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どうして絶望的未来しか想像できないのか?(9)

2010年12月07日 | 書店業界(薄利多売は悪くない)
7、貫かれる80:20の法則

 前回、例に出したザルの目の数は、偶然の数字ではありません。

 かつて全国の書店数は23,000とも言われていましたが、今では16,000も切るかのところまできています。
 最近知った数字ですが、異業種で多い業界としてよく知られるのがコンビニで、その数およそ5万店。
 他に多いのとして知られる歯医者さんが約7万。
 意外だったのは、全国にあるお寺の数も75,000くらいあるそうです。

 他方、少ない業種として知られるのが、
今、社会問題にもなっている産婦人科などが1万を切っています。
眼科も少なく

 これらの数字を私たちの書店業界が23,000から16,000くらいにまで減ってきたことをあわせてみると、実感的に、全国で2万を切ると、いかなる業種でも、今、住んでするところにその業種がひとつもないという所が出てくるのがわかります。

 とすると、あらゆる業種で以下のようなことが言えるのではないでしょうか。

 日本の人口1億何千万だかのうち購買人口をおよそ1億と見た場合、
あらゆる業種のボーダーラインの数字2万で割ると、5,000人という数字が出てきます。

もちろん、都市部と山間部との違いはありますが、この
   1億 ÷ 2万 = 5,000人
こそが、あらゆるサービス業の標準的な商圏人口ということになります。
ずいぶん少ないように感じるかもしれませんが、この5,000人商圏という数字は、少し前の日本の普通の姿であり、世界的に見ても決して少なすぎるというほどではなく、ごく普通の数字であると言えます。

 私たちが見直さなければならないのは、この5,000人商圏の2割、つまり1,000人の顧客こそが、地域でターゲットとするべき顧客なのであります。
 そしてこの1000人のうちの2割、つまり200人程度の顧客こそが、実際のお店の売り上げの8割を支えているお客なのです。
 まずこの200人を、顧客台帳やなんらかの会員登録などできちんと対応することです。

 ここで200人の顧客を区別するということは、それ以外の客は売り上げ貢献が少ないから差別するという意味ではありません。
 この2割の顧客は、店全体の8割の売り上げを支えているだけでなく、この需要に答えること如何で売り上げを大きくコントロールすることができるという意味が大事なのです。
 残りの人たちは、店が独自な手をかけても、多くの場合その店にこだわる理由がなく、どこの店でも最寄りの店でよい浮気客が多く、店の努力よりもテレビなどの外部の影響を強く受けやすいひとたちだからです。つまり、多くの労力をかけても、売り上げを伸ばすことにはつなげにくい客層ということです。
 
 言葉は悪いかもしれませんが、この店側のコントロールの及ぶ200人と、そのなかのまた2割のヘビーユーザーの顧客40人こそ、何をしてほしいのか、どんな本を買いたいのか、徹底して追求するべきなのです。
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