英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

エボラ出血熱の恐怖  日本にとり対岸の火事?

2014年08月03日 23時25分56秒 | 生活
 エボラ出血熱が西アフリカ三国 ― ギニア、シエラレオネ、リベリア - を襲っている。1976年に初めてスーダンで発見されてからコンゴ、ウガンダ、ガボンなど中央アフリカで不定期に流行してきた。致死率は50 – 90%と非常に高い。他人に感染する前に感染者が亡くなるケースが多いため、大きな広がりはないといわれてきた。
 エボラ出血熱は、感染した血液、体液、臓器に触れることで感染する。接触感染であり、空気感染ではない。患者は、早期発見され迅速な治療を受けた時のみ助かる可能性がある。初期はインフルエンザのような症状であり、次に目や歯肉から出血。そして内臓出血を起こし、臓器が機能不全に陥り死に至る。自然宿主はコウモリとの説がある。
 ことし3月以来、エボラ出血熱の西アフリカ3国の犠牲者は729人で、1300人以上が感染者か疑似感染者だという。1976年以来最悪の状況と言われており、封じ込め作戦が感染拡大に追いついていない。米国の医療専門家3人も感染。そのうちの一人が死亡した。二人は米国に運ばれた。症状は少し改善されたが予断を許さない。
 世界保健機構(WHO)のマーガレット・チャン博士は西アフリカ3国の大統領ら会い、数百人規模の医療スタッフを派遣することを約束した。
 ギニアの首都コナクリでの会見で、チャン博士は「もし状況が悪化すれば、結果は悪夢となる。死者は急増し、3国の社会経済にも悪影響を及ぼし、他国に拡大する」と話した。
 3国のリーダーは会議を開き、撲滅対策を協議したが、手遅れの観をいなめない。チャン博士は「今までとは違った形で拡大している」と述べている。つまり旅行者が運び屋であり、飛行機が拡大する主因の可能性を秘めている。
 このため欧州は緊張している。イタリアは北アフリカからの不法移民が絶えない。サハラ砂漠を越えて感染者が来る可能性があるという。ただ、欧州にたどり着く前に発症している可能性が高い。フィリピンも水際作戦を展開。海外からの旅行者の健康検査を厳しくしている。日本は注意を呼び掛けているだけである。
 米途上国支援団体の「平和部隊」は7月30日、リベリア、シエラレオネ、ギニアの3カ国で活動していたボランティア340人を出国させると発表した。活動再開のめどは明らかにしていない。
 エイズやエボラ出血熱はアフリカのジャングルに生きる動物の病気。エイズの起源はカメルーンのチンパンジーという説が有力だ。
 20世紀から21世紀にかけて人間がアフリカのジャングル奥深く入り込み、開発していったのが原因ではないかと思う。“神の怒り”に触れたわけだ。19世紀の偉大な探検家リビングストンも、皮肉を込めて言えば、間接的に一役買っているのかもしれない。
エイズと同じように、エボラ出血熱も日本に将来入ってくるかもしれない。日本当局が今から防疫体制を準備するにこしたことはないと思う。