昨夜は二十三夜でした。
月の出は、深夜1時半過ぎ。
その月夜野の夜とロサンゼルスの朝の対話おさらい整理。
何か新しいことを始めようとする時、予算の獲得や周りの人たちの説得には、常に大変な労力を要するものです。
大抵は企画書をつくり、説明する相手に応じて表現を練り込んで、発表時間の数倍の準備時間をかけるものです。
でも、それだけ手間をかけても、その企画が通るとは限りません。
なぜなら、多くの場合、その提案を聞く人は、それまで考えていなかったことを聞かされることが多いだけでなく、自分があまり興味のないことを聞かされる場合が多いからです。
企画提案というのは、そういうもので、そこで相手を説得出来ないようであれば、仕事は出来ないに等しいと言われ続けて来ました。
ところが、これを当たり前のことと思ってしまうのは、組織の論理。
組織の枠を外してしまえば、これまで企画提案の準備、説得にあてていた時間はすべて、実際の活動に取り掛かる時間として使えるようになります。
むしろ、企画書などの紙で一生懸命伝えるよりも、いち早く具体的な形をつくってしまい、それを見せた方がはるかに説得力があるものです。
実際には、提案する側も、具体的な作業を始めないと、その先にどういう問題かあるか分からないことが多い。
そうしたリスクを考えたら、大抵の経費は自腹をきってやってしまった方が得です。
ところが、組織の論理は、自腹というのは経費に計上されないコストだから正しいビジネスモデルにはならないと、ストップがかけられる。
こんな風景で、右肩上がりの時代にはかろうじて出来ていたことも、今はことごとく不可能な時代になってしまいました。
だからこそ現代では、より小さな組織で勝手に自腹を切ってでも(ほんとうの自己投資)やってしまうところの方が、いい仕事ができています。
この、まず勝手にやってしまう方法は、従来型組織でも結構効果があることが証明されています。
勝手にやってしまうと、必ず怒られますが、実はそこからが勝負どころです。
多くの場合、勝手に作ってしまったもののデザイン性が良ければ、かつてそれをやる意義はどこにあるんだとか、費用対効果はどうなんだとブレーキをかけていた人たちは、案外あっさりと認めてくれるからです。
つまり、企画段階で説得のために要した膨大な時間に、意味がないとは言わないまでも、少なくとも大半が実際には無くても済むことに労力を注ぎ込んでいたことが証明できるからです。
こうしたことの積み重ねこそが、従来型の組織体質を変える確実な一歩になります。
みんなでやる横並びの仕事など、もうほとんど価値をうめない時代になっています。
もちろん、事業規模にもよりますが、一人でもやり切る覚悟のある人が集める仲間こそが、チームを作ることができるのだと思います。
決して誰にでも勧められることではありませんが、自腹をきってリスクを背負ってでもやる価値のあることでなければ、そもそも自分の貴重な時間を使う意味などないないはずです。
これも必ずしも能力のあるなしではなく、生活の固定費が低ければ、恐れることなく誰もがもっと積極的に踏み込んでいける社会になると思います。
小さなチャレンジは、やったもん勝ちの世界。
月夜野タヌキ自治共和国は、そんな世界です。