奇妙な違和感がある。
また鉛筆画の「鳥の巣」「北の海のやどかり」「キャマンベール」などの細密描写も見所だと思う。
私は髑髏の描かれたヴァニタス画が嫌いである。死や滅びの寓意を描くために最初は良かったのだろうと思うが、今となっては単なる記号に過ぎないからである。札幌のギャラリーを回っていても、いまだに牛の頭蓋骨が描かれている作品を見かけるが、なぜ今更こんな表現を用いるのかが不思議でならない。その観点からすると、「TOKIJIKU」シリーズは上手いとは思えても、私の好みではない。
【北海道神宮祭の行列】
