ばばちゃんのおっちゃんの日本語の先生への道

日本語の先生になろうと一念発起いたしました。

その145 カタカナ英語2

2018-02-08 17:22:58 | 6.私の感想・考え

カタカナ英語の法則2

 池谷先生は、「日本人が英語を話す」ときの状況を伝えていらっしゃいますが、我々日本語を教える立場の者にとりまして、「学習者から見た日本語の姿」をある程度考える助けや、ヒントになりはしないかと、もう少し、しっかり読んでみることにしました。

 彼は、言語学者でもありませんが、かなり深い考察をなさっています。(http://gaya.jp)

 カタカナ英語は、完璧な英語の発音と言う訳ではありませんが、「日本人が英米人に英語を通じさせる」という観点に立てば、より適化された方法だと確信していますと述べておられます。完璧を目指すものではなく「先ずは当面事足りればよい」というスタンスだとも述べておられます。私も全く同感で、一般に会話の学習をしようとされる方のマインドも、全く同じだと考えます。大多数の学習者のスタンスもそういうものだと考えます。現在、沢山の学校、教室で行われている日本語教育は、方向を取り違えていると考えます。何も「日本語らしい日本語」を必要としてはないのです。「長文の書き言葉」なんて必要としていないのです。単に、聞き取ってもらえる要点を突いた短文だけで、会話が成り立つのです。

 そこで、完璧な英語と述べられましたが、そもそも、本当に完璧な英語なんてあるのでしょうか。ロンドン出身の英会話の先生が、ロンドンから50kmも離れると、もう、方言と言いますか、別の英語を話していると言っていました。また、完璧な日本語なんて言うものを使っている人は、一体、何処にいるのでしょうか

 完璧な英語は、学者に任せて置いて、当面やりたいことが出来る程度の会話力で事足りるわけです。彼もそういう使い方をして、現地での、実際の目的(脳科学の研究)を達成されたのですから、会話に対しては、こういう考え方で、十分だと考えます。実際に役立つ会話を目指すべきです。

 また、「自転車の乗り方の解説本をいくら読んでも自転車に乗れるようにならない。実際にやって見るという経験によって培われる。」どんどん繰り返して発音しなさい、ということです。すなわち、掛け算の九九のように体に覚えさしなさいということでしょう。脳科学者が言うのですから間違いないと考えます。

 日本人が英語がうまくならない理由に、先ず脳の可塑性の問題が有ります。音声に関する脳の可塑性は8歳で停止してしまうそうで、その年齢を過ぎてしまいますと、それ以上脳の進化は望めないのだそうです。従いまして、第二外国語の習得は、その条件で、挑戦する以外方法はないのです。

 日本語の特性として、音素の数が少ないというのが有ります。もうそれが身についていますので、それで勝負するしか手立てがないのです。

例えば、

「Bi」「Vi」      →「ビ」

「Fu」「Hu」     →「フ」

「U」 「Wu」     →「ウ」

「Si」「Shi」「Thi」 →「シ」

「Di」「Ji」「Zi」   →「ジ」

というのが有りますが、日本人が、たまたま、工夫し、区別して発音できたとしましても、自分ではそれを区別して、聞き分けできないのです。確認が取れないのです。「つもり」ないし、「見込み」でやるしかないのです。すべて、左側のように発音されても、右側のように聞こえてしまうのです。因みにその比較は、英語の音素(20母音+24子音=44音素)に対し、日本語の音素(5母音+16子音+3特殊音素=24音素)だそうです。

 そして、その差からどんな現象が生じるのかと言いますと、英語話者(音素の多い言語話者)は、発声器官が発達し、いかようにも発音できるようになるのです。そして、発音と言葉が一対一で結びつき、発音を間違えますと、間違った意味や、雑音になってしまいます。「発声技巧の言語」と言う訳です。

 それに引き換え、日本語の場合、音素が少ないので、必然的に、同音異義語が多くなってしまいます。ところが、日本人の脳はそれに対応すべく、沢山の同音異義語の中から瞬時に、適切な言葉がピックアップできるという能力を身に付けました。日本語は、聞き手の素早い想像力を頼りにする言語と言う訳です。

日本語を難しいと感じる学習者は、こういうところに原因があるかも知れません。

  逆に、日本語に有って、英語に無い発音も有ります。英語には「ん」の発音がないそうです。「促音」「長音」もありません。全く気が付きませんでしたが、「ラ行」は、「La」でもなければ、「Ra」でもないそうです。それで、初心者は、「ラ行」の発音を、「La」と「Ra」の間と教わるそうです。私には、実感できませんので、どういうことか良く分かりません。更に、困ったことに、ラ行が続くと発音できないそうです。(~られる。)そんなに高速に舌が回らないそうです。初耳です。

 もう一つ、第二外国語の習得能力は遺伝子の影響が強いのではないのではないかと述べられています。脳の発音に関する可塑性は停止しています。従いまして、「私はこうして話せるようになった」というたぐいの経験談は「自分がどれほどよい能力を持って生まれてきたか」という自慢話を聞かされているだけではないでしょうかとの指摘です。

 また、世間の英語テキストの多くは、英語習得の良い遺伝子を持っている人によって書かれているという事実だという指摘が有ります。私は、以前から気になっていたことの指摘です。会話の学習も、運動のマスターも、指導するコーチは、良い遺伝子を持った人たちで、愚図で要領の悪い人達が、何処につまずいているか一向に分かっていません。学習者、ビギナーが、いくらやっても、全然進歩しないという現象をあちこちで経験しています。

 そういえば、先般似たような経験をしました。ミャンマーにいた時、仕掛け人と彼の義理の妹が、これこれが難しいと言っていましたが、ちゃんと発音が出来ていましたので、何を言っているのか意味が理解できませんでした。もしかしますと、ミャンマー語に無い発音で、彼らは工夫して発音が出来るようになっているのかも知れません。しかし、聞く段になりますと、区別がつかないのでしょう。そうなりますと、文脈から適切な言葉を選び出すのに、時間が掛かり、その正当性にも、検証が出来ないので自信が持てないことになってしまうのかも知れません。

 そういえば、博士の勧めるトレーニングを進めますと、英語が聞き取れるようになりますと有ります。何故なら、耳で聞いた発音をカタカナで表現してあるからです。私の推測通りで、早速、Quizletに取り込んで、トレーニングをやって見たいと考えます。

カタカナ英語1   

https://blog.goo.ne.jp/houren_naka1000/e/d4eb348bfd95ac6ba9d5f2a20b2f5135

カタカナ英語3

https://blog.goo.ne.jp/houren_naka1000/e/32188cd8fce1c57814ce191af12e63a9

Quislet化したカタカナ英語、真カタカナ英語

https://blog.goo.ne.jp/houren_naka1000/e/b9b515c1b31b85c0989d891d957ffb40

 

 

 


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