大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

私本東海道五十三次道中記~箱根西坂・箱根峠(846m)への石畳道~

2013年04月26日 15時06分19秒 | 私本東海道五十三次道中記
箱根関所跡の江戸口から京口にいたるほんのわずかな距離を抜けるといよいよかつての箱根宿の始まりです。……が、まっすぐにのびるかつての宿内の道筋には宿場町を想起させるような古い建物は一軒も残っていません。あるのはお土産を売るお店ばかりです。

箱根関所(江戸口)
箱根関所

私たちはお土産屋さんが並ぶ道筋を歩き、東海道筋へと進んできます。三島町を過ぎると芦川の交差点にさしかかります。この交差点で旧街道は国道一号と分岐し、宿のはずれへと入っていきます。

箱根宿の土産屋

その道筋の途中、街道の左に朱色の鳥居を構える駒形神社が現れます。芦川集落のはずれといった場所で、この辺りが箱根宿のはずれにあたります。

駒形神社

駒形神社から40mほど進んでいくと、いよいよ箱根峠へと至る登りの坂道の入口が見えてきます。その入口の傍らに佇むのが「芦川石仏・石塔群」です。古くから箱根地域は地蔵信仰が行き渡っている場所で、箱根全山のいたるところに地蔵が鎮座しています。おそらく旅の安全を願う旅人を見守るために置かれていたと思われます。

芦川石仏・石塔群

そんな石仏に安全祈願をして、箱根峠へ至る石畳の坂道を進むことにします。

向坂入口

石仏が置かれている場所の標高は730mあります。ここから標高846mの箱根峠まで116mの標高差を一気に克服しなければならないのです。
東坂の登りで経験済みではあるのですが、やはり登りは体にこたえます。

芦川の石仏群を坂の入口として、まず現れるのが「向坂」そして「赤石坂」「釜石坂」「風越坂」「挟石坂」と次から次へと坂の名前が変わっていきます。

向坂1
向坂2
向坂3
向坂4

向坂を超えると旧街道は国道1号線の下をくぐるようにトンネルになっています。トンネルをくぐると数段の石段がのぼり、さらに上へと石畳のスロープが始まります。

国道1号の下をくぐる旧街道

この坂さえ上りきれば、あとはひたすら下るだけ、と自分に言い聞かせながらキツイ坂道を踏みしめて進んでいきます。およそ600mの距離の登りの石畳道が終わるころに現れるのが、国道に合流するための「ものすごく急な階段」です。わずか20数段の階段なのですが、登りの石畳で疲れ切った体にはかなりこたえます。

赤石坂
赤石坂1
釜石坂
釜石坂1
風越坂
風越坂1
国道と合流する手前の階段

歯を食いしばって階段を登りきると、目の前には箱根新道と国道1号線の分岐点が現れます。



私たちは車の往来に気を付けながら国道一号筋へと入り、東海道箱根最高地点846mをめざし最後の登りを目指します。

私本東海道五十三次道中記~箱根西坂・吾妻嶽地区の259本の杉並木~
私本東海道五十三次道中記~箱根西坂・雨に煙る笹竹のトンネルと甲石坂~
私本東海道五十三次道中記・箱根西坂~幽玄な趣・霧に閉ざされた杉木立~
三島・初音ケ原の松並木と石畳
伊豆の国の一の宮・新緑の三嶋大社





日本史 ブログランキングへ

神社・仏閣 ブログランキングへ

お城・史跡 ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿