ばばちゃんのおっちゃんの日本語の先生への道

日本語の先生になろうと一念発起いたしました。

その309 発音考察

2024-07-28 07:35:28 | 6.私の感想・考え
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発音の考察
 学習者と会話して、こちらが聞き取れずに、聞き返えしたりするのは、言わば、コミュニケーション上、重症の部類に入るでしょう。
「聞き辛い」とか、「聞き苦しい」とかは、一応、聞き取れては居ます。しかし、聞き返すのは、やはり、「聞き取れていない。」ということになるでしょう。
 その時、そこで、どういう現象が起こっているのか、更に、どういうトレーニングをすれば、それらを改善できるかということにアプローチしたいと考えます。

 大体、日本人は、単語を並べただけで、彼らの言わんとすることが、ほぼ、分かりますのに、敢えて、聞き返してしまうのですから、これさえ解決できれば、会話が、かなり捗るのではないでしょうか。
 極端な言い方をしますと、この発音の問題さえ解決できれば、重箱の隅を突っついた文法など、全く、必要でないのかも知れません。

 私には、それが、どうも、学習者の弱い特殊音(拍)やそのモーラがその原因のように思えます。
 例えば、幼児との会話や、方言を考えれば、多少、音が外れていても、アクセントが違って居ても、あまり聞き返したりしませんが、モーラが異なっていたりしますとどうでしょう。『アレ?』、『どっちかな?』と判断に迷って、聞き返すのではないでしょうか。

 日本語のモーラは、基本的に、一文字、一拍ですが、拗音だけが例外で、二文字で、一拍になります。
 例えば、「長音」も、「促音」も更に「撥音」も一拍ですよと説明されても、皆さん、それぞれ、正しく理解されているかどうか、よく分かりません。なぜなら、それらは、特殊音(拍)とも言われて、英語には無いものばかりです。モーラも英語にありません。単音の問題だけではなく、どうも、「調子」や、「リズム」「テンポ」といった類の問題のようです。更に、単音等の問題とも、モーラの問題が、重なり合っているようです。日本語の発音では、更に、フットと言って、2モーラが結びついたりしてある種のリズムを作ったりします。
 脳は、英語の強弱のリズムや日本語のフットによるリズムを、感知して、ある程度言葉を予測しているのではないでしょうか。日本人が、同訓異義語の中から、瞬時に適切なものを選び出せるのは、そういうものの助けが働いているように思いす。
 残念ながら、ネイティブとノンネイティブの会話では、それらが共有できていないので、「聞き直し」が、起こるのではないでしょうか。

 また、我々が、勘違いしていますのは、英語にも、長音があると思っていることです。英語のアクセントを強く発音しますと、我々には、あたかも長音のように聞こえますので、てっきり、「長音」が分かっているものと勘違いしてしまっていることです。カタカナ語では、横棒(―)で、表されますが、実は、ほぼアクセントの部分ではないでしょうか。
 英語のスペルの中に、a, i, u, e, o のどれかが,連続しているのを見受けますが、決して独立して一個ずつ発音していません、複合母音と言って中間的な発音もあります。
 そして厄介なのは、日本語で、母音が連続した場合です。連母音と言ったり、長音と言ったりしますが、日本語以外の大部分の言語の話者は、それを、分離することができないそうです。
 要するに、かれらは、単音はもとより、連母音の識別、促音や撥音の識別に加えて、「リズム」も、同時に、整えなければならないという、彼らにとって厄介な問題が、二重にも三重にも重なっているようです。 

 そうなりますと、グダグダ述べるより、沢山例を経験していただいて、フィーリングを捕まえていただく方が、実践的ではないでしょうか。
 学習者の弱い特殊な音、モーラ、フットを、ミニマル・ペアライクに集め、比較しながら、トレーニングできるようにしたいと考えます。上手く行けば、一挙に問題の解決ができ、我々が、聞き返すことが減少するかも知れません。

 特殊拍の混じった単語。特殊拍の混じった単語とそうでない単語のペア。また、それらの単語に、モーラとフットが分かるように説明を加えたものを、準備しました。

発音
ミニマル・ペア
モーラ、フット
追記
 私と似たような考え方の方がいらっしゃいました。
日本語の発音が下手な理由ですね・・・。
 日本語のリズム(拍)が取れない。 聞き返す時がある。
 アクセントが違う。  方言は聞きづらいが、聞き取れる。
 清音・濁音・半濁音の区別ができない。(例)は・ば・ぱ、下手でも聞き取れる
 イントネーションに日本語らしさがない。 下手でも聞き取れる
 単音の発音ができない(例)つ、ず、ん、 単音の参考書はたくさんある
 話すときに突っかかって流暢さがない。発声器官の筋トレ不足
そして、下手でも、聞き取れれば、会話ができる。と。

また、学習者の発音に問題がある場合、下記のような原因が考えられますので、何が問題かを明らかにしておく必要があります。とも。
 母語に存在しない概念(音韻知識)なので、発音を区別していない。
 聞き分けられないので、発音もできない。
 聞き分けられるが、調音上の問題で発音ができない。
私は、日本語教育の勉強を、2015年に、始めましたが、
やっと、この境地にたどり着きました。


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