英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

特定秘密保護法を感情で成立させるな  自民党案に反対 

2013年11月16日 11時19分35秒 | 時事問題
 特定秘密保護法案と教科書検定基準の見直しをめぐる新聞記事に注目している。もちろん特定秘密法案を必要としない世界が一番望ましい。だが、世界はいまだそこまで成熟していない。人間が世界を支配しているかぎり、特定秘密保護法案を必要としない世界はおとずれないだろう。この意味で外交や軍事で一定程度の国家秘密が必要だろう。
 かといって、今回、政府と与党自民党が出してきたこの法案に賛成はしない。反対だ。1年ぐらい前に『安倍自民党新総裁は「実りある犠牲」を引き受けることができるか』という題で「国民の安全と安倍氏の政治姿勢がどこまで現実的なのか、一抹の不安を感じる。観念的な政治家と情緒的な国民のハーモニーから生み出される外交的な雰囲気は危うい」と書いた記憶がある。
 特定秘密保護法案の内容を垣間見ると、どうも自民党の目からしか景色を眺めていないようだ。念頭に米国があるのだろう。筆者は米国との同盟が必要で重要だと思うが、この保護法案から安倍首相と自民党の姿勢がうかがわれる。一言でいえば、対中との絡みで米国を頼みとしているために、日本の機密はすべてそちらに渡します、と読める。受け身の国民丸出しではないかと思わざるを得ない。自国民は二の次なのかと言いたくもなる。安倍氏の最大の欠点は「情調」「感傷」「観念」的な思考だということだ。このため、客観的に観察できないようだ。何を機密にするか、いつまで機密にするか、政府や官僚の個人や団体に対する侵害を監視する公平で客観的な第三者機関を創設するなどの配慮が欠けている。この法案はあまりにも恣意的でずさんだ。
 安倍首相は「悪用されないようにする」と言っている。100歩譲って、安倍首相を信じたとしても、これから生まれてくる人間が悪用する可能性だってある。この可能性を秘めた法案を誰が保障するか。どうも首相は「歴史、歴史」と発言しているが、歴史の本質を理解していない。