坂詰真二著『やってはいけないストレッチ』(青春新書2013年5月15日青春出版社発行)を読む
出版社の内容紹介は以下。
「ストレッチをしているけど、本当に効いているのかわからない」「続けているのに、全然カラダが柔らかくならない」「いろんなやり方があって、どれが正解かわからない」……。本書ではそんな疑問に答えながら、もっとも効果的なストレッチの方法を解説。なぜあなたは実感が得られないのか? 柔軟性が低いと日常生活でなぜ危険なのか? これから始める人も、すでに始めている人も役立つ、確実に成果を出すストレッチの決定版。
ストレッチは、筋トレと違って、筋肉を無理に伸ばして硬くしてはいけない。緊張せず、力を入れ過ぎずに伸びやかに伸ばすのが良い、という趣旨。
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)
「やってはいけない」など「売らんがな」の題名であり、『やってはいけない筋トレ』が売れたからの二番煎じの本だが、中味はまじめ。ただ、内容は「筋肉を硬くするのは間違い」という話と、ストレッチ例の図が20頁ほどあるだけでそれほど濃くない。
伊藤マモル『若さを伸ばすストレッチ』(2009年10月15日平凡社発行)の方が、目的別ストレッチ例が70頁出ていてお勧め。ただし、この本前半の100頁ほどの理論的説明は、私には退屈だった。
坂詰真二(さかづめ・しんじ)
1966年、新潟県生まれ。NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト。同協会公認パーソナルトレーナー。
株式会社ピープル(現コナミスポーツ)でディレクター、教育担当を歴任後、株式会社スポーツプログラムスにて実業団等のチーム、個人選手へのコンディショニング指導を担当。
1996年に独立し、アスリート指導・指導者育成・メディアを通じての運動指導の三本を柱に「スポーツ&サイエンス」を主宰。各種アスリートへの指導、スポーツ・医療系専門学校講師を務めながら、雑誌『Tarzan』(マガジンハウス)など、様々なメディアで運動指導、監修、出演をしている。
著書に『やってはいけない筋トレ』(青春出版社)など。
以下、いくつか抜き書きする。
はじめに
本来、ストレッチは筋トレや有酸素運動と比較して、最も早く効果が表れる、即効性のあるトレーニングです。そして最も疲労しにくく、ケガのリスクが低いトレーニングでもあります。(p5)
ですが、やり方によっては筋肉や関節を痛めて、かえって柔軟性を低下させてしまうことさえあるのです。(p4)
柔軟性があるかないかで、今の、そしてこれからの生活に大きな差がでるからです。体が硬いことは、思っている以上に不便で危険なのです。柔軟性があればケガをしにくくなりますし、身のかなしが軽くなりスッと伸びた姿勢に変わる。(p6)
第一章
限界まで頑張ると、筋肉が自然と抵抗して硬くなり、かえって伸びない。
ストレッチは朝イチではなく、体温の高い日中に行うべきです。
意識すると筋力がアップするわけですから、筋トレにおいては、使う筋肉を意識することは正解なのです。しかし、ストレッチでは筋肉が脱力していることが第一の条件で、伸ばす筋肉を意識してはいけない。…伸ばす筋肉と反対の働きをする筋肉を意識することにも意味があります。
第三章
ちょっと動くとすぐ疲れる。動かす筋肉と反対の働きをする筋肉が硬いとこれが抵抗になり、より大きな力を出さなければならないので疲れる。柔軟性がアップすると、同じ動きをしても疲れにくくなります。
同一姿勢を保ったままだと、血行が阻害され疲労物質がたまり、「静的疲労」する。解消するには、休むより軽く体を動かす方が効果的。