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hiyamizu's blog

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昔話シリーズ(中学生の頃) 心に残る先生

2025年05月23日 | 昔の話

関東学院大学が開催した「心にのこる最高の先生」をテーマにしたエッセイ・コンテストの受賞作をまとめた本「心にのこる最高の先生 MY BEST TEACHER 」大巧社を読んだ。

 

最高の先生は、生徒に自信とやる気を起こさせ、その効果は長い年月に及ぶ。各エッセイにほぼ共通しているのは、ほめ上手が多いし、かなり型破りで、自分の考えをしっかり持った先生が多いことだ。

教師は生意気盛りの生徒からはバカにされることも多い。しかし、教師という職業は、この本のように若者の人生に大きな影響を与えることができるすばらしい仕事でもある。

 

私自身、今、過去の先生を思い出して、私にとっての最高の先生は誰かと考えてみた。それは、中学のときの田中先生に違いないと思った。意志の強そうな真一文字の口に長くとがったあご、黒縁のめがねを掛け、ざんきり頭。

先生は武者小路実篤や、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」が大好きだった。熱意がほとばしる授業をし、信念をしっかり持った先生だった。当時からひねくれていた私は、ちょっとクサイ先生で、自分とは違う考え方だと思ったが、尊敬できる先生であった。

 

私は、小学校以来、ごく目立たない生徒で、成績もいつも中の上といったところだった。抜群の成績だったという両親からはいつも「皇太子と同じだね」と言われていた。上皇のことであり、畏れ多いことではある。

 

中学2年で田中先生が担任になって、何かの試験でたまたまクラス一番になったのを、皆の前でほめてくれた。先生が私に注目してくれているような気がして、家でもすこし勉強するようになった。
ある時、隣に座っているF君が前の席の女の子と話していた。

「うちのクラスの一番はあのI君で、俺は2番なんだ。冷水君は3番だ」

女の子がびっくりした顔で、僕の方を見た。私も初めて聞く話で、成績や順位なんか全く気にしてなかったので自分でもびっくりした。

ちなみに、F君は東大の医学部を出て、TVにも出るようなアメリカの大学の有名な教授となった。

これに比べて、私と言えば、このときが私の人生のピークだったのだ。

 

心に残る先生」2007年11月25日を一部変更して再掲

 

 

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