大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

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私本東海道五十三次道中記~箱根西坂・吾妻嶽地区の259本の杉並木~

2013年04月26日 13時59分35秒 | 私本東海道五十三次道中記
私たちの東海道街道巡りは先月4月は箱根湯本から旧街道東坂を辿り元箱根港までのおよそ10キロを登りつめ、芦ノ湖畔へと到着しました。

そして来月5月はいよいよ箱根東海道の最高地点である箱根峠(846m)を越えて、三島宿への西坂の下りへと進んでいきます。そんなことで4月24日に雨にもかかわらず下見のために西坂の下りを果敢にも挑戦してきました。

標高732mの元箱根港は芦ノ湖の湖面が霞むほど雨で煙っていました。三島まで10キロ越えの下りを思うと気が重くなります。

さあ!いよいよ出立です。箱根神社の一の鳥居に見送られるように、まずは芦ノ湖畔の元箱根港から函根恩賜公園まで国道1号に沿ってつづく杉並木を歩くことにします。すでに箱根東坂では杉木立の中を貫くようにのびる旧街道石畳を嫌というほど歩いてきましたが、これはあくまでも杉木立であって人為的に植えられた並木ではありません。

杉並木

東坂行程で見た杉並木はドンキン地区((権現坂を下りきった部分から芦ノ湖畔まで)に並ぶ76本の見事な杉並木でしたが、ここ吾妻嶽地区(芦ノ湖畔から恩賜公園駐車場前まで)の杉並木はなんと259本も残っています。樹齢400年弱といわれる杉の大木がおよそ300mにわたってつづいています。

杉並木

江戸期から残る箱根町地区の並木杉の数は420本ほど残っています。
ドンキン地区:76本(権現坂を下りきった部分から芦ノ湖畔まで)、吾妻嶽地区:259本(芦ノ湖畔から恩賜公園駐車場前まで)、新谷地区:26本(恩賜公園駐車場から関所まで)、向坂:59本(芦川集落はずれから挟石坂手前まで)

杉並木

まさに昼尚暗い杉並木の道が続きます。箱根旧街道の並木杉はその多くは明治時代に宮ノ下から元箱根を結ぶ道路建設の費用に当てるため伐採され、かろうじて芦ノ湖畔の並木杉だけが江戸時代の風情を残しています。

杉並木
杉並木

杉並木に入る前には雨がひとしきり強くなってきたのですが、巨木の杉がつづく旧街道では杉の枝葉が雨を遮ってくれているようで、さほど雨が苦になりません。街道を整備した先人たちは距離を知るための一里塚を設置し、雨風そして陽射しをしのぐために街道に木を植え、旅人たちに利便を提供してくれたのです。

過ぎ去った時代の旅人たちも東坂を登りきり、平坦となった芦ノ湖畔の杉並木で目の前に広がる湖面を眺めながらしばしの休息を楽しんでいたのではないかという思いを馳せてみました。

そんな思いを頭に巡らせていると、もう箱根関所跡の江戸口にさしかかってきます。この江戸口までのほんのわずかな道筋にも杉並木が残っています。

関所へつづく道筋の杉並木

箱根関所を越えると、西坂地区の最初で最後の箱根峠に至る上りの坂道が始まります。

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