自然な日本語発音への工夫
ローマ字表記の50音表を頼りに日本語の発音を教えますが、ここに落とし穴のあることを、清水先生のご指摘で知ることが出来ました。 今回、所詮、印欧語族の都合で、開発したローマ字で、言語体系、発音の異る言語の発音を表示することに無理があるとのご指摘に接しました。
ヘボンさんは、米国人(英語圏)に都合の良いようにヘボン式を考案してくれました。しかし、同じ印欧語族であっても、全てをカバーしきれているかどうか、よく分かりません。また、ローマ字といえども国々によって、表示も、発音も異なります。清水先生のご指摘のように、日本語においてさえ、タ行において[t]、[ch]、[ts]と、3種類の子音を、[t]だけで片付けてしまっていますので、学習者が、日本語らしい発音ができないのは、当然の成り行きです。教え手の皆さんも、嘘を嘘とは知らず、嘘を教えていることになります。そして上手く矯正できないと嘆いています。(矯正ということばの使い方にも問題が有ります。)
いろいろ考えましたが、手軽で、自分でキャリブレーション出来る方法の英語話者用の50音という方法のやり方が、一番優れていると考えます。いくら発音を聞いても、口先(唇)、舌先の位置、舌の丸め方、舌の奥の状況をアレンジできません。スマートフォンを使ったディクテーションも間違いは指摘してくれますが、修正の方法を教えてしてくれません。
私が、韓国語会話の学習している時、最初の内、濃音、激音の区別がサッパリ分かりませんでした。しかし、参考書の一つに、「日本人は、どちらも使っているのに、表示されていないから、分からない。しかし、習慣的にワンバイワンで使っています。」との指摘が有りました。
韓国語を習った方ならわかると思いますが、カラスが「カァ、カァ」の「カ」と「カットバセ!!」の「カ」の違いが分かってから、自分で、修正ができるように成りました。基準がわかれば、自分でキャリブレーションが出来るという訳です。
また、日本語では、[ん]一つで表される語も、韓国語では、[n]、[m]、[ng] に、区別しなければなりません。[n]は、舌を上の歯に当てるか噛むかします。[m]は、唇を上下合わせます。[ng]は鼻に抜けます。これらは、まだ比較的簡単ですが、日本語では、舌を曖昧にしか使っていませんので、時間を掛けて練習しますと、舌がくたびれて動かなくなりました。
要するに、その発音に近い単語が分かれば、自分で直すことが出来るのです。単にローマ字を見ての練習は、あくまで、「つもり」であって、治っているかどうかの検証の方法が有りません。しかし、発音の近い言葉を知っていますと、ある程度、基準に比べてどうか検証ができます。
我々は、日本語教育学を学びたいわけでは有りません。大した苦労なく、自然な日本語に近い会話が出来るように、手助けしたいのです。
「英語話者用の50音」は、英語話者用の教本から転載しました。他の外国語にも同様のものがないかネットで調べましたが、残念ながら見つかりません。中国語(簡体字、繁体字)で、個人でお作りなったものが見つかりましたが、運用可能かどうか私には良く分かりません。
願わくは、日本語を母語と同じように使える人が、遅れてくる後輩のために、骨を折って欲しいと考えます。
国際ローマ字(≒エスペラント)で表記たれた五十音表を見つけました。近似していればよいのですが・・・・・・
追記
類似の五十音表を「
その27」に追加アップロードしましたので、ご参照ください。