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 「Hoshino Parsons Project」のブログ

「千回の法則」の要点メモ 持続する仕事 

2017年01月17日 | 書店業界(薄利多売は悪くない)
久しくブログの更新ができないままだったので、長い間まとめきれていない記事のポイントを
一度メモとしてアップさせていただきます。

それは、なかなかまとめきれずにいる「千回の法則」の分類です。

右肩下がりの時代になると、よく人から「それは散々やったけどダメだった」とか
「真面目に努力しているけどうまくいかない」とかいったようなことを聞くことがありますが、 

「散々やった」という時、実際にどれだけやったのかとその実態を聞いて見ると多くの場合、2、3回程度であることがほとんどです。
せいぜい「散々」=3+3=6回
または良くて 3×3=9回 といった感じです。

10回以上などというのは、ほとんど聞きません。
 
他方、真に努力している人というのは、初めから数回などというのは諦めるレベルではないと思っているので、まだダメだったなどと判断することなく、あたりまえのこととしてその先の努力につなげているのです。
 
何事も、千回のボリュームゾーンに至らないうちは、たいていのことがらはまだ「努力した」とは言えないものです。
 
はじめから「努力」ということのレベル設定のケタが違うのです。

要約すると、以下のようになります。
 
 

①、体験レベル 1回〜数回
   かけ替えのない貴重な体験、しかし自分ではコントロールの及ばない出会い

②、経験レベル 3〜10回
   既存のシステムであれば参加権が得られるが、うまくいかない場合は
   他人や社会のせいにしがちな学校のお勉強レベル

③、蓄積レベル 10〜100回
   ある程度、人に自慢したり教えたりできるレベルだが、まだ資産にはなっていない

④、自己化レベル 100〜1000回
   時には人からお金をもらえることもあるような能力の水準

⑤、社会的固有化レベル 1000〜10000回
   ビジネスモデルとして確立、または複数の千回プレイヤーが協力し合う関係

  「1万時間の法則」と言われるのもこのレベルから

⑥、唯一無二の芸術・職人レベル 10000〜100000回
   個人芸で食べていけるような水準。しかし保証ではない
   「かっこいい」「美しい」「感動」

⑦、生命のレベル 100000〜100000000回
   過酷な環境を生き延びるのに必要な自然界の摂理



音楽家、画家、職人、アスリート、研究開発などの世界で生きている人は、すぐに納得してもらえるのですが、一般のサラリーマンの世界では、優秀な人でもこのことを受け入れてくれないことが多いのです。

確かに失敗の許されない大企業とか、効率優先で結果のみを求められる社会では、この原則は受け入れがたいかもしれません。
 
おそらく、たちまち首切りの口実にされてしまうのがおちでしょう。

仕事は無駄な手間を省いてこそ利益が出せるのに、なんでそんな千回も1万回もしんどいことをしなければならないのかとも言われそうですが、こうした自らの独自性生みそだてる作業こそが、付加価値の源泉なのです。

①、②の場合は、正しいかどうか、損か得かが価値判断の基準になりがちなものです。

それに対して⑥、⑦に近づくほどに、面白いかどうか、美しいかどうか、楽しいかどうかに価値判断基準が移っていきます。美しいかどうかの価値基準に近づくほど理屈抜きで手間をかけるようになり、手を抜くこともできなくなるものです。

この道を選択する方が、

命をすり減らすようなストレスが多い仕事からの解放の道であり、
 命を燃やし輝かせるより楽しい仕事を獲得する道であること。

このことで、あきらめない働き方が出来ると同時に
 疲れない働き方・仕事をを獲得することができるということ。

より回数の多いプロセスに入りながらも、
 生命活動に一層寄り添う仕事になり、幸せを感じられるようになる

ということはここで確認しておきたいと思います。


 
 

「ほんとうに世界を変えるのは、権力や富ではなく、
また、数と力を頼む行動や声高な主張でもなく、
静かな持続する意思に支えられた、力まず、目立たず、
おのれを頼まず、速攻を求めず、ねばり強く、
無私な行為です。」

    ジャン・ジオノ『木を植えた男』 (こぐま社)

 

この「千回の法則」の道を選ぶことが、「参加」「所属」型の労働から、「つくる」こと、「創造」する労働への転換であるということの説明を次回にさせていただきます。


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